シンプルな外観デザイン
箱形の家は、屋根の形、家の形状、外壁の色、住宅の外側に設置されているバルコニーやウッドデッキなどによって、視覚的なイメージが変わってきます。シンプル=没個性ではありません。箱形の家を彩る屋根や外壁、バルコニーなどの作り方によって、家族の価値観や、好みに寄り添った外観デザインが生まれます。
屋根は、外観デザインに大きな影響を与えます。同時に3階建てにする場合や、住宅の密集する地域に建てる場合には、隣家や道路への陽射しや風通しを、妨げないようにするための日影規制や、北側斜線制限にも配慮しなくてはなりません。そこで、建物と空の比率で判断することによって、制限が除外される天空率を計算し、屋根の形状に活かすことも必要です。その結果、密集地に建てる狭小住宅には、片流れ屋根や片側だけの腰折れ屋根が採り入れられます。
外壁の色は、ホワイト系、ネイビー系、グレー系が清々しい印象を演出します。
バルコニーには全体のフォルムを引き締める効果があります。
無垢材のバルコニーと、木質系のドアが、片流れ屋根と濃淡2色に分けたグレー系外壁の箱形の家の外観のアクセントになっています。
特注のタープを掛けてアウトドアリビングとして活用できるグレー系のバルコニーが、白い外壁に映える外観デザインです。
シンプルな箱形の家には、いろいろな表情があります。周辺の環境や規制に対応する、アウトドアリビングを造るなど実際の目的と、家族の好みを両方取り込んで、個性的な外観デザインを持たせられます。
シンプルな間取りで狭小住宅を暮らしやすく
狭小住宅にはシンプルな間取りが向いています。シンプルな間取りとは、居室を細かく分けない間取りです。居室が細かく区切られている家には、間仕切壁が増えるので、部屋の使用目的が限られてしまいます。一方、家族には年代の変化や子供の成長に伴って、暮らしの変化があり、暮らしの変化によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。
居室が細かく区切られていないシンプルな間取りは、その時々の暮らしの変化に合わせ、最も暮らしやすい間取りに変えていけます。繋がっているLDKは、子供が小さいうちは、キッチンで、食事支度をしているお母さんの近くで宿題ができるように、キッチンの近くに勉強コーナーを作ったり、テレワークが増えたお父さんの為に、リビングの一角に、ワークコーナーを設けたりするなど、手軽に暮らしやすさが作れます。
シンプルな間取りでは、動線もシンプルになるので、家事がしやすくなるという良さもあります。狭小住宅では3階建てにすることが多く、1日のうちで、階段を昇り降りする回数が増えます。その為、それぞれの階での動線に加え、階段との動線も家の中での動きやすさに関わってきます。間仕切壁や、ドアの少ない間取りは、各階と階段との位置関係がシンプルなので、移動によるストレスが生まれません。
また、細かく区切られた間取りの場合、収納を各居室に細々と作ることになり、床面積を無駄に使ってしまう恐れもあります。いつでも自然に片付く家にするためには、家族の動線と家族の持ち物の量にあった収納が必要です。家族が、家にいる時間の大半を過ごすリビングを、常にすっきりさせて、家族の持ち物が溢れないようにする収納は、家族の帰宅動線にあった位置にある、家族で使える大型の収納スペースです。
キッチンのパントリーもLDKを使いやすくします。客間を省いたシンプルな間取りの家では、リビングにお客様をお迎えすることが多いです。そのような際に、食糧費や食器、調理器具などをすべて収納できるパントリーがあれば、生活感が出ないキッチンが維持でき、リビングからの視線も気になりません。
キッチンの奥の引き戸を開けた時と閉めた時ではこんなに印象が変わります。

玄関の大型収納
玄関に大型収納には、靴以外に、ベビーカーやスポーツ用品、コートや帽子も収納できます。
収納は動線に合わせることともう一つ、収納するもののサイズに合わせることも大切です。このLDKにある壁面の収納は、家づくりプランの作成中に、具体的に収納するもののサイズと量を徹底的に調べ、奥行きと幅を決定し、作られた無駄のない収納です。
もう一つ考えたいことは、無駄に物を増やさないということです。本当に良質なものだけを選び、大切に使い続けるということが、生活の質を向上させます。使い勝手の良い収納を造るだけではなく、無駄な物をため込まないことも大切です。
実家から持ってきた上質な陶器などは、大事に使い続けたい物、2シーズン続けて着なかった衣類などは無駄な物というように、自分の価値観に合わせて、大切にしたい物と、無駄な物を分けてみると、収納スペースの造り方が見えてきます。「どこに・何を・どのくらい収納したいのか」がはっきりしてくると、無駄に床面積を使うことなく、優秀な収納スペースが作れます。
シンプルな暮らしを楽しむ
日当たりが良く、気持ち良い風が吹き抜けていく家は、「暮らしを楽しむための基本的な要素を備えた家」ではないでしょうか?そのような室内環境を、無駄なエネルギーを使わずに調えるということも、シンプルな暮らしの条件です。無駄なエネルギーを使わないということは、自然のエネルギーを活用するということでもあります。
パッシブデザインを採り入れ、太陽の光と自然の風を最大限利用し、住宅の暮らしやすさをより良くするのです。例えば、片流れ屋根や腰折れ屋根から生まれる勾配天井には、高い位置に窓が設けられます。高い位置に窓があると、通常の位置にある掃き出し窓や腰高窓との高低差ができ、風の通り道が広がり、換気の良い家になります。季節によって移りかわる太陽の高さを計算した深さを持つ軒があると、冬は暖かい陽射しを遮らず、夏は日射遮蔽ができます。陽射しを採り入れやすい間取りは、家の中を明るくします。
密集した住宅地では、日当たりを確保するために、吹き抜けを、居室を細かく区切らない為にスキップフロアを採り入れるケースが多くあります。このような間取りは家の中の空間が繋がるため、冷暖房の効率が落ちると言われます。
しかし、断熱性が高く、パッシブデザインを採り入れた家では、家の中の空間が繋がっている分、エアコンの涼しさや暖かさが、家中に広がります。その結果、消費エネルギーを節約できます。シンプルな家が、エネルギーを無駄にしない理由はそこにあります。
加えて、家の中の空間が繋がっているということは、家族の気配を常に感じられるということでもあります。シンプルな家は、家族の自然なコミュニケーションが生まれやすい、家族の愛情を育む家でもあります。
ホープスの狭小住宅への想い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。