土地の価格が高額なので、東京に家を建てるのは大変です。その為、狭小敷地を購入して、狭小住宅を建てるケースが、非常に多くあります。狭小敷地と言っても、都心への通勤圏内にある神奈川県や埼玉県で、郊外型住宅の敷地を購入するよりも、はるかに高額です。

親から譲りうけた土地があるという幸運なケースを除けば、限られた予算の中で、土地の購入に高額な費用がかかってしまうということです。それでも、狭小住宅は、住宅の性能にも間取りにもこだわり、資産価値の高い家にすることが大切です。

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狭小住宅こそ資産価値の高い家にしなくてはならない理由

質の高い家は、子や孫の代まで居心地よく暮らせます。どんなに広大な家であっても、狭小住宅であっても、それは同じです。ただ、広い敷地に建つ家は、もし家の寿命が短かったとしても、建て直しができます。

しかし、密集した地域に建つ狭小住宅は、簡単に取り壊したり、建て直しをしたりできません。特に、道路に接している間口の幅が狭く、奥に長い土地や、奥に敷地の拡がる旗座地では、工事の為の車両が入りにくいので、取り壊しも建て直しも、困難です。

資産価値の高い高額な土地を購入しても、子や孫の代には、住み心地が悪くなってしまう家では、土地も家も無駄になってしまいます。夫婦だけの暮らしをしている場合や、子供はいずれ独立していくと考えている場合でも、資産価値の高い家にしておけば、病気や怪我で、住み替えをするような時には、経済的な負担なく、住み替えができます。

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資産価値の高い家にする為の条件

資産価値の高い家の基本的な条件は、住宅の性能が高い家であることと、住宅の品質維持管理ができる家であることです。住宅の性能には、地震や台風などの自然災害から命を守る性能と、家庭での消費エネルギーを最小限に抑えられる性能が必要です。

地震や台風などの自然災害から命を守る性能 耐震性 

建築基準法には、耐震性の高さを表す等級が定められています。建築基準法で、最低限、守らなくてはならないとされているのは、耐震等級1です。耐震等級1では、数十年に1回は起こると、想定される規模の地震が起きた時に、大規模な工事をしなくては、修復できないような損傷を受けないこと、数百年に1回は起こると、想定される規模の地震が起きた時にも、命にかかわるような損傷や、倒壊をしないことが基準とされています。

資産価値の高い家にする為には、これより上の等級である耐震等級2以上にする必要があります。耐震等級2では、耐震等級1の1.25倍の力に対して、建物が倒壊、崩壊等しないこと、耐震等級3では、耐震等級1の1.5倍の力に対して、建物が倒壊、崩壊等しないことが基準とされています。

家庭での消費エネルギーを最小限に抑えられる性能 省エネルギー性

省エネルギー性を高める為には、断熱性と気密性の高い家にする必要があります。断熱性と気密性の高い家は、冷暖房が効率よく働くので、電気やガスの消費量を抑えられるからです。屋根、壁、外壁が断熱構造の家であることに加えて、断熱機能の高いドアと窓が設置されていること、日射熱を遮る工夫がされていること、結露が発生しないことが求められます。

住宅の品質維持管理ができる性能

住宅は、雨風や紫外線、生活から排出される水分、シロアリの被害によって、徐々に劣化していきます。そのまま放置しておけば、劣化した部分から雨水が侵入して、住宅の構造部にまで劣化が進み、地震や台風で倒壊しやすい家になってしまいます。

住宅を建築する際に、地盤、土台、構造部、外壁には、防腐、防蟻対策、浴室などの水回りには防水措置が施されている必要があります。加えて、床下と小屋裏に防湿と換気の為の対策が施されていること求められます。

住宅が完成した後には、定期的に外壁の再塗装や、シロアリの消毒など、構造部を劣化させない為の補修が、計画的に行われること、給湯システム、浴室やキッチンの住宅設備機器、内装などは、大掛かりな工事や、多額な費用をかけずに、修理交換できることが求められます。

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暮らしやすさのグレードも価格に影響

狭小住宅では、設計上の工夫も、暮らしやすい家にする為に、重要なポイントです。デザイン性の良さだけではなく、狭小住宅を暮らしやすい家にする為の設計上の工夫です。密集した地域に建つ狭小住宅には、様々な暮らしにくさがあるからです。

家族の人数によっては、家族全員に、居心地の良い空間を持たせるために、3階建てにしなくてはなりません。同じ坪数の家でも、夫婦だけの暮らしであれば、2階建てで、充分に居住空間を確保できても、4人以上の家族には、足りないからです。

狭小住宅に日差しと風を採り入れる吹き抜け

ところが、狭い敷地に、3階建ての住宅を建てると、日当たりと風通しが確保しにくくなってしまいます。マンションや3階建て住宅に囲まれている為、1階と2階の部屋には、日差しと風が採り入れにくい状況に、なってしまうのです。その為、窓の位置やサイズ、開閉方法の工夫、吹き抜けやスキップフロアなどの設計上の手法を取り入れる必要が出てきます。

また、狭小敷地では、駐車スペースを庭にとれないことがほとんどです。その為、家の中にガレージを作るビルトインガレージが取り入れられることもあります。

2台駐車できるビルトインガレージ

吹き抜け、スキップフロア、ビルトインガレージは、全て、耐震性を揺るがしかねない設計です。このような設計の手法を取り入れても、安全に、安心して暮らせる家にする為には、通常の住宅よりも、高い耐震性を持つ家にしなくてはなりません。

さらに、吹き抜けやスキップフロアは、断熱性を低下させる間取りでもあります。吹き抜けは縦に、スキップフロアは横に空間が繋がるからです。広い空間では、通常の断熱性と気密性では、十分に冷暖房が働かず、夏は暑く冬は冷える家になってしまいます。快適性が損なわれるだけではなく、エネルギーの消費量も増えてしまいます。その為、吹き抜けやスキップフロアを取り入れた住宅には、通常よりも高い断熱性と気密性が求められます。

段差を活かした緩い区切りのあるLDK

狭小住宅を、日差しが明るく、風が吹き抜ける家、最小限の冷暖房で効率よく室内の環境が調う家、地震や台風に襲われても安全な家にする為には、高度な住宅性能が必要なのです。

外観の美しさになっている目隠し用ルーバー

また、狭小住宅には、外見上の問題もあります。狭小敷地に建てる家では、床面積を広くする為、1階から3階までの床面積を同じにする為、箱型の家にすることが多いです。ところが、箱型の家は、設計者のデザインセンスで、見た目が大きく変わってしまうのです。バルコニーや格子、袖壁などの機能性を伴った外観のアクセント、外壁や屋根の建材の質感と色などによって、洗練された雰囲気の家にもなり、安っぽく見える家にもなります。外壁や屋根の建材は、住宅性能の為に、グレードの高いタイプが使われていますが、色や質感までは保証されません。外壁の色や質感も、外観のデザイン性に大きな影響を与えるので、選び方が大切です。

狭小住宅を、長く快適に安全に暮らせる家、外観や内装デザインに満足できる家にして、東京の暮らしをお楽しみください。

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ホープスの狭小住宅への思い

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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