狭小住宅であるがゆえに、おしゃれなインテリアを諦めていたりしませんか?確かに狭小住宅では敷地面積が狭く、居住するスペースも一般的な広さの住宅に比べてもあまり広大にとるわけにもいきません。しかし、だからと言っておしゃれな内装を捨ててしまうのは時期尚早です。むしろ狭小住宅だからこそ、自分なりの工夫を随所に施すことで、空間を広く見せることができたり、コンパクトでシンプルな暮らし方をすることも可能です。そこで今回の記事では、狭小住宅のインテリアをどのように工夫していけば良いのか、という問題について考えてみましょう。

狭小住宅における理想的なインテリアについて


狭小住宅にこれから長い期間住み続けるにあたって、インテリアはどのような点に気を付ければいいのでしょうか?ここでは、その心構えについて考えてみましょう。ただし、あまりに色んな事に気が回ってしまうあまり、自分らしさが失われていくのも問題です。限られたスペースの中に、自分が表現したい趣味趣向やこだわりの部分をいかに盛り込むか、という点が重要になってきます。

暮らし方はシンプルに。無駄なものは持ち込まない


狭小住宅の場合、収納スペースや家族が生活するための居住スペースに割ける面積が絶対的に少ないという面があります。収納やスペースを有効活用する工夫により、いくらかは余裕のあるスペースを確保することができるかもしれませんが、それは無限の収納スペースを手に入れるということを意味しません。やはりある程度のところで、身の回りの物をシンプルにする工夫が必要となります。

身の回りの物をシンプルにしていくための方法としては「断捨離」をお勧めします。断捨離とは単純に言うと自分にとって本当に必要のない物は思い切って捨ててしまうということで、自分にまとわりついている数々の「物」を捨て去り、物への執着から離れてしまうことで、精神的な自由を獲得しようというヨガの考えから来ている思想です。また、今ある物を捨て去るのと同時に、次々と入ってくる物を「断つ」という意味もあります。

引っ越しや模様替えなど、数年にあるかないかのイベントの時にいらないものといるものを整理して、仮に物を減らすことに成功したとしても、それは長くは続きません。日々色んな物が積み重なっていき、数か月でまた元の物に囲まれた生活に戻ってしまいます。そうならないように、不要な物が入ってくるサイクルを断ち切る必要があるのです。

日常生活に絶対不可欠な物など、身の回り品を整理していると本当にごくわずかなことに気付かされます。常に身の回りにある物は自分にとって本当に必要な物だけにして、「いつ使うかわからないけど、いつか使うかも・・・」というものは、思い切って捨ててしまいましょう。

こうした考えが、狭小住宅のインテリアを考えるための第一歩になります。

空間を広く見せる工夫を


ごく当たり前のことですが、狭小住宅において広大なリビングルームを確保することは物理的に不可能です。敷地面積が限られているからです。しかし、「空間を広く見せる工夫」をすることはできます。

例えば「横に狭い」のであれば、「縦に広い」空間を確保することで、開放感を演出することができますし、例えばロフトを採用することにより、居住空間を分けず、広く使うことが可能になります。

こうした工夫の積み重ねが、空間を広く見せることへと繋がっていくのです。

収納もインテリアに


狭小住宅においては、生活スペースと収納スペースを明確に区別しないことをお勧めします。何故なら、2つのスペースを分ける物理的な余裕が狭小住宅においては無いためです。つまり「居住スペースの中に収納スペースがある」という図式を成り立たせる必要があります。

この点においては、「魅せる収納」を意識する必要があります。収納スペースが居住スペースの中にあって、家に住む人や来訪者にとって不快に感じるようではいけません。収納の機能自体がインテリアになり得るような仕掛けを作ろうとする工夫が必要となります。

 

 

 

 

Works(株)ホープスの建築実例

狭小住宅をより魅力的にするためのインテリア実例集

具体的にどのようにすれば、狭小住宅の短所を補いつつインテリアをより魅力的にすることができるのでしょうか?実際に当社が施工した狭小住宅のインテリア実例をご紹介します。狭小住宅ならではの独自の工夫から、一般の住宅の収納術に活用できそうなものまで、多種多様なインテリアを体感して頂ければと思います。

