心地よいリビングのある住まいは、生活に潤いと安らぎをもたらしてくれます。家づくりの検討を進めていくにあたって、家族の要望に沿ったリビングを設計したいというのは誰もが願うことでしょうし、リビングでの居心地が、その家での住み心地を大きく左右する要素になってくるものと思われます。リビングは家族が憩う場として欠かせないものですし、物理的に敷地面積の狭い狭小住宅にあっても、できればおしゃれなリビングを設計して、家族の笑顔があふれる空間を作り出していきたいものですよね。

狭小住宅でのリビングをどう考える?

狭小住宅では敷地面積が狭く、一般的な敷地面積の広い住宅に比べても広いリビングを設計することは困難です。むしろ無理してリビングを広くしてしまうと、他の寝室や水回り、収納等のためのスペースが圧迫されて、それは家族の住み心地を害してしまう原因ともなります。

しかしながら「狭いからと言って住み心地が悪い」という訳では決してありません。狭小住宅ならではの様々な工夫を凝らすことで、家族が憩い、笑顔の絶えない安らぎのスペースを作り出すことは十分に可能です。

家族が多くの時間を共に過ごす空間だからこそ、こだわりをいっぱい詰め込んだ本当に居心地の良いリビングを造り、家族の絆をより深めることができるような家づくりをしていくことが大切です。

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間取りだけではなく、家具の配置や配色にも気を遣う

もともと物理的に狭い空間を広く見せて開放感を演出するためには、間取りを工夫するだけでは少し不十分です。家具やインテリアの配置、配色にも気を遣うことで、より広々とした印象を与えることが可能になります。

人の視覚を意識する

人の視線や視覚というのは不思議なもので、狭い空間であってもちょっとした工夫を施すことにより広く感じてしまったり、逆に本当は広い空間でも狭く感じてしまったりします。狭小住宅では、こうした人間の視覚を上手に使って、狭い空間を広めに見せるように心がけると良いでしょう。

具体的には、部屋の奥行き感を出すために、部屋の入り口側に大きめの家具を配置し、入口とは反対側の部分に小さめかつ背の低い家具を配置するという方法がおすすめです。

こうすることにより、遠近法の原理によって部屋自体に奥行きがあるように感じます。

また、「床や壁面が露出している面積を広く見せる」というのも有効な方法です。

この記事を読まれている方の中には、賃貸などでマンションやアパートを借りていて、退去の時に部屋の中の荷物や家具を全て出した際、「部屋がいつもより広く感じた」という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

これは、普段は家具や荷物で隠れている箇所が露出することにより、広く感じてしまうという事の典型例です。全く同じ間取りでも、家具や荷物の配置次第で、広さに関する印象は異なってくるのが不思議な点でもあり、面白い部分でもあります。

こうした観点から見ると、普段から整理整頓することは、ただ単に「部屋を綺麗に保つ」というだけではなく、「部屋を広く見せる」という効果に繋がっているのだと気づかされます。

インテリアの色使いでも広さの感じ方が違う

人の視覚を利用するということとも近い考えですが、実はインテリアの色の選び方や配色などでも、部屋の広さの感じ方は異なってきます

一般的に青系の色は後退色、赤系の色は膨張色などと言われています、人それぞれ好みがあるのはもちろんですが、単に自分の好みだけでインテリアの配色を決めてしまうのは少しもったいないかもしれません。

狭小住宅に住もうとするのであれば、「それぞれの色がどのような役割を果たしているのか」ということについては最低限理解しておいて損はありません。色使いは配色の工夫によって、本来は狭い空間をより広く見せることもできるのです。

狭めのリビングを広く見せる際におすすめなのは、「明るめの色を使うこと」です。これだけで、少し暗めの色を使った場合と比べても広さの感じ方が異なります。

更に、後退色と膨張色をうまく使うということもおススメします。

具体的には、入口から見て遠くにある窓のカーテンや周辺の家具に青系の後退色を取り入れると、膨張色を使った場合と比べても部屋が広く見える効果があります。

このように、家具やインテリアの配色を意識して、広く開放感のある空間を演出することは可能なのです。

家具をたくさん置き過ぎない


家づくりの楽しみは家具選びの楽しみでもあります。大好きなメーカーやこだわりの素材を使ったインテリアを一から作り上げていく工程は非常に面白く、ワクワクするものですよね。是非、自分自身のこだわりを目いっぱいインテリアに表現してください。

