土地が高額な東京では、狭小地にマイホームを建築するケースがほとんどです。10坪に満たない敷地に建てられる狭小住宅も少なくありません。都内に家を建てたいが、狭小地に建てたとしても、暮らしやすい家になるのだろうか?という不安な思いと、東京暮らしの魅力は捨てられないという想いの狭間で悩まれる方も多いのではないでしょうか?
通勤通学、買い物など、日常生活における様々な利便性、公立学校の選択肢の多さ、劇場や美術館などに手軽に行ける楽しさに加えて、それぞれの地域が持つ街の雰囲気の良さもあります。家族の家を建てるために東京を離れるのではなく、東京に住み、狭小住宅を暮らしやすい家にする可能性を考えてみませんか?
三階建ての家を快適にする
狭小地に家を建てる場合に感じる懸念の一つは、「十分な居住面積を確保できないのではないか?」ということです。家族構成にもよりますが、2階建てでは、ゆとりのある床面積を確保できない狭小地もあるからです。
このような場合、三階建て住宅にすることで、床面積を増やし、家族構成に合った居住面積を確保できます。ただし、狭小地に建築する三階建て住宅には、様々な問題があります。暮らしやすい家を実現するためには、それらの問題を解決しなくてはなりません。
日当たりと風通し
住宅が密集している地域に建つ三階建て住宅は、1階と2階部分の日当たりと風通しが十分に得られません。地域によっては、マンションやビルなど、背の高い建物が多い周辺環境であることも考えられます。隣家との関係上、南側に窓を設けられないというケースもあるでしょう。
家族の心と身体の健康を維持できる家にするためには、どのような環境下にあっても、陽射しの溢れる家、風が通りぬけていく家にしなくてはなりません。陽射しと風を採りこむ家にするための設計の手法として、吹き抜けやスキップフロアがあります。トップライトやハイサイドライトとの組み合わせで、陽射しを採り入れ、風の通り道を作ります。
拭き抜け
吹き抜けは、1階から3階までの空間を縦に繋げた空間です。日当たりと風通しを良くすることに加えて、狭小住宅に開放的な雰囲気を持たせる空間でもあります。吹き抜けによって3階の窓からの陽射しが階下の部屋に届き、日中は、照明をつけなくても日常的な作業ができる明るさが確保できます。
下の階からの風は、吹き抜けを通して、2階、3階の窓へと通り抜けていきます。空気には、低い場所から高い場所へと流れていく性質があるので、同じ高さに設けられた対面の窓よりも、効率よく空気が循環します。その結果、風通しが良くなり、排熱もしやすくなります。
スキップフロア
スキップフロアは、間仕切壁で空間を区切るのではなく、1階と2階、2階と3階の間に設けた階段で、緩く区切られた空間を作り出します。空間が縦にも横にもつながっているので、陽射しやが家の奥まで届き、低い位置にある窓から、高い位置にある窓に風が通っていくことに加えて、広々とした雰囲気が演出されます。
吹き抜けとスキップフロアの注意点
吹き抜けやスキップフロアを採用した場合、空間が広がる分、冷暖房の効率が低下します。特に、トップライトと組み合わせた場合、夏は非常に室温が上がります。冬は暖かい空気が上昇してしまうので、階下の部屋は室温が低くなってしまいます。そのような状況にならないようにするため、吹き抜けやスキップフロアのある家は、断熱性と気密性をより高めることが大切です。
周辺の環境による暮らし難さを克服する
隣家や道路との位置関係、周辺の地域的な状況などによっては、外部からの視線が気になる、騒々しく落ち着いた生活ができないなどの暮らし難さが問題になることもあります。
プライバシーを確保する
陽射しと風や景観の為に、窓は必要不可欠です。敷地が広く、隣家や道路が住宅に迫っている状況でない場合には、南側や、景観の良い方向に、大きな窓を設けられます。しかし、建物が密集する地域に建つ家は、隣家や道路との距離が近いので、どの方向にでも、大きな掃き出し窓を設けられるわけではありません。
日当たりと風通しを損なうことなく、プライバシーを守れる窓が必要です。隣家や道路からの視線が気にならない窓としては、トップライトやハイサイドライト、縦長のスリット窓があげられます。トップライトは、天井に設ける窓、ハイサイドライトは、頭より高い位置に設ける窓、縦長のスリット窓は、人が通れないほど狭い窓です。どの窓も、視線が室内に届くことはありません。隣家に対面している部屋の窓にはハイサイドライト、道路に面したリビングには複数のスリット窓、吹き抜けと組み合わせる場合にはトップライトやハイサイドライトというように、窓を設ける壁の方向にある隣家や、道路との位置関係に合わせて、最適な窓を選ぶことで、プライバシーを確保できます。
静かに暮らす
商業地域が近い、交通量の多い道路に面しているというような環境の地域では、騒音に悩まされることがあります。隣家の生活音や、ペットの吠える声が日常的に聞こえてくることもあるでしょう。間取りプランを作成する段階で、商業地域が近い、交通量の多い道路に面しているというような場合には、袖壁を設けるなど、住宅の設計デザインでの工夫が必要です。加えて騒音全般に関しては、防音遮音機能の高い窓を採用することも大切です。
3階建ての家を楽しむ
アウトドアリビングとして楽しみたい場合には、外部からの視線が気にならないバルコニーを設けるという方法があります。バルコニーの目隠しになるルーバーは、質感や色合いの良さで、外観デザインのアクセントにもなります。
敷地の形状によっては、中庭のある家にすることもできます。中庭があると、家中の窓から、庭の景観が楽しめます。中庭を全てウッドデッキにしておくと、動線も良くなり、ティータイムを楽しんだり、天体観測の場として活用したりできます。
愛車家にとって、ガレージハウスは憧れの家ではないでしょうか?雨風や紫外線で車が褪色することが防げ、常にガレージ内で愛車のお手入れができるからです。狭小住宅でガレージハウスはあり得ないだろうとお考えになるかもしれませんが、優れた設計手法があれば、実現します。
三階建て狭小住宅の基本は確実な耐震性能
家族の命と財産を守るためには、大地震が発生しても、安全が確保される住宅でなくてはなりません。三階建て狭小住宅のほとんどは、シンプルな箱形です。住宅の形状は、シンプルであればあるほど、耐震性が高く、凹凸が多いほど耐震性が低下します。
その為、住宅自体は、耐震性を脅かす形状ではありません。しかしながら、吹き抜けやスキップフロア、ガレージハウスは、住宅の内部に大きな空間が造られるため、耐震性を低下させてしまいます。その為、在来工法の木造住宅では、吹き抜けやスキップフロアを採り入れても、耐震性を確保するため、間取りが制限されてしまうことがあります。
ホープスでは、木造住宅で吹き抜けやスキップフロア、インナーガレージを間取りの制限なく採り入れられるよう、SE構法で狭小住宅を建築しています。SE構法は、構造計算を基に製材された特別な建材と金物を使って、強靭な枠組みを造ることで、木造住宅に大空間を持たせる構法であり、狭小住宅を暮らしやすい家にする設計の耐震性を支える優れた構法です。
ホープスの狭小住宅への想い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。