誰にとっても、家は安心できるくつろぎの場所であり、家族が寄り添う場所でもあります。仕事や学校で大変なことがあっても、帰宅すればホッと一息つけます。反対に、片付けにくい部屋、冬寒く夏暑い家、家事負担が大きく、家族の動線がぶつかり合いストレスが溜まる間取りでは、十分な休息が取れないでしょう。
家族にとって安らぎの場所となる新しく建てる家が、より居心地の良い家になる為のポイントを考えてみましょう。そもそも暮らしやすい家、理想の家とはどんな家でしょうか?
- 室内環境が調っている…夏涼しく、冬暖かい
- 地震や台風、火事に襲われても安全である…耐震性、耐火性が高い
- 家族のライフスタイルに調和している…暮らしやすい間取り
- 家族のライフスタイルの変化に対応できる…可変性のある間取り
- 外観、内装ともにデザイン性が優れている…視覚的な満足感が得られる
- 住宅の質と価格のバランスが見合っている
理想の家を実現する為には、このような要素を満たす必要があります。それぞれの項目について確認していきましょう。
狭小住宅の室内環境を調える工夫
夏は涼しく梅雨時にはじめじめしない、冬は暖かく乾燥しすぎない部屋は過ごしやすい部屋です。朝になれば朝陽が差し込み、日中は日当たりが良く、窓を開ければ、気持ち良い風が吹き抜ける家、冷暖房の効率がよく、暖房をしている部屋と暖房していない浴室や玄関との温度差、暖房をつけている時間帯と暖房をつけていない時間帯の温度差が少ない家は、暮らしやすい環境の家です。
日本は四季にある国です。冬になれば寒くなり、梅雨には湿度が高まり、夏には暑い日が続きます。そのような季節の変化を和らげ、暮らしやすい室内の温度と湿度を維持する為には、断熱性能の高さが求められます。
ところが、狭小住宅では断熱性の高さを維持する為には、通常の住宅よりもより高い性能がなくてはなりません。なぜなら、狭小な敷地に、家族構成や家族のライフスタイルに見合った居住空間を備えた家を建てなくてはならないからです。住居の床を横に広げることはできないので、居住空間を確保する為に、縦に伸びた家を作るのです。
周辺を家屋やビルに囲まれているうえに、細長い狭小住宅で、理想的な室内環境をつくるためには、日当たりと風通しを良くする方法を考えなくてはなりません。その方法として、吹き抜けや大開口が取り入れられます。
しかし、吹き抜けや大開口には、デメリットがあるのです。日当たりと風通しは良くするものの、家の中の空間を繋げてしまうので、冷暖房の効率が落ちてしまうという問題です。冬は暖房をつけているのに暖まらない、夏は大開口から侵入する太陽の直射熱で冷房が効かないといった室内環境になってしまう恐れがあります。そのような室内環境にしない為に、高い断熱性を持つ住居にすることが求められます。
また、狭小住宅では家の中だけではなく、周辺との関わり合いも暮らしやすさに大きな影響を与えます。具体的には生活音と視線の問題です。隣家の生活音や道路からの騒音が気になる、自宅の子供の泣き声が心配になる、窓を開けたくても隣家や道路からの視線が気になり開けられないなど、周辺の住宅や道路との位置関係によって、様々な問題が起こります。このような問題を回避するためには、間取りだけではなく、窓の位置と大きさが非常に大切です。周辺の住宅や道路との位置関係に配慮した窓を設置しなくてはなりません。
トップライトは陽当りを確保する為に非常に有効な窓ですが、同時にプライバシーの確保ができる窓でもあります。その他に、ハイサイドライトや縦長の細い窓がプライバシー確保に役立ちます。
そして、言うまでもないことですが、縦に長い空間を持つ狭小住宅の確実な安全のために、高い耐震性を備えていることが、最も重要な要素です。
狭小住宅の狭さと圧迫感を克服する工夫
キッチンとダイニング、リビングを繋げる間取りが主流ですが、この間取りは狭小住宅にもうってつけの組み合わせです。狭小住宅では、間仕切壁を減らし、一つの空間をいくつかの目的を持った部屋として使うことが、狭さと圧迫感を抑えることに繋がるからです。どうしても間仕切りをつけたい場所には、稼働できる間仕切りにする、透過性のある間仕切りにするなどの方法もあります。
このような間取りにした場合、家族の動線にあった収納スペースを作らないと、リビングは散らかってしまいます。リビングは家族団欒の場でもあり、子供たちが長時間過ごす場所でもあり、お客様を迎える場所でもあります。もし、適切な位置に使いやすい収納スペースがなければ、帰宅した家族の上着やバック、子供たちのおもちゃや勉強道具であっという間にリビングは雑然としてしまいます。それを避ける為には使い勝手の良い収納スペースが必要です。
狭小住宅では収納場所をたくさん作ると居住面積が圧迫されてしまいます。だからと言って、デッドスペースだけを収納にすれば、収納スペースのサイズや位置がライフスタイルに合わず、使い勝手の悪い収納になってしまう恐れがあります。そうなれば、せっかく作っても使われない収納になり、部屋も片付きません。大切なことは、収納する物の大きさにあったサイズ、家族の生活動線にあう位置の収納スペースです。出し入れしやすい収納スペースがあれば、リビングはいつもすっきり片付きます。
また、キッチンや洗面所、階段などでは、壁面を利用する収納が床面積を圧迫せずに設置できます。照明などと組み合わせて、見せる収納スペースにすると、インテリアの雰囲気作りにも役立ちます。デッドスペースは細かい物や掃除道具の収納スペースにし、玄関やリビング、又は玄関とリビングの間に大型のクローゼットを設置する、壁面も利用するなど、間取りとデッドスペースに合わせた収納計画が、狭さの克服に役立ちます。
さらに、スキップフロアを取り入れて段差による区切りを作る、吹き抜けやスケルトン階段を取り入れるなどの方法も、開放的な空間作りと狭さ対策に効果的です。面積的に子供部屋は作れないというような場合には、スキップフロアを利用して、リビング内に子供の勉強コーナーを作る、ロフトを利用して子供の就寝コーナーを作るなどの工夫ができます。
狭小敷地の建築費を抑える工夫
耐震性と断熱性の高さを確保する為には、グレードの高い建材と、確実な建築工法が必要です。さらに、狭小住宅では道路との関係上、資材の搬入や仮置きに余分な費用がかかることもあります。その結果、通常の住宅より建築費が高くなってしまいます。狭小住宅では住宅の質と価格のバランスが見合っていることを目指すと、条件的に高額になりやすい為、建築費を抑える工夫がされています。
具体的には、できる限りシンプルな外観にするということです。郊外の住宅街で見かける2階と1階の大きさが違う家、4面に傾斜がある屋根の家より、総2階建ての家、1面の片流れ屋根、又は2面の三角屋根がのっている家の方が、建築費は抑えられます。さらに、シンプルな外観は、機能的なデザイン性を高めるということにも一役買っています。
家の内部を考えると、間仕切壁を減らすことが建築費を抑えることに繋がります。部屋を細かく区切ると、間仕切壁と建具の数が増えてしまい、建築費は嵩んでします。間仕切壁を減らすことは、狭い空間を開放的な空間にするということにも役立っています。また、将来的に、ライフスタイルの変化に応じて間取りを変える際には、細かく区切られている間取りの家より、リフォーム費用を抑えられるというメリットもあります。間取りを変えやすいということは、長期間住まえる家の条件として大切な項目の一つです。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。