東京は土地の価格が高額なので、狭小地に家を建てる人が少なくありません。狭小地とは言っても、東京以外の土地であれば、数軒の家が建てられるような価格です。それほど高額でありながら、多くの土地は、郊外の住宅地に比べると、マイナス点の多い土地です。
マンションや、背の高い住宅に取り囲まれている土地であったり、旗竿地や、間口が狭く奥行きの長い「ウナギの寝床」のような土地であったりします。マンションや、背の高い住宅に取り囲まれている土地に、家を建てれば、昼間でも薄暗く、風が通り抜けていかない室内環境になってしまいます。旗竿地に家を建てれば、家に出入りするたびに、隣家の視線が気になる暮らしになってしまいます。ウナギの寝床のような土地に家を建てれば、間取りが制限されると同時に、家の中心には陽射しが届かない家になってしまいます。
せっかく家を建てても、日当たりと、風通しが悪い家、間取りに制限があり、家族の暮らしに寄り添わない間取りの家になってしまえば、家族の思い描いた幸せな暮らしは手に入りません。後悔の残る家づくりになってしまうでしょう。だからと言って、東京での暮らしを捨てて、郊外に家を建てれば、通勤や通学にかかる時間の長さに、うんざりするかもしれません。東京で暮らしていた時の楽しさを思うと、新しい暮らしに、不満を感じるかもしれません。そうなれば、それも、後悔の残る家づくりになってしまいます。
「東京で暮らしたい」と考える人は、同時に「狭小地に建てるがゆえに、暮らしにくい家にはしたくない」とも考えているはずです。それならば、高級注文住宅として、狭小住宅をとらえましょう。狭小地に建てる家でも、快適な室内環境の家が建てられれば、居心地の良い家での毎日が実現します。
狭小住宅を高級注文住宅にするべき理由…空間の自由度
狭小住宅では、快適な居住環境を作る為に、自由自在に空間を扱える設計が求められます。そして、自由自在に広い空間を造っても、耐震性が脅かされないことが第一条件です。広い敷地に建てる家に比べて、狭小敷地に建てる家は、広い空間を造ることによって、耐震性を脅かされる恐れがあるからです。
狭小住宅には、日当たりと風通しを良くし、狭さによる圧迫感をなくすために、広い空間が必要です。そして、狭小地に建てる家に、十分な床面積を持たせるためには、2階建て以上にする必要があり、その多くは3階建てです。その為、狭小地に建つ3階建ての家は、縦に細長い形状です。縦に細長く、隣家との距離が近い、周辺にはマンションやビルもあるという環境にあっても、陽射しと風を十分に採り込む為には、吹き抜けや、スキップフロアを採り入れ、家の中の空間を繋げなくてはなりません。敷地内に駐車スペースを確保できない場合には、インナーガレージのある家にすることもあります。この場合にも、間口いっぱいの開口部になるので、耐震性が揺らぎます。
鉄筋コンクリート造の家であれば、大空間のある間取りであっても、耐震性は確保されます。しかし、多くの日本人は、木造住宅での暮らしを好みます。コンクリート造の家は、夏は暑く冬は冷える、加えて、湿度が高くなりがちで、カビが生えることもあるというような室内環境だからです。それでも、大開口や、開放的な大空間のある家を建てたいと願う人は、コンクリート造の家を建てる決断をするのでしょう。
でも実は、木造住宅でも、自由自在な大空間を造ることは可能なのです。日本の木造住宅のほとんどは、昔から親しまれている在来工法という木造軸組工法で建築されています。柱と梁で軸組を作り、筋交いの入った耐力壁で、地震の横揺れを吸収する工法です。この工法では、耐力壁を要所要所に組み込まなければ、耐震性の低い住宅になってしまいます。その為、家の中に大空間を作るためには、制限が生まれてしまいます。
しかし、コンクリート造のように、枠の部分を頑強に造るSE構法であれば、家の中に筋交いの入った耐力壁を配置する必要がありません。したがって、自由自在に大きな空間を造れるのです。ただ、SE構法は、コンクリート造ほどではありませんが、在来工法より、建築費が嵩みます。ここが、狭小住宅は、高級注文住宅を目指すべき理由の一つです。
