注文住宅には、全体的な標準仕様というものはありません。それぞれの工務店によって、標準としている基準が異なるからです。住宅設備機器のグレードを、住宅設備機器のメーカーが、標準としているタイプを標準にしている工務店もあれば、ハイグレードなタイプを、標準にしている工務店もあります。複層ガラスを標準にしているケースもあれば、樹脂サッシ+トリプルガラスを標準にしているケースもあります。
耐震性能の等級が、建築基準法に定められている等級1を標準にしている場合もあれば、災害拠点となる消防署や病院と同じ等級3を、標準にしている場合もあります。その為、オプションをつけずに、希望する性能が、ほとんど揃っている工務店もあれば、希望に合わせると、オプション料金が、どんどん嵩んでいく工務店もあります。
良い設備は、暮らしやすい家、高い性能は、安全な家、室内環境の調った家を作りますが、その一方、建築費が嵩むことに繋がる場合もあります。標準仕様に含まれていない項目が多いと、オプション料金が嵩むからです。使い勝手や性能は、大切なことですが、限りなく予算がオーバーしていく恐れがあります。まず初めに、施工を依頼する工務店の標準仕様を確認した上で、オプションを選ぶことが大切です。
注文住宅でつけたいオプション・無駄になることが多いオプション
住宅設備機器は、グレードを上げると、様々な機能が追加されます。キッチンであれば、食洗器、ハンズフリー水栓、昇降ラックなどがあげられます。どれも、使いこなせば、便利なオプションですが、必要を感じない人にとっては、無駄なオプションです。
キッチンに関しては、体感してみることが大切です。注文住宅では、住宅設備機器のメーカーも自由に選べます。実際に住宅設備機器のメーカーのショールームを見て回ると、使いたいオプションと、無駄になりそうなオプションの違いが感じ取れます。
キッチンは、メーカー製のシステムキッチンだけではなく、注文住宅ならではの良さを生かした、造作キッチンという選択肢もあります。
浴室であれば、冷えない床、ミストシャワー、テレビやオーディオなどがあげられます。冷えない床や浴室暖房は、無駄になることはなく、冬の入浴を快適にします。一方、ミストシャワーやテレビは、入浴の仕方によっては、無駄になりやすいオプションです。烏の行水タイプなので、つけたけれど使ったことがない、テレビをつけたが、そんなにゆっくり入浴する時間はなかった、というような人には不要でしょう。
反対に、入浴には時間をかけ、寛いだ気分を楽しむというようなタイプの人には、音楽が流れる浴室は魅力的かもしれません。浴室の場合、ショールームに行くと、夢が拡がって、あれもこれもつけたくなるものです。しかし、イメージに惑わされず、実際の暮らしの中での入浴に、本当に必要なオプションかどうか、見極める必要があります。
防犯面から考えると、スマートキーは役立つオプションです。ゴミ出しや、回覧板を持っていく時などは、鍵をかけ忘れる人が多くいます。しかし、空き巣の最も多い侵入手口は、無施錠の玄関ドアや窓からの侵入です。スマートキーがあれば、かけ忘れを防げることに加えて、帰宅時も自動的に施錠されます。また、鍵を子供に持たせたら失くしてしまった、というようなことが起こった時、スマートキーなら鍵全体を交換する必要がありません。登録情報を更新すれば、そのまま使えます。
オプションで、使い勝手が変わるものの一つに、収納スペースが上げられます。床下収納や小屋裏収納を作ったが、使いにくいので使っていないというケースもあれば、収納スペースを少なくしたために、室内が片付かないというケースもあります。
収納スペースは、家族の動線を考慮した位置に設置する、収納する物に合わせたサイズするという2つのポイントを押さえないと、使い勝手が悪い収納になってしまいます。しまいたい時に、しまいたい物が丁度収まるサイズの収納スペースが、しまいやすい場所にあれば、室内は常にすっきり片付きます。
狭小住宅の問題点を解決するオプション
高性能な断熱窓