しかしながら、あれやこれやと詰め込み過ぎるのも問題です。敷地面積の広い家だと、ある程度たくさんの家具を購入して自由に配置するということも可能かと思われますが、狭小住宅では必ずしもそうはいきません。

狭小住宅のインテリアを考える上で大切なことは、こだわりを全て詰め込むということではなく、「いかにシンプルに、限られた空間の中にこだわりを表現するのか」ということです。このことを決して忘れないようにしましょう。

具体的には、狭小住宅の建築を機に、不要なものは思い切って処分してしまいましょう。様々な工夫によって開放感のあるリビングや間取りを作り出すことができるとは言え、狭小住宅では敷地面積が絶対的に狭いという事実を忘れてはいけません。

「断捨離」という言葉をご存知でしょうか?

日々自分の中に入ってくる余分なものを「断ち」、日常にあふれる不要なものを「捨て」、不要なものにあふれる生活から「離れる」という、もともとはヨガから生まれた考えです。

狭小住宅を建築されようとする方は、是非こうした考えを頭の片隅に置き、なるべくシンプルな住まい方ができるように心がけてみてください。

こうすることによって、日々の生活においても空間を広く、効率的に使うアイデアを生み出すことが可能になると言えます。

工夫を凝らした狭小住宅の実例

狭小住宅のリビングを考える上で、ベースとなる考え方をご紹介しました。

ここからは、HOPEsが実際に施工した住宅のリビングの実例をご紹介したいと思います。

様々な工夫によって空間を広く見せるだけではなく、住む人のライフスタイルやこだわりを詰め込んだ理想的なリビングを実現することができています。

明るい色使いで空間を広く見せる

床材や家具類には暗めの色を使っていますが、カーテンや壁などは明るい色を採用しています。

このようにすると、空間を広く見せることができるのと同時に、開放感のあるリビングルームを作り出すことができます。

床面を多く見せることで空間に広がりを持たせる

床面を多く見せることによって、画像のように奥行きのある雰囲気のリビングになります。

コツとしては、椅子やダイニングテーブルなどの家具に、足が細めの物を選択すること。こうすると、見える床面の範囲がより多くなり、空間に広がりが出ます。

狭小住宅においては、狭めの空間を広く見せて開放感を持たせるためのテクニックの一つとして、是非参考にしましょう。

吹き抜けは開放感をもたらしてくれる

吹き抜けを採用することによって、視線を横だけでなく上下に向かわせることができるため、開放感のある空間が作りやすいです。

特に狭小住宅の場合は、横に広がりのあるリビングを造ることは困難ですので、このように吹き抜けを設けることによって、開放的な空間を造ることができます。

 

 

 

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狭小住宅のリビングにかけるHOPEsのこだわりとは?

「家づくりを楽しみ、家を通して幸せになる」がコンセプトのHOPEsでは、家族の絆をより深めて頂くための狭小住宅の作り方のノウハウを持っており、一生涯大切な家族と共に快適に住むことができる家づくりのお手伝いをさせて頂いております。

特にリビングについては狭小住宅だけではなく一般的な住宅においても、家族が同じ場所に集い、語らうための大切な場所です。例え狭小住宅であっても、この空間をより開放感のある、快適なものにするための工夫は惜しまないようにしましょう。

HOPEsのサイトでは、当社が手がけた多数の狭小住宅の建築実例をご紹介しております。それぞれが施主様の思いのこもった大切な家です。一棟一棟、限られたスペースを有効活用して施主様の思いに応えてきた結果が詰まっております。

家づくりをご検討の方は、是非覗いてみてくださいね。きっと良いヒントが見つかるかと思います。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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