狭小住宅の建築をご検討されている方は、収納について不安を抱えているケースが多いのではないでしょうか?狭小住宅は敷地面積が狭いため、どうしても家の中に設けられる収納スペースが一般的な一戸建て住宅よりも少なくなる傾向にあります。しかしながら狭小住宅だからといって、収納スペースが著しく削られるという訳ではありません。施主や設計者の工夫とアイデア次第で限りあるスペースを有効活用することにより、「収納スペースを作り出す」ことができるのです。収納について考えてみることで、より快適で充実した狭小住宅での暮らし方が見えてきそうです。
狭小住宅の収納テクニック実例集
どのような工夫をすれば、狭小住宅の建築を考える上でより多くの収納スペースを確保することができるのでしょうか?狭小住宅に住むからといって、一般的な一戸建て住宅に住む人よりも身の回りの物が少ないというわけではもちろんありません。狭小住宅は物理的に物を置けるスペースが限られている以上、その家の特性に合った工夫や独自のアイデアが必須になってきます。そうした観点も踏まえた狭小住宅の収納テクニックを見ていきましょう。
ウォークインクローゼットでしっかり収納
ウォークインクローゼットは、服やカバンなどの衣類関係を収納するのに適しています。クローゼットの中に歩いて入ることができ、必要に応じてそこで着替えなどをすることも可能なスペースになっています。広めの収納スペースとして、是非押さえておきたい収納方法と言えます。
大家族や子育て世代はウォークインシューズクローゼット
あまり馴染みがないかもしれませんが、ウォークインクローゼットの下駄箱版がこのウォークインシューズクローゼットです。玄関周辺に少し余裕がある場合は、このような収納を検討してみても面白いでしょう。子育て世代や大家族の方の中には、家族の靴の多さと収納スペースに困っている方も多いはず。ウォークインシューズクローゼットを採用することにより、こうした悩みは一気に解消されそうです。なお、画像でも見える通り、広さによっては中にベビーカーを置くことも可能です。
玄関周りに余裕がない場合は大容量シューズボックスを
玄関周りのスペースに余裕があればウォークインシューズクローゼットを是非検討すべきですが、狭小住宅の場合、なかなかそうはいかないケースも多いでしょう。そうした場合は、画像のような大容量のシューズボックスはいかがですか?このくらい容量があれば、よほどの大家族でもない限り困ることはなさそうです。
また、棚の部分にはちょっとした花を置いておけるようなスペースもあるため、玄関先のちょっとしたインテリアにもなります。
階段の壁面に本棚を
階段の壁一面に埋め込み式の本棚を配置しています。狭小住宅では、こうした少しのスペースも無駄にしないためのアイデアを随所に散りばめることによって、効率的な暮らしを実現することが可能になるのです。この例は収納スペースを確保するだけではなく、本棚が一つのインテリアとして存在感を発揮してくれています。
階段下は格好の収納スペース
狭小住宅の収納スペースを考える上で、外してはならないのが階段下の余剰スペースです。こうした場所に、普段使いするような家電や家具を収納しておくこともできます。空間の有効活用策として、確実に押さえておくようにしましょう。
キッチン背面の棚に注目
キッチンも、空間を有効活用すれば立派な収納スペースになり得ます。調味料や調理器具だけでなく、キッチンやその周辺で使うような生活雑貨もこの背面の棚で収納することによって、収納スペースの確保に繋がるだけでなく、家事動線の適正化にも貢献しています。
勾配天井は貴重なスペース
勾配天井のやや下に収納スペースがあるのが確認できると思います。このように、狭小住宅では僅かなスペースも無駄にせず、空間を効率的に使うという意識が必要になるのです。
迷ったときは思い切って物を減らす
「断捨離」という言葉をご存知でしょうか?近年注目され始めた言葉で、物を貯めこむことなく、必要なものと不必要なものを明確に区分した上で、自分にとって本当に必要なものを見極め、不必要なものを思い切って捨てていく、という考え方です。
