くらし方のデザイン、旗竿地のメリットとデメリットについて

都会でのくらし方のデザインは色々あり、中には旗竿地に家を建てるという選択肢もあります。ではこの旗竿地のメリットは何かというと色々あります。まず土地の価格が安いという点です。

しかし土地の周辺が全て隣家に囲まれており、隣家との距離であったり、日当たりの具合、プライバシーの保護等の点で制約を受ける恐れもあるので、家を建てる場合はかなり工夫をする必要があります。
それでも入り口の狭さや建物の形状にこだわらないのであれば、安い値段で家を建てる事が出来るというのは大きな魅力です。

また静かに生活を送る事が出来るという点もあります。家は道路から奥まった場所にある為、家の前を車や人が通る事はありません。道路に家が面していると、毎日不特定多数の車や人間が通るので、騒音や視線が気になってしまいます。しかし旗竿地であれば、そうした心配もなく静かに日常生活を送れるので快適です。

他にも内装にお金をかけられるという点もメリットの1つとして挙げられます。奥まった土地に家がある為、道路を歩いている人からは家の外観が見える事は少ないです。その為外観にこだわる必要もなくなり、その分家の外壁材や塗料に使用するお金を、内装へと回す事が出来ます。

一方デメリットもいくつかあります。まず日光や風通しを良くする為に、家を作る時にかなり工夫する必要があるという点です。旗竿地は四方が家で囲まれているので、特に1階部分は日が当たらない事が多く、風通しも悪いです。その為1階に日当たりや風通しの良い場所を作りたいのであれば、設計段階でかなり工夫をしなければなりません。

また駐車する時はとても面倒であるという点です。車を持っている人は、乗り降りする時も土地が狭い為、かなり苦労するという事は覚悟しておきましょう。

他にも隣家との距離が近い為、騒音トラブルになりやすいという点も挙げられます。隣家が隣り合わせに立っている為、少し大きな音がしただけで周辺の家にすぐに聞こえてしまいます。その為、なるべく普段の生活音が外に響かないように防音対策をしておくと良いです。

それから建築やインフラコストが高くなってしまう点もあります。せっかく安く土地を購入する事が出来ても、家を建てる時に敷地内に水道管や電線が引き込まれていないケースもある為、別途工事費用がかかったり、通路部分が狭い為に重機が入れず職人の作業が増えてコストが高くなるという事も充分考えられるので注意が必要です。

このように旗竿地にはメリットとデメリットがありますが、それらをきちんと踏まえた上で家づくりをすれば、コストをかけずに理想の家を作る事が出来ます。

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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