住宅や、住宅建築に関わる法規制の用語は、何となく聞いたことがある用語から、聞いたことはあるけれどよくわからない用語まで、様々な用語があります。
denとは、間取りに関わる住宅用語です。英語では、野獣などの巣や、ねぐら、又は犯罪者の隠れ家という意味があります。会話の中では、書斎や仕事部屋など、男性のプライベートな部屋として使われます。
そして、住宅用語としてのdenは、英会話の中で使われるのと同じように、書斎や、趣味の部屋を表す用語として、使われます。
注文住宅の家づくり
これから、家を建てようと考えている人にとって、注文住宅は、少し敷居の高い家の建て方です。最も簡単で、費用を抑えて手に入れられるマイホームは、建売住宅です。ハウスメーカーなどで建てる規格型注文住宅は、ある程度の間取りや、外観デザインのひな型があります。費用は嵩みますが、注文住宅ほどの手間と時間はかかりません。
しかし、注文住宅には、何もありません。土地を探し、0から、家づくりを始めなくてはならないのです。他の方法に比べると、時間も費用もかかる家づくりですが、最も自分たちの理想を叶えられる家づくりでもあります。
そして、注文住宅での家づくりを、成功させるためには、建てる家に対する明確なビジョンを持つことが大切です。そのビジョンを、実現させるためには、自分たち家族が求める理想の暮らし方にあった家のイメージを作り、間取りプランに反映させなくてはなりません。
それと同時に、土地の形状と、周囲の環境によって、制限されることのある法規制についても、知っておく必要があります。床面積や、高さを法規制によって、制限されることがあるからです。
もちろん、間取りプランの相談をする際に、施工先の担当者は、丁寧に説明してくれますが、その前に、ある程度の知識を持っておけば、話し合いの内容を、よりよく理解できます。
あの話し合いの時に、なんとなく聞き逃していたのは、こんなことだったのか…と、家が完成した後になって、悔やむケースもあります。
注文住宅は、こだわりの理想の家を建てられるという良さがある反面、思いがけない失敗の多い家になってしまう可能性も、持っている家づくりです。最も大切なことは、良い施工先を選ぶことですが、それと同時に、間取りプランを作り始める前に、できるだけ多くの情報を集めることも必要です。
間取りプランを立てる時に知っておきたい住宅用語の意味と記号
住宅用語には、全体的な要素を含む用語と、部分を表す用語があります。部分を表す用語は、間取り図には、略語で表記される場合もあります。
全体的な要素を含む用語
ゾーニング
空間を目的別に分けて、位置を決めることです。敷地全体では、日当たりや風通し、周辺の環境、道路との位置関係などを考慮して、住宅、庭、玄関アプローチなどの位置をきめます。
住宅では、家族が集うエリア、家族の生活に必要なエリア、家族それぞれのプライベートなエリアの位置と広さを決めます。
家族が集うエリアとは、リビングやダイニング、生活に必要なエリアとは、浴室、洗面所、トイレ、プライベートなエリアとは、寝室、子供部屋、書斎などです。ゾーニングは、住居の周辺の環境と、家族の動線を考慮して、決められます。
動線
家族の家の中での移動を表します。家事の移動は、家事動線、帰宅後、玄関からの移動は帰宅動線など、生活の中の移動の目的に合わせて、様々な動線があります。
そのさまざまな動線が、十分に考えられている間取りからは、暮らしやすい家が、暮らし始めてからの動線が、十分に反映されていない間取りからは、ストレスのおきやすい家が完成します。
吹き抜け
階下と階上の部屋を繋げる設計の手法で、縦の空間が繋がります。狭小住宅では、日当たりと風通しを確保する為と、開放的な空間を演出する為に、リビングに使われることの多い方法です。気密性と断熱性の低い住宅では、冷暖房の効率が落ちるという問題点があります。
スキップフロア
階下と階上の間に、もう一つ階を設ける方法です。間仕切壁を使わずに、段差で空間を区切ることができる為、日当たりと風通しが良くなります。その為、狭小住宅には、吹き抜けと並んで、便利な設計の手法の一つです。ただし、特殊な技術が必要なので、スキップフロアのある家の建築を得意とする施工先を探さないと、実現しないこともあります。
小屋裏(ロフト)
天井と屋根の間にある空間です。収納スペースや、子供の遊び場として使います。天井の高さは1.4m以下で、階下の部屋の半分以下の面積という制約があります。以前は、固定式の階段や梯子は認められず、折り畳み式で、小屋裏内に収納できるタイプの梯子が使われていました。しかし、現在では法改正によって、地域の自治体が認めている場合には、固定式の階段もつけられるようになっています。
間違えやすい用語
- バルコニー 2階、又は3階の掃き出し窓から、外に向かって張り出している屋根のないスペース
- ベランダ 2階、又は3階の掃き出し窓から、外に向かって張り出している屋根のついたスペース
- テラス 1階の掃き出し窓の続くタイルやコンクリートが敷かれたスペース
- インナーバルコニー 建物の内部にあるバルコニー リビングの延長として使える、吹き降りの雨が降っても洗濯物が濡れないなどのメリットがあります。その反面、リビングの日当たりが悪くなるという問題点もあります。
間取り図では略語で表されることの多い部分を表す用語
- L リビング
- D ダイニング
- K キッチン
- LDK リビング、ダイニング、キッチンが繋がっている間取り
- CL クローゼット ハンガーに厚手のコートをかけてもかけられる程度の奥行の壁面に作られたクローゼット
- WIC 中に入れるクローゼット 広い収納スペースの中に、棚やパイプを設置して、たくさんの物が収納できます。
- WTC 中を通り抜けられるクローゼット 両親の寝室と子供部屋を繋いだり、玄関とリビングの間を繋いだりできます。
- SIC(土間収納) 玄関に設置する靴やベビーカーなどを収納できる大型の収納スペース
間取りプランを立てる時に知っておきたい法律上の用語の意味
地域によって、家の間取りが制限されるような法規制があります。
- 建ぺい率 敷地面積に対して、住居を建てられる面積の割合 地域によって異なります。
- 容積率 敷地面積に対して許される床面積の割合 地域によっては、前面の道路からの距離によって、制限されることもあります
- 延床面積 各階の床面積の合計
- 高さ制限 地域によって定められている高さに対する制限 屋根の傾斜や建物の形状で、制限をクリアします。
- 道路斜線 敷地が面している道路にできてしまう日陰に対する制限
- 北側斜線・隣地斜線 北側にあるへの日当たりを遮らない為の高さ制限
- 天空率 道路斜線、 隣地斜線、北側斜線を緩和する地上から見える空の割合
- 防火地域 3階以上の家を建てる場合には、耐火建築物にしなくてはならない地域
- 準防火地域 3階以上の家を建てる場合には、耐火建築物、又は準耐火建築物にしなくてはならない地域
- 位置指定道路 建築基準法上の道路として、認められている幅員4m以上の私道 幅が4メートル以上の道路に、2メートル以上接していない土地には、家が建てられません。
- みなし道路 昔からある道路で、幅員4m未満ではあるが、42条二項道路として認められている道路 この道路に面して建てる住宅は、道路の中心から2メートルのセットバックが義務付けられています。セットバック部分には、住居だけではなく、門や塀も建てられません。
狭小敷地では、変形敷地が多くあります。加えて、住宅が密集している地域なので、防火地域や準防火地域である敷地がほとんどです。その為、設計や間取りに、法的な制限がかかることもあります。法的な制限をクリアする為には、建築費が嵩むこともあるので、っ知選びの際には、そのことも念頭に入れて、土地を選ぶことが大切です。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。