東京に自宅を建築する費用で、他県と大きく変わる部分は、土地の購入費用です。そして土地の価格は、区によって異なります。さらに同じ区内でも、駅からの距離によって異なります。また、購入した土地が、狭小地であった場合、周辺の環境によっては、建築費も、郊外型の住宅とは、変わってきます。東京の土地の価格と、狭小地での建築費について考えてみましょう。
都心部に近づくほど土地の価格は高額になる
利便性の良さを求めて、都心部に近づけば近づくほど、土地の価格は高額になっていきます。例えば、東京都内で、最も土地価格が高額である千代田区全体の土地価格相場は、一坪あたり767.2万円です。千代田区の中でも、JR総武線快速の馬喰町駅から、徒歩2分の位置にある87.07m2(26坪)の整形地は、2億2800万円、坪単価865.7万円です。東京メトロ南北線の溜池山王駅から、徒歩2分の位置にある51.56m2(15.59坪)の整形地は、1億3970万円、都営新宿線の岩本町駅から、徒歩1分の位置にある56.01m2(16.94坪)の間口が狭く、奥行きの長いいわゆるウナギの寝床のような土地は、1億2500万円です。
一方、多摩地区には、神奈川県や埼玉県より、低価格で購入できる土地もあります。たとえば、東京駅や新宿駅までは、1時間以上かかるあきる野市にあるJR五日市線の武蔵増戸駅から、徒歩3分の位置にある89.65m2(27坪)の土地は、980万円です。
東京での暮らしを望む理由は、多くの人の場合、利便性にあることを考えると、都心部周辺にある地域が、一つの指標になると思います。その範囲内で、土地の価格を調べてみましょう。
中央区全体の土地価格相場は、一坪あたり554.8万円ですが、都営新宿線の浜町駅から、徒歩4分の位置にある47.27m2(14坪)の土地は、5480万円、坪単価383.3万円です。港区全体の土地価格相場は、一坪あたり553.6万円ですが、東京メトロ南北線の麻布十番駅から、徒歩8分の位置にある旗竿地は、8000万円、611.4万円/坪です。渋谷区全体の土地価格相場は、一坪あたり400.4万円 ですが、京王新線の幡ヶ谷駅から、徒歩10分の位置にある45.4m2(13.73坪)整形地の価格は、4500万円、坪単価327.7万円です。
山手線の駅周辺の地域から少し離れると、土地の価格が抑えられます。少し離れた地域の中で、住宅地として、暮らしやすく、再開発が進んでいる地域として、人気の高い区は、大田区や目黒区、世田谷区です。目黒区全体の土地価格相場は、一坪あたり318.4万円ですが、東急東横線の学芸大学から、徒歩15分の位置にある54.79m2(16.57坪)の整形地の価格は、3980万円、坪単価240.2万円です。世田谷区全体の土地価格相場は、一坪あたり238.7万円 ですが、東急田園都市線の二子玉川駅から、バスで15分バス停から、徒歩2分の位置にある54.24m2(16坪)整形地の価格は、1780万円、坪単価108.5万円です。大田区全体の土地価格相場211.9万円ですが、東急池上線の池上駅から、徒歩8分の位置にある55.66m2(16坪)の変形地は、2380万円、坪単価141.4万円です。このように、同じ東京の中でも、地域や、駅からの距離、土地の形で、価格が異なります。
東京の注文住宅にかかる費用を決めるのは?
