ZEHとは(ZEHの概要・ZEHの助成金・補助金について)
ZEHの補助金・助成金について
1、ZEHの補助金・助成金とは
⑴ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)は、2030年の住宅のネット・ゼロ・エネルギー化を目指すべく、その施策の1つとして、高断熱設備と制御機構等を組み合わせ、住宅の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でおおむねゼロとなる住宅(ZRH)のことで、これを導入する者に対し補助金・助成金を交付し、予算の範囲内において、その活動を支援するものです。
経済産業省が実施しています。
⑵国土交通省が同様あるいは類似の趣旨で実施している「省エネ住宅ポイント」や「地域型は住宅グリーン化事業」による補助金・助成金などがありますが、これらは重複して併用することはできませんので、注意が必要です。
一方民生用燃料電池導入補助金・定置型リチウムイオン電池導入促進対策事業費補助金などZEHの補助金・助成金と重複しないものは併用することがてきます。
2、ZEHの現状と課題
⑴ZEHの現状
①我が国では「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)において「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指す」という政策目標を設定しています。
②経済産業省資源エネルギー庁では。高断熱外皮・高性能設備と制御機構等を組み合わせ、住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味でゼロとなる住宅に対し導入費用を支援する「住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)」を平成24年度から実施しています。
③ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは異なり、ZEHはすてに技術的に実現可能であり、ハウスメーカー各社は、ZEHを商品としてラインナップし、なかにはZEHを標準商品として位置付けているメーカーもあるなど、ZEHの標準化にの向けて取り組みが進められています。
なおこれらの取り組みについては戸建て住宅、とりわけ注文戸建て住宅が主として対象になっているので、集合住宅(とくに大規模集合住宅)についてはZEB的な要素が強くなることから、状況が異なります。
ちなみに海外の状況は、欧米諸国ににおいてZEHの政策目標の実現に向けて、各種の施策や取り組みが強力に進められています。
④こけらの目的を達成のためには、ZEHの現状や課題を踏まえた上でどう対応するかというロードマップが必要となるため、経済産業省ではエネルギー基本計画に明記されたZEHの政策目標達成のためにZEHロードマップ検討委員会を設立し、5回にわたる検討会を通してロードマップの取りまとめを行っています。
⑵ZEHの課題
政府や業界においてはZEHの普及に向けて各種の施策や取り組みが推進されてきた一方、ZEHの普及・実現の阻害要因となる課題として次のようなものがあげられます。
①ZEHの定義や目標に関する課題
イ、政府はエネルギー基本計画において、「住宅については2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現することを目指す」という目標を掲げているのですが、「ZEH」や「標準的な新築住宅」の定義が未だに明確になっていないために、業界全体として目指すべき方向性を定めることができていない状況にあります。
業界各社はそれぞれにZEHの標準化に向けて取り組みを進めているとはいうものの、ZEHの定義については共通認識として定着している状況にはなく、各社がそれぞれに検討してXZEHの普及に取り組んできたという経緯があります。
今後ZEHの一層普及させとていくためには統一的な定義や評価方法を確立する必要となります。この点についてZEHロードマップ検討委員会ではこのようなさまざまな状況を踏まえつつ、まず定性的に次のように定義しています。
「ZEHとは外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率の設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすること目指した住宅」としています。
これに伴い、ZEHには新築時に躯体や外皮について高性能のものを導入する必要がありますが、現在の省エネルギー基準で定められている外皮基準以上の指標がないことが課題となることが分かります。
また住宅で実際に使用するエネルギーについては、居住者の家族構成や年齢です。
気候などにも大きく影響を受けるため、設計段階ですべてを予測することは困難であるため、ZEHロードマップ検討委員会では、ZEHの評価は運用時ではなく設計時に行うという方針を決定しました。
さらに対象範囲も既築は除き、新築住宅のみを対象としています。
ロ、以上の定性的な概念をより具体的に落とし込み次の2つの定義にまとめました。
ⅰ、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)=外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え。再生可能なエネルギーにゆり年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅
ⅱ、Nearly ZEH(二アリ―・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)=ZEHを見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能なエネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅は、この2つの定義に基づいて、次のように定量的に評価とています。
ⅰ、ZEHは以下の4つの条件すべてに適合した住宅を指します。
・強化外皮基準(1~8地域の平成25年省エネルギー基準ーnAUA値、気密・防露性能確保などの留意事項-を満たした上でそ値1,2地域;0,4w/平方メートル・k-ワットパー平方メートルケルビン)相当以下、3地域;0,5w/平方メートル・k相当以下、4~7地域;0,6w/平方メートル・ケルビン相当以下
・再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
・再生可能エネルギーを導入(容量不問)
・再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減
ⅱ、Nearly ZEHは以下の4つの条件を満たすものとされます。
・強化外皮基準(1~8地域の平成25年省エネルギー基準)「以下ⅰとと同様」
・再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量削減
・再生可能エネルギーを導入(容量不問)
・再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減