元々はヨガの世界において、「自分の体に不要なものが入ってくるのを断ち」、「不要なものを体外に捨てて」、「物事に対する執着から解放される」という考えから来ている手法です。本当に自分にとって必要なものだけを残しておくことで、物への執着から解放された生活を手に入れることができるのです。
日常生活を振り返って考えてみると、確かに私たちの身の回りには不要なものであふれていることに気づかされます。もう数年間開いていない仕事の資料や、人から貰ったけどもなかなか使う機会のない小物類などがそれに当たります。こうした「捨てにくい物たち」は、「いつかは使うだろう」という考えから捨てることに踏み切れないものですが、大抵の場合、ほとんど使うことはありません。
「使うかも・・・」と思うものでも、思い切って捨ててしまいましょう。物から縛られる生活から解放されることで、気持ちの上でも余裕が生まれます。インターネットの進歩により、手に入らないものを見つける方が難しいと言われる現代社会です。また必要になれば、その都度購入すれば良いのです。
物があふれると気持ちにも余裕がなくなる
狭小住宅では、様々な工夫を凝らして収納スペースを確保しようとします。その結果、十分な収納スペースを確保できるケースが多いのも事実ですが、家の中の物の絶対数が多くては、当然収納のキャパシティーをオーバーしてしまうことになります。
「身の回りが物であふれている生活」を想像してみてください。机の上には雑然と物が置かれ、床にはもう使わないような書類が置きっぱなし。おまけに棚を開ければ整理整頓されないまま、あるだけのスペースにあるだけの物を詰め込んでしまっていませんか?
家の中がこうした状況だと、綺麗なインテリアやおしゃれな小物、家事導線にも意識した間取りはほとんど意味がなくなり、逆に窮屈さだけを感じながら過ごすことになるでしょう。
その結果「探したい物がすぐに見つからない」「せっかくおしゃれに内装をデザインしたのに台無し」といった気持ちになり、余裕がなくなってくるのは想像に難くないでしょう。できるだけ多くの収納スペースを確保する工夫を随所に凝らしても、絶対的に物があふれていては意味がありません。狭小住宅に住もうと考えているなら、不要なものは極力減らし、スマートな生活を心がけましょう。
家事動線を考える
収納を考える上で、最も意識すべきなのは「家事動線」です。断捨離によって家の中には必要最低限の物しかないという状態にしておくことは、少なくとも「家の中に使わない物はない」状態になるということです。
この場合だと、いかに効率的に収納してある物にアプローチするのか、という視点が重要になってきます。これには、家事動線がカギを握っているのです。
極端な例ですが、一般的な3階建て住宅を考えてみてください。2階に洗濯機があり、3階に物干しスペースがある例が多いかと思われますが、ここで衣類などの収納スペースが1階にあったらどうでしょう?2階で洗濯物を回し、3階のバルコニーで干した後、取り込んだ後に1階まで片付けに行かなければなりません。これは相当な手間と言えるのではないでしょうか?これが、2階か3階に収納スペースがあれば、そこまで負担になる動きをする必要はありません。1回や1日ではそこまで大きな違いにはならないかもしれませんが、1年、5年、10年と長期的に見たときに、トータルの移動距離の違いが驚くほど違うことに気付くはずです。
狭小住宅を考えるなら、HOPESへ
HOPESは「家づくりを楽しみ、家を通して幸せになる」というコンセプトのもと、狭小住宅の建築を得意にしております。「楽しみ」「安らぎ」「かっこ良さ」「わくわく感」に加え、「安心感」を得るための様々な工夫をご提案いたします。小さくても、自分たちに最も合った住まいの形を実現したい方は、是非HOPESのホームページものぞいてみてくださいね。様々な狭小住宅の建築事例や、当社の理念を盛り込んでおります。
まとめ
狭小住宅の収納についての様々な工夫や考え方をお伝えしました。収納スペースを確保することは、快適な暮らしを得るためには必要なことですが、一番大切なことは、効率的な暮らしを追求するという意識を持つこと。そのような考えを持つことで、物に依存しないスマートなライフスタイルは実現することができるのです。