土地の価格に加えて、狭小地に建てる住宅の場合には、郊外型住宅に比べると建築費が嵩むケースが多くあります。その理由は、周辺の環境によるものです。
住宅に高度な性能が必要
東京の中でも、利便性の良い場所に住宅を建てる場合、周辺には、住宅やマンションが、密集しています。そして、狭小地に建てる住宅は、居住面積を得るために、3階建てにすることがほとんどです。狭い土地に縦に長く伸びる細長い家の周辺を、他の住宅やマンションに囲まれているという状況になります。
この場合、日当たりと風通しが悪い、プライバシーを確保しにくい、周辺の生活音や騒音に悩まされる、自宅から出る生活音に気を使うというような問題がおこります。このような問題を抱えた家は、生活しやすい家とは言えません。その為、暮らしやすい家にする為の設計が必要です。
日当たりと風通しを良くする為には、吹き抜けや天窓、スキップフロアなどが採用されます。ところが、吹き抜けや天窓、スキップフロアなどは、光と風を採り入れると同時に、家の中の温度管理をしにくくしてしまいます。床や壁が減る分、空間が繋がり、冷暖房が効きにくくなるからです。その為、そのような設計の手法を取り入れた場合には、通常よりも、高い断熱性と気密性が必要です。
通常よりも高い断熱性を、住宅に持たせるためには、壁や屋根、床下に使う断熱材や窓の機能性が、遮音と防音の為には、高性能な窓が求められます。また、敷地が狭く、駐車スペースを庭に作れない場合には、インナーガレージを作ることもあります。インナーガレージや吹き抜け、スキップフロアを採用した場合、通常の住宅より、床や壁の面積が減るので、それを補うだけの耐震性が必要です。狭小敷地に建てる家の問題点を解決する為の設計には、高い断熱性、気密性、耐震性が必要のです。そして住宅の性能を、高めれば高めるほど、建築費は嵩んでいきます。
工事中の問題
建築工事を行う敷地の間口や道路の幅によっては、工事に必要な大型車両が、敷地の入り口まで進入できない為、小型車両で少しずつ、運ばなくてはならない場合があります。工事用の車両を、駐車する必要がある場合には、近隣で駐車場を借りる必要があります。
資材を仮置きするスペースも、近隣で借りる場合があります。また、隣家との距離が狭く、足場を組めない場合には、隣家にお願いして、隣家の土地に足場を組まなくてなりません。このようなケースでは、駐車場や、資置き場を確保する費用がかかり、大型車両でする仕事を、小型車両や人力でする為に、人件費も日数も嵩みます。
東京に注文住宅を建てる際に納得できる家づくりをするには?
予算をしっかりたてる
利便性の良い土地を求め、都心部に近づけば近づくほど、土地の値段は、高額になっていきます。そこで、狭小地を選択するケースが多いのですが、その場合、狭い家だから、建築費は、普通の家より抑えられるだろうと考えて、予算計画を立てると、予算オーバーしてしまいます。狭小地に建てる場合には、建築費が嵩むことを計算に入れて、予算計画を立てることが大切です。
周辺の環境に合わせて窓の位置や玄関の向きを決める
日当たりや風通しばかりを考えて、窓の位置を決めると、道路や隣家からの視線が気になって、開かずの窓になってしまう恐れがあります。また、玄関の位置や向き、開閉方法なども、道路や周辺の状況に合わせ、玄関を開け放しても、家の中が道路や周辺の家から見えないようにすることが大切です。
生活動線に合わせた間取りと収納にする
細長い3階建て住宅では、マンションの生活と違い、階段での移動が非常に多くなります。階段の上り下りは、毎日の家事労働の負担を大きくしてしまいます。特に大変なのは、洗濯機を置く場所が1階で、ベランダやバルコニーが3階にある場合の洗濯と、キッチンが2階にある場合の、食糧品の運び入れです。
洗濯機を3階に置く、又は、洗濯物を干すスペースを1階に作る、玄関の大型収納内に、重い食料品の仮置き場を作るなどの工夫が必要です。それぞれの家族によって、暮らし方は異なります。自分たち家族の暮らし方にあった間取りにすることが、良い家づくりに繋がります。
また、狭小住宅では、収納スペースとして多くの床面積を取ってしまうと、居室の面積が圧迫されてしまいます。デッドスペースを活用することに加えて、各居室に収納スペースを設けず、家族の動線に合わせて、玄関かリビングに、家族用の大型クローゼットを作ると便利です。居室を広くでき、帰宅時にすぐ荷物をしまえるので、リビングが散らかりません。
ホープスの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。