二、また一次エネルギー消費量が正味ゼロとする厳密なZEHを目指していくためには、再生可能エネルギーの導入が必要不可欠となるのですが、一部の地域や都市部等の市街地の狭小住宅等では、日射量が不十分であったり、太陽光発電パネルを設置するための屋根の面積が限られる等により、物理的にZEHの実現が困難になるケースが出現することも想定されます。
⑵ZEHの認知度向上と動機付けの課題
①ZEHは個人向けの商材であることから、一般消費者の認知度を向上させていくことが必要になります。しかしながら、認定低炭素住宅やスマートウェルネス住宅、LCCM(Life Cycle Cabon Minus)住宅など類似の制度が多数存在していることもあって、情報発信の仕組みが錯綜していてわかりにくくなっているため、スマートハウスの認知度が84,2%とであるのに対して、ZEHの認知度は54,3%とかなり低くなっています。
また、一般消費者にとって光熱費の削減以外にどのようなメリットがあるのかが見えにくいために、購買意欲をもたらす動機付けがなかなか進まないという課題もあります。したがって施主へのインセンティブを付与するなどの方法により、新たなメリットを創出はしていくことが求められていると言えます。
②具体的な施策
これらのことをもとにしてZEHロードマップ検討委員会では、具体的な行動計画として、主に国を主体とし民間事業者や業界団体などとが連携して取り組む事業と業界団体や民間事業者などが主体となって国と連携しながら取り組んでいく領域とに分けて、ロードマップを策定しました。
具体的には国が主体となる施策としては、2015年度中にZEHの定義や目標を確立し、2016~2017年度にZEH建築へのインセンティブを付与し、2017年度までに中小工務店などの省エネルギー住宅建築ノーハウを確立し、2017年度以降にZEHの広報・プラント化などに取り組んでいく行動計画を示しています。
一方で業界団体や民間事業者が主体となって取り組んでいくべき課題としては、高性能化や低コスト化に向けた標準仕様の検討、ZEH普及の目標設定と進捗管理などの項目が挙げられています。
2、ZEHの補助金・助成金の申請手続について
open Innovation Inotiative 略称SH)に申請書類を提出して、その審査を経て支給されます。
SHは環境・エネルギー制約及び経済的社会的環境の深化から生じる課題の解決に向け、オープン・イノベーション等をもって、技術革新と市場創出を主導することを目的として、その実現のための事業を団体です。
⑴最も重要なことは、SHが認定する仕様・条件に適合するZEH(ゼロエネルギー)
①住宅でなければ補助金・助成金は支給されないということです。
2014(平成28)年度からは、ZEHビルダー制度が始まり、このZEHビルダーに登録のある会社でZEH仕様の家を建てると、補助金・助成金が出ることになります。
なおZEHビルダーは次のような区分に分かれています。
イ、注文住宅 ロ、建売住宅 ハ、既築改修 たとえばZEHの注文住宅を建てたい人は、「ZEHビルダー」で注文住宅で登録してある建築会社で建てる必要があるわけです。
②ZEHビルダーの登録については、本事業の趣旨ならびに「ZEHロードマップ」の意義にもとづき、自社気が受注する住宅のうちZEH(Nearly ZEHを含む)が占める割合を2020年までに50%以上とする事業目標を掲げるハウスメーカー.工務店・兼特設計事務所・リフォーム業者・建売住宅販売業者等をSHが「ZEHビルダー」と定めて公募します。
ZEHビルダーは、自社のZEH(Nearly ZEHを含む)が占める割合が2020年度までに50%以上となるZEH普及目標を自社のホームページや会社概要などで公表してこの普及に努めます。
なおZEHビルダーは、本事業の申請者が新築または既築改修するZEHの設計や建築工事および新築建売住宅を受注する立場になります。
また本事業ではSHが公表するZEHビルダーが設計、建築または販売を行う住宅であることが申請の要件となります。さらにZEHビルダーは手続代行業者を兼ねることができます。
政府は、登録されたZEHビルダーの情報をもとにしてZEHの普及に向けたさらなる施策を検討していく予定にしています。
ちなみにZEHビルダーがZEH(Nearly ZEHを含む)の普及に向けた活動をしていない場合や、SHがZEHビルダーとして不適切と判断した場合には、SHはZEHビルダーの登録を抹消することができることになっています。
⑵ZEHの補助金・助成金の対象者
①新築住宅・新築建売住宅の購入予定者
②既築住宅の所有者でZEH仕様に改修予定者
⑶申請者の資格について
①申請者が常時居住する住宅であること(住民票により確認)
②専用住宅であること
③既築の場合には、申請時に申請者自身が所有しているものであること
④新築建売住宅の場合には、申請者自身が当該建売住宅の購入予定者であること
⑤賃貸住宅・集合住宅は対象外。ただし所有する賃貸住宅・集合住宅の一部に居住する場合であれば、居住する自宅部分についてのみ申請可能。
⑷ZEHの補助金・助成金の金額
①平成28年度
地域や建物規模を問わず、全国一律の定額125万円。ただし北海道で条件を満たせば、定額の150万円。また北海道のみ、Nearly ZEH住宅でも定額125万円。
②平成29年度については、今のところ定額75万円の予定。
⑸ZEHの実務上重要な事項
①新築の場合、一度も登記されたことがない住宅であること
②交付決定日以降に本事業に着手すること
③補助対象施設等は新品を採用すること
④新築建売住宅の申請者は、事業完了日までに住宅の引渡しを受け所有すること
⑹ZEHの補助金・助成金交付の条件=次のすべてを満たす必要があります。
①一定の断熱性能を満たすこと;地域区分で定められた強化外皮基準(UA値)
②設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されていること。エネルギー計算は、空調・換気・照明・給湯にされています。
③設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減すること
④導入する設備が一定の要件を満たすこと
⑤既築の場合には、改修により「導入必要項目」を原則としてすべて満たすこと
⑥要件を満たすエネルギー測定装置(HEMS)を導入すること
⑦定期的なエネルギー使用状況の報告ができること
⑧太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを導入すること(10kw以上でも構わないが余剰買取方式に限る)
⑨SHに登録された「ZEHビルダー」が設計建築販売する家であること
⑹Nearly ZEHの補助金・助成金交付の条件
北海道で条件を満たせば、Nearly ZEHの補助金・助成金が支給されます。
ZEHの補助金・助成金交付要件を満たし、北海道地区でUA値が0ね25以下の寒冷地特別外皮強化仕様、かつ設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上削減されている場合に支給されます。
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