≪完全分離2世帯住宅の施工例≫

 

日本では、昭和の終わりごろから核家族化が進みましたが、現在ではさらに単独世帯や夫婦世帯が増えています。そのような社会の中で、見直されているのが二世帯同居という家族の在り方です。
夫婦が共働きで子育てが大変な時期には、同居する両親が子育てを手伝う、両親が健康に不安を感じる年齢になったころには、夫婦やその子供が両親を支えるというように、二世帯が互いに助け合って暮らすことができるからです。
「そうは言っても、狭い敷地に二世帯がストレスなく暮らせる家が建てられるだろうか?それならば土地を売ってそれぞれの世帯がマンションに分かれて住む方が良いかもしれない…。」
同居したいと考えていても、狭小敷地という制限があると、二世帯同居のストレスが増大するのではないかという心配もあります。その心配を解消するカギは、家族構成による二世帯住宅の形態と間取りの違いにあります。
一口に二世帯住宅と言っても、親夫婦と娘夫婦というケースと親夫婦と息子夫婦では条件が異なります。娘夫婦や息子夫婦の子供の数、親夫婦が両親ともに健在であるのか、片親になってしまっているのかによっても、暮らし向きは変わってきます。
狭小住宅でストレスなく二世帯が暮らせる二世帯住宅の形態と間取りについて考えてみましょう。

二世帯住宅でトラブルやストレスのもとになりやすいこと

数日間のことであれば、ストレスも感じず、トラブルにならないようなことであっても、一緒に暮らすということは、長い年月を毎日一緒に過ごすということです。例えばご主人の実家に遊びに行った時に違和感があったとしても、数日のことなので我慢できますが、それがほぼ一生続くと考えると、ストレスになってしまうこともあります。
具体的にはどのようなことがトラブルやストレスのもとになるのでしょうか?

生活の時間帯が違う

親世帯と子世帯では生活の時間帯がずれている為に発生するトラブルがあります。食事時間の調整が難しい、子供世帯の帰宅が遅く、浴室やトイレの音などが親世帯の睡眠妨害になる、親世帯の起床時間が早く息子夫婦と同居の場合には、嫁の立場としては気兼ねしてしまうというような問題は、たいしたことがないように感じても、暮らし始めてみるとストレスになる恐れがあります。

キッチンの使い方が違う

 

 

 

≪狭小2世帯住宅≫
キッチン

キッチンは共有で食事は別という場合でも、2人の主婦が一つのキッチンを共有するというのは、なかなか難しいものです。お互いに自分のやり方があるからです。さらに完全同居型で食事も一緒にとなると、食事のメニューや食費に対する考え方の違いがストレスのもとになることもあります。

玄関の使い方が気になる

 

 

 

 

 

 

 

≪完全分離型2世帯≫
玄関

 

玄関を二世帯が共有すると、親世帯にとっては子世帯の子供の靴が散乱している、子供のドアの開け閉めの音がうるさい、親世帯の来客が多く落ち着かない、玄関が共有なので友人を招きにくいなど、どちらの世帯にもストレスが発生しやすい場所になってしまいます。

Works(株)ホープスの建築実例

二世帯住宅のタイプ

 

 

 

 

≪完全分離型2世帯≫
子世帯のリビング

 

二世帯住宅には同居の方法によるタイプの違いがあります。実際に暮らし始めた時の細々としたことを考えて、ストレスのない同居の方法、自分たちの家族にとって最も適しているタイプを選ぶことが大切です。

完全分離型二世帯住宅

玄関、水回りもすべて分離させた間取りの二世帯住宅です。住居の1階部分と2階部分に分けることも、左右に分けることもでき、二世帯がお互いに最も気兼ねなく暮らせるタイプです。世帯と娘夫婦の場合には起こりにくいトラブルでも、息子夫婦との場合には、大きなストレスになってしまうこともあります。しかしこのタイプは、音の問題、キッチンや玄関の使い方などの対するトラブルやストレスを回避できます。
階段や玄関、水回りにスペースを取られるので、狭小敷地には建てる場合、すべての居室を広々というわけにはいきませんが、完全にプライバシーを守りたい場合には、このタイプがむいています。