狭小住宅は、限られた敷地内に建てる住宅です。床面積を確保する為に、多くの場合、3階建てにします。その結果、日当たりと風通しが悪くなるので、吹き抜けやスキップフロアを取り入れた間取りにします。
ところが、日当たり、風通しを良くし、開放的な空間を作る吹き抜けやスキップフロアは、狭小住宅の暮らしにくさを解決する一方、新たな問題を生み出します。空間が広がる為、冷暖房の効率が落ち、室内の温度が管理しにくくなってしまうのです。
夏は日差しが強く入り過ぎて、冷房をつけているのに、涼しくならない、冬は、窓から冷気が侵入してきて、コールドドラフトという現象を引き起こし、足元を冷やすというような、室内環境になってしまうのです。暖かい空気は上に、冷たい空気は下に移動する為、吹き抜けのある家は、より冷暖房の効率が落ちてしまいます。
もう一つの問題点は、隣家や道路との距離が近い為、隣家からの生活音、周辺の商業施設や道路からの騒音に煩わされることがあります。反対に、自分の家で発生する生活音が、周囲に響いているのではないかと気になることもあります。室内に出入りする音のほとんどは、空気を伝わってくる音です。そしてその音は、窓を閉めていたとしても、ガラスやサッシの隙間から窓から入ってきます。
この2つの問題点を解決してくれるのが、高性能な窓です。窓の位置や、開閉方法によって、日当たりや風通しは確保できます。ところが、一般的な複層ガラスでは、十分な断熱と遮音・防音ができません。
室内に侵入する夏の暑さのうち、70パーセント以上が窓からの流入する太陽の熱です。逃げていく暖房の熱のうち、50パーセント以上が、窓から出ていきます。室内に侵入してくる音の90パーセント以上が窓からを通して、入ってくる音です。断熱性の高いガラスやサッシを使う、防音・遮音をしたい場合は、二重窓にするなどのオプションで、ガラスやサッシから侵入する熱と冷気、騒音を防ぎ、室内の暖かい熱を逃がさない室内環境が調います。
天窓用ブラインド
天窓は、狭小住宅に明るさと、開放感を取り入れる働きをする一方、日差しの強さで、エアコンをつけても、室内が涼しくならないという悩みも作り出します。そこで、遮熱効果のあるガラスに加えて、ブラインドを設置すると、天窓を快適に使えるようになります。
眩しさがなくなり、冷房の効率が良くなります。開閉できるタイプの天窓の場合、天窓の内側サッシに、取り付けるタイプのブラインドがおすすめです。エアコンをつけるほどではない季節には、天窓は開けたまま、ブラインドの角度を調節すると、風は採り入れつつ、光の量を調節できます。
脱衣所のランドリースペースと浴室乾燥
3階建ての住宅で、1階に洗濯機がある場合、3階のベランダまで洗濯物を運ぶのは、大変です。毎日のことなので、子育て中や、共働きの主婦にとっては、重労働になってしまいます。そこで、脱衣所内に洗濯物を干せるスペースと、タオルやパジャマ、下着をしまえる収納スペースを作っておくと、洗濯に関わる家事負担が少なくなります。共働きの人にとっては、朝は晴れていたのに、帰宅したら雨で洗濯物がびしょびしょになっていたというようなことも防げます。
面積的に、脱衣所内に洗濯物を干すスペースが作れない場合には、浴室暖房乾燥機が便利です。季節によっては、強力換気だけでも乾きます。
地下室
狭小住宅は、床面積の確保の為に、階数を増やします。その一つの方法が地下室です。書斎や、オーディオルーム、半地下にすれば、寝室としても使えます。長時間楽器の練習をする家族がいる場合には、音が外部に漏れにくいので、音楽室にするのも有効な使い方です。ただし、地下室は、湿気がこもりやすいので、除湿機器を設置する必要があります。
狭小住宅では、吹き抜けやスキップフロアによる断熱性の低下、天窓による夏の暑さと眩しさなどを解決する為のオプションが、暮らしやすさに影響します。暮らしやすい環境を調えるオプションを選んで、快適な暮らしをお楽しみください。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。