「狭小住宅だから、日当たりが悪くて昼間から照明をつけている」
「狭小住宅だから、家の中では心地よい風が感じられない」
自由自在な空間が作れなければ、快適な室内環境が作れません。その結果、狭い家だから仕方ないとあきらめてしまうような家づくりにしないためです。
「吹き抜けからの陽射しと、風が心地よい」
「空間が広いから、狭くても圧迫感を感じない」
「家の中にガレージがあるので、雨の日でも便利」
自由自在に空間を造れれば、心地よい室内環境と、利便性が手に入ります。
狭小住宅を高級注文住宅にするべき理由…住宅の性能
耐震性が高いだけでは、十分な住宅性能を備えた家とは言えません。家の中の環境を調える為の性能も必要です。特に、吹き抜けやスキップフロアのある間取りには、高い断熱性と気密性が求められます。居室が細かく区切られている間取りの場合、断熱性がそれほど高くなくても、それぞれの空間が狭いので、少しの冷暖房でも、適温にできます。しかし、吹き抜けやスキップフロアがある間取りでは、冷暖房の効率が落ちてしまいます。空気には、暖まると、上昇するという性質があるため、冬は暖房の熱が、階上の部屋に移動してします。また、日当たりを確保するため、トップライトと吹き抜けのある間取りにした場合、夏の強い陽ざしが、家中に射し込み、冷房をしても、涼しくなりません。
吹き抜けや、スキップフロアのある間取りであっても、最小限の暖房で冬を暖かく過ごすためには、断熱性と気密性の高さが必要です。さらに、トップライトからの直射熱を遮るために、遮熱性能のある窓にする、ブラインドなどトップライト用の日よけを設置することも大切です。
気密性の高さと、窓の性能は、防音、遮音にも影響を与えます。隣家との距離が近く、周辺に建物が、密集している環境にある住宅では、近隣の生活音や騒音が、日常的なストレスになる恐れがあります。隣家の生活音、線路や道路、商業施設などからの騒音が気になる環境であれば、気密性の高さが求められます。
気密性は、屋根や壁、床に優れた建材を使うだけでは、確保できません。熟練した建築技術と、防音性能を持つ窓が加わった時に、優れた気密性を実現します。家づくりの際には、間取りや外観デザインに重点が行きがちです。しかし、快適な暮らしの為には、室内環境を調える住宅の性能についても、考えることが大切です。予算の配分の優先順位を考える時、構法の選び方と住宅性能を第一に考えるべきではないでしょうか?
狭小住宅を高級注文住宅にするべき理由…外観デザイン
床面積を、少しでも多く確保するためには、すべての階の床面積を同じにすることが効果的です。1階より2階、2階より3階を小さくすれば、その分床面積が減ってしまうからです。その結果として、狭小住宅には、細長い箱型の家が多いのです。箱形の家は、シンプルな美しさがある外観デザインにも、安っぽい感じがする外観デザインにもなる形状の家です。シンプルな美しさが際立つ家にするためには、窓のサイズと数・開閉方法・並べ方、バルコニーや袖壁の建材とデザインなどが大きく影響します。
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SE構法は、狭小住宅を、「洗練された雰囲気を持つ、快適なで安全な暮らしができる家」にします。東京で暮らすことを決断し、東京に家を建てることを検討中の方は、ぜひSE構法で家を建てることを選択肢の一つにしてください。SE構法について知れば知るほど、東京の狭小住宅にはぴったりな構法だということがわかります。SE構法についてのコラムもぜひご覧ください。
ホープスの狭小住宅への想い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。