建築はその地と深く関わること。
今日は、建築で最初に行なう工程、遣り方(やりかた)工事についてレポートします!
遣り方に先立って、土地の中心に地鎮祭で授かった鎮物(しずめもの)を埋めます。土地の神霊を和め鎮めるため、かつては地鎮祭時にその土地に埋納(まいのう)されていた鎮物ですが、現在では基礎工事で土を掘る際に施工者が埋めるのが一般的となっています。
遣り方は、これから作っていく家を支える『基礎』の位置・高さを敷地にあらわす工程。建物のベースとなる形を決める非常に大切な作業です。。。
建物のおおよその位置で木の杭である水杭(みずくい)を立て、水杭に水貫(みずぬき)という木の材を横に打ち付けます。貫(ぬき)とは、木造建築で柱など垂直の材に水平方向を固定するもの。もともとはその名のとおり柱を貫通させて固定していた材。遣り方では、レベル(水平を測定する測量器具)を用いて水杭に基礎の上端となる高さを記していき、ここに水平に板を固定して高さの基準としたのが『水貫』です。
基礎の高さを出した後は、基礎の配置。水貫に墨で基礎の位置、幅などを示す印をつけ、水糸を張っていきます。
これが『墨出し』です。その後、遣り方が歪まないように筋交い貫を打ち付けます。
今日は続けて根切り(ねきり)も行いました。基礎をつくる空間の土を掘る作業となります。
こちらの現場は埋蔵文化財包蔵地域(遺跡)となっているため、文化財が発掘されないかどうか作業の際には公的機関の立会いもありました。
建築を進める過程では、日本独自の昔ながらの慣習や言葉などが随所で顔を出し、とても独特で興味深いですね!
遺跡の地域であることも重なって、家を建てるということはまさに、太古から繋がる『土地』とかかわっていくことなんだなと再認識させられました。
土地の神様に守っていただき、良い家ができますように。。。