年代別に考える暮らしやすい夫婦の家
夫婦での暮らしと一口に言っても、ご夫婦の年代や暮らし方によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。
これから子育てを計画している夫婦、子供は作らない夫婦、責任のある仕事を夫婦ともにバリバリこなしている夫婦、家での生活を楽しみたい夫婦、引退後の夫婦など、夫婦の形は様々です。
夫婦で暮らす家の間取りを考える時、大切なことは、自分たちの暮らし方にあった間取りにするということです。今現在の暮らし方と、将来の暮らし方を合わせて考えて、暮らしやすい間取りプランを作らなくてはなりません。
子供を見据えた夫婦の家
今は2人だけの暮らしでも、子育てを予定している場合、予定している子供の数も、間取りプランに取り入れましょう。子供が生まれると、その成長に従って、家族の暮らしは変化し続けます。子供の年齢に応じて、暮らしやすい家にしていける柔軟な間取りが必応です。
海外では、赤ちゃんのうちから個室に寝かせる国もありますが、日本では、川の字になって寝る家族が多くいます。例えば、就学までは、夫婦の寝室と子供部屋に間仕切りを作らず、家族全員が寝る部屋と子供を遊ばせる部屋にしておくというアイデイアがあります。このような間取りにしておくと、リビングが子供のおもちゃで散らかりません。突然の来客があっても、いつもきれいなリビングが維持できます。
子供が成長したら、夫婦の寝室と子供部屋に、部屋を分けます。夫婦の寝室と子供部屋の間に、どちらの部屋からも出入りできるウォークスルークローゼットを作っても便利です。子供が2人生まれ、それぞれの部屋を望む年頃になったら、子供部屋をさらに分けます。同性であれば、部屋の中央に作った2段ベッドで、緩い区切りにすることもできます。
子供の成長に合わせて、間取りを変えていくことを想定した間取りプランを作っておけば、大掛かりな工事をせずに、間取りを変えていくことができます。加えて、注文住宅では、造り付け家具も作ってもらえるので、子供の数に合わせて、使いやすい子供部屋が作れます。
やがて子供たちが独立して行けば、また夫婦の暮らしに戻ります。その際には、子供部屋を書斎にする、客用寝室にするなど、子供部屋を活用できるようにしておくことも大切です。
ふたりだけで暮らす夫婦の家
二人とも、仕事が忙しく、食事はほとんど外食、家にいる時間は寝る時だけという暮らし方をしているご夫婦の中には、家でゆったり過ごす時間を大切にしている人も多いのではないでしょうか?凝った料理を作ったり、趣味を楽しんだりして休みの日を楽しむご夫婦も多いことでしょう。
二人だけで暮らす夫婦の家は、子供がいない分、家の間取りに、余裕があるので、書斎や夫婦別寝室、インナーガレージなど、間取りに多彩な選択肢があります。
書斎と夫婦別寝室
書斎や趣味の部屋など、1人だけの空間は、どんなに仲の良い夫婦であっても必要です。一般的には、夫婦は一つの寝室という間取りがほとんどです。その為、夫婦別寝室と聞くと、仲が悪い夫婦を連想する人も少なくないでしょう。しかし、同時に、夫婦が寝室を共用している人の多くは、別寝室にしたいと思っているという現実もあります。
2人とも忙しく働いている場合には、生活の時間帯のずれが、その理由になることがあります。片方がまだ眠っているうちに、片方は起床して、出かける準備を始めることもあれば、片方は、すでに就寝しているのに、片方は遅く帰宅するということもあります。このずれによって、日常的に睡眠が遮られてしまえば、寝直したとしても、睡眠の質が低下してしまいます。
同じ時間帯に睡眠をとれる生活であれば、相手のいびきや歯ぎしりが気になって眠れないこともあります。また、夏の間の、エアコンの設定温度も、男性と女性では適温が違います。男性は、筋肉が多いので、暑がりの人が多く、女性はぜい肉が多いので、冷えやすい人が多いからです。男性の適温に合わせると、女性には寒く感じられ、女性の適温に合わせると、男性には暑く感じられます。
睡眠の質を上げる以外に、自分一人で過ごす時間が作れることも、夫婦別寝室の良さです。夫婦別寝室にすれば、それぞれの寝室が、それぞれの書斎としても役割も果たせるからです。趣味に没頭したり、読書をしたり、自分だけの時間を楽しめます。簡単な洗面台を寝室内に作れば、朝のメイクもゆっくりとできます。
インナーガレージ
狭小敷地では、庭に駐車スペースが取れないケースがほとんどです。しかし、2人とも、忙しく働いている夫婦であれば、それぞれの車を所有しているかもしれません。都内は、月極めの駐車場の料金が高額です。2台分の料金を月々支払うと、大変な支出になってしまいます。しかし、夫婦だけの暮らしであれば、3階建てにすれば、インナーガレージを作っても、余裕のある間取りの家が作れます。
子供のいない生活は、ライフスタイルの変化に合わせて、間取りを変更する必要が、ほとんどありません。現在の生活がしやすいことはもちろんですが、引退後の生活や、バリアフリーなどを想定した間取りプランを作れます。
引退後の夫婦の家
子どもたちが独立し、自分たち夫婦も現役を退くご夫婦にとって、家族で住んでいた家は広すぎて、暮らしにくい家になってしまうことがあります。そんな時、終の棲家として、2人だけの家を建てようとするご夫婦もあるでしょう。
長い階段を避けてスキップフロアにするという選択肢
70代、80代になった時のことを考え、1階から2階までの階段は、避けたいと思われる場合には、スキップフロアの家という選択肢があります。階段は、途中に長い踊り場があると、安全性が高まります。ただ、狭小住宅の場合、途中に長い踊り場のある階段を作ると、居住面積が狭まってしまいます。床面積や家の形状によっては、不可能な場合もあります。
スキップフロアは、1階と2階の間に、中2階を作るという間取りの方法です。この方法を取れば、家の中に、長い階段がなくなります。家の中で、事故の多い場所は、浴室と階段です。特に、踊り場のない階段、狭い踊り場の階段は、危険です。踊り場のない階段は、転倒すると、下まで転げ落ちてしまうリスクがあり、狭い踊り場の階段は、踏み外すリスクがあるからです。スキップフロアは、ちょうど踊り場の高さに、次の階があるので、階段の上り下りが楽になり、安全性も高まります。
また、スキップフロアには、狭小住宅の問題点である日当たりと風通しの悪さ、狭さが生み出す圧迫感を、解決する役にも立ちます。スキップフロアにすると、間仕切壁がなくなるので、日差しが部屋の奥まで届き、風が通りぬけます。また、横に空間が広がるので、視覚的に、開放感が作り出されます。
さらに、家の中の空間が繋がるので、効率よく家中を冷暖房できます。高齢になると、家の中の温度差が、健康に悪影響を与えやすくなります。しかし、家の中に、温度差がなくなるので、夏も冬も快適な生活が送れます。加えて、スキップフロアは、階段下を収納スペースとして活用できます。床面積を圧迫せずに、十分な収納力を確保できます。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。