壁面への作り付けの棚は必須


画像のような、壁面に作り付けの棚を取り付ける手法は、狭小住宅においては必須の収納テクニックであると同時に、インテリアの小技でもあります。壁面にこうした棚を取り付けることで収納スペースを確保するのと同時に、例えば棚の中に本やちょっとした植木を置くことによって、「魅せる収納」が可能です。

また、家族の大切な写真を置くこともできるでしょうし、思い出の品を置くこともできます。こうしたちょっとした場所に家族の大切な物を置くことで、その家ならではのインテリアを作り出すことができます。

階段の壁面は貴重な「魅せる」ためのスペース


画像のように、階段の壁面を本棚にしてしまうのも面白いでしょう。実は、こうした壁面は家の人も気付かない貴重な収納スペースになり得るのと同時に、「魅せる」収納を配置する絶好の場所でもあります。本棚というのは意外とスペースを取ってしまいますので、子供部屋やリビングに配置することだけでも居住スペースが減らされてしまいます。

階段の壁面に本棚を置くことによって、こうした「本棚をどこに置くか」という問題も一気に解決します。お子様のおられる家庭などでは、人の通り道である階段に本棚があることで、家族にとっても子供の動向を常に把握することができますし、家族間のコミュニケーションも円滑にすることが可能になります。

このように、インテリアの工夫はただ単に収納スペースを広くするだけでなく、家族の絆の醸成にも寄与する場面があるということを覚えておきましょう。

リビング階段で空間を広く


空間を広く見せるという部分では、リビング階段を採用されることをお勧めします。狭小住宅では階段室と居住スペースを分けるよりは、こうしたリビング階段を採用することによってスペースを有効活用できるのと同時に、空間を広く見せることができます。

あまり広くないリビングでも、リビング階段を置くことによって視線が横だけではなく縦にも広がり、結果として広く感じるのです。こうした観点からの工夫も極めて重要です。

リビング階段で空間を広く


画像のように、窓際や壁際に一枚板を置くことによって、デスクや勉強机、物置として有効活用することが可能になります。また、無駄のないシンプルな印象を与えることも可能です。机を置くと、どうしても多くのスペースを取られてしまう上に、机を置いたスペースが机以外の用途には使えなくなってしまいます。

画像の一枚板はデスクにも勉強机にも使えますし、ちょっとした物置にも使えます。テレビを置くのも良いでしょうし、本棚として活用することも可能になるでしょう。このように、「たくさんの用途がある」インテリアを導入することによって、建築後の家族のライフスタイルの変更があった場合にも柔軟に対応することが可能になるのです。

ベンチの上に本棚が


画像の本棚も、見せる収納としては有効です。このように、狭小住宅のインテリアを考える際は、「居住スペースと収納スペースの一体化」「魅せる収納」を心がけると良いでしょう。

 

 

 

 

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HOPEsのインテリアについての工夫とは


当社は主に狭小住宅を多く手掛けています。その中で、敷地な周辺環境、施主様の要望に合わせたオーダーメイドの家づくりを通して、ご家族の夢や楽しい暮らしの実現のお手伝いをさせて頂いております。

もちろん、こだわっているのは外観や間取りだけではありません。1年や2年先だけではなく、20年や30年以上先の家族のライフスタイルやニーズを捉え、末永い年月を健やかに、そして快適にお過ごしいただけるようなインテリアについても豊富なノウハウを持っております。

狭小住宅の建築に関するご相談だけでなく、インテリアの悩みのような家づくりをしていく過程で出てくる様々な疑問点についても、お気軽にお寄せください。「家づくりを楽しみ、家を通して幸せになる」というコンセプトのもと、あなたの悩みや疑問への解決策を一緒に考えます。また、HOPEsのホームページにおいても、多数の建築事例や当社の理念を掲載しておりますので、こちらも是非覗いてみてくださいね。

HOPESの建築実例はコチラから

まとめ

インテリアを独自に工夫することで、自分らしい住まい方やおしゃれな内装デザインが実現できることがご理解いただけたものと思います。もちろんこの記事でご紹介したこと以外にも、狭小住宅ならではのインテリアの方法はたくさんあります。重要なのは、「家づくりを通して何を実現したいのか」ということ。この考えを忘れずに、インテリアを通して家族が笑顔になれるような仕掛けを考えてみましょう。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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