玄関を共有する二世帯住宅

居室と水回りは分離し、玄関だけを共有するタイプです。このタイプの場合、トラブルがおこらないような間取りの工夫が必要です。

音の問題

子世帯の帰宅が遅く、浴室やトイレの音が親世帯の睡眠を妨害する、親世帯の夜中のトイレが子世帯の睡眠を妨害するなど、トイレや浴室の音がお互いの世帯を煩わせないよう、上の階のトイレや浴室が下の階の寝室の真上にならないよう間取りに配慮が必要です。

玄関

玄関への来客が多い家族がいる場合には、玄関からリビングや居室が丸見えにならないようにする、家族がトイレに行きにくくなるのでトイレは玄関から遠ざける、二世帯それぞれの玄関の収納スペースを設けるなどの工夫で、玄関のトラブルは避けられます。また、子世帯に帰宅の遅い家族がいる場合には、玄関のある階を子世帯に割り当てる、又は2階に子世帯を割り当てた場合には玄関から2階に上がれるようすると、帰宅によって親世帯の睡眠を妨害せずに済みます。

全てを共有する二世帯住宅

サザエさんやちびまる子ちゃんの同居と同じタイプの二世帯住宅です。大人数で暮らすので楽しいことも多い反面、トラブルも起こりやすい二世帯同居です。

玄関

二世帯それぞれに充分な収納スペースを設ける、リビングやトイレが丸見えにならないような間取りにするなどの工夫が必要です。
トイレ 朝の混雑を避ける為にも、親世帯が夜中トイレに行きやすいようにする為にも、トイレだけは2つ必要です。

浴室

洗面スペースと、脱衣所、浴室を独立させることで、家族が入浴中に洗面スペースを使えない、反対に年頃になった娘が長時間洗面スペースを使っていて、親世帯が入浴できないというようなトラブルが避けられます。また、脱衣所に洗濯機を設置する場合には、二世帯それぞれの洗濯物を収納できるスペースも必要です。

ミニキッチン

子世帯が中心にキッチンを使う場合、親世帯用の小さなキッチンを設置すると、親世帯が手軽のお茶を入れられます。子世帯側から考えると、親世帯の友人が訪れている時に、お茶出しなどの気遣いをしないですみます。

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狭小住宅での二世帯同居の為に3階建て二世帯住宅を建てるメリット

3階建ての二世帯住宅は、二世帯住宅で起こりがちなトラブルを避けやすい住宅です。

敷地の狭さをカバーできる

3階建てにすると、単純に延べ床面積が増えます。その分居室や収納スペースを増やせます。
3階建てにした場合、狭小住宅用エレベーターを設置すると、親世帯に3階を割り当てることもでき、主婦の洗濯物にかかる家事労働の負担軽減もできます。

音の問題

3階建てで完全分離型タイプや玄関だけ共有タイプの場合、それぞれの世帯の寝室を1階と3階に割り当て、3階に親世帯、2階に子世帯のリビングとキッチン、1階に子世帯の寝室とトイレ、浴室という間取りにすると、お互いの世帯が睡眠妨害になる音の問題を避けられます。

二世帯同居を楽しい暮らしにする為の二世帯住宅

親と子だけではなく、祖父母と親と子供が一緒に住むという暮らしは、子育ての大変さや、定年退職後の寂しさをなくし、楽しい毎日を送れる暮らしです。
そして、それと同時にトラブルやストレスが生まれやすい暮らしでもあります。
しかし、どのようなトラブルも、暮らし方の工夫で回避し、いつでも居心地の良い我が家にすることはできます。その暮らし方の工夫の基本は、家です。

二世帯同居の方法と、トラブルを避けられる間取りが、快適で楽しい暮らしに繋がります。

HOPEsの建てる二世帯が楽しく暮らせる家

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしをお手伝いしたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。

狭小敷地に二世帯で暮らせる家を建てたいというご希望があれば、有効活用できる方法をご提案します。

悪条件が多かったとしても、敷地の形状や面積に合わせて、利便性が高く、居心地の良い空間を作り出します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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