都心で自宅を構える場合、一般的な予算内で収めたいと考えれば、狭小住宅とマンションが候補にあがると思います。

暮らしやすさと住み替えの際に問題になる資産価値、税金など、選択の為のポイントを確認していきましょう。

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狭小住宅とマンション それぞれの特徴について

暮らしやすさ

家族構成、年齢によって暮らしやすい住居の条件は変わってきます。

家族構成や年齢に合わせて狭小住宅とマンションでの暮らしやすさを考えてみましょう。

子育て世代

20代後半から30代で、子供が就学前に自宅を購入したいと考えている家族にとって、子育てのしやすさが判断基準の一つになると思います。

戸建て住宅

  • ライフスタイルの変化に合わせた間取りが変更できるので、その時々の暮らしやすさを実現できる

子供は成長し、やがて独立していきます。子供は年齢によって子供に必要な空間が異なります。小学校低学年までは、母親と一緒にリビングで過ごすことが多く、中学、高校になると、自室で過ごす時間を持ちたがるようになります。

さらに、長期的な観点で考えると、ご夫婦は子供が独立後、生涯住み続けるとすれば、子供がいる期間よりも長くその家で暮らします。その為、子供の成長や独立に合わせて、間取りが変更できることは、戸建て住宅の大きな強みです。

  • 子供を庭で遊ばせられる

狭小な敷地であっても、設計によっては中庭を作ったり、子供が遊べるちょっとしたスペースを庭の片隅に作ったりできます。公園に連れて行く時間がとれない日でも、外で遊ばせてあげられます。

  • 子供の足音や泣き声がストレスにならない

下の階に子供の足音が響いてしまったり、赤ちゃんが泣き止まなかったりすることは子育て中には、どんな家庭にも発生することです。しかし、集合住宅では、下の階やお隣に足音や泣き声が伝わりやすいので、実際の足音や泣き声よりも、近隣への気兼ねがストレスになってしまいます。さらに実際にトラブルに発展してしまうこともあります。戸建ての場合、足音や泣き声は家族間のことなので、気兼ねをする必要なく、ストレスになりません。

  • 階段の形状によっては危険

狭小住宅では、広々とした空間と陽当たりを確保する為に、スキップフロア、吹き抜けとスケルトン階段などを採用する間取りが多くあります。はいはいをしている幼児やまだ足元のおぼつかない子供にとって、スキップフロアやスケルトン階段は危険です。他の方法で日当たりや空間を確保する、又は生活の中でゲートを設置するなど、子供を危険から守る工夫が必要です。

  • ペットと一緒に暮らせる

マンションによってはペット可の物件もありますが、犬の鳴き声や、お散歩への行きやすさを考えると、戸建て住宅の方が良い条件が整っています。さらに間取りを決める際に、犬や猫の習性にあった間取りを取り入れるので、ペットにとっても暮らしやすい家にできます。

マンション

  • 室内を適温に保ちやすい

冷暖房の効きが良く、家の中の温度差が少ないので、冬でも暖かく過ごせます。

  • 子供に目が届きやすい

ワンフロアなのでどこにいても子供の目が届きやすいという安心感があります。

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日中は家に誰もいない世代

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40代~60代で、子供たちは学校、夫婦は共働きの家族は、家族全員が忙しく、日中は留守になることが多いので、家事の軽減とセキュリテイの高さが判断基準の一つになると思います。

戸建て住宅

  • 自宅の敷地内に駐車スペースを作れる

雨の日の買い物や、夜遅くに子供のお迎えをする場合、マイカー通勤をしている家族がいる場合、自宅→駐車場→お迎えや買い物、職場→駐車場→自宅という経路が自宅→目的地→自宅になり便利です。

マンション

  • 日常的に必要な家事が軽減できる

戸建ての住宅の場合、ごみの収集日と時間が決まっていますが、マンションでは、時間や予備に関わりなくごみを出すことができます。また、戸建て住宅では雑草取りや植栽の手入れなど、庭の手入れに時間がとられますが、マンションでは必要ありません。

  • 防犯性が高い

戸建て住宅であっても、新築時に費用をかければかけるほど防犯性を高めることはできます。しかし、マンションの場合、オートロックや防犯カメラは基本的に設置されていますし、管理人が常駐しているマンションもあるので、日中家族全員が留守でも、防犯性ははるかに高まります。

  • 留守でも宅配便が受け取れる

宅配ボックスが設置されているので、日中家族全員が留守でも、宅配便を受け取れます。

引退後の世代

60代後半になり子供も独立、住み替えや建て直しを考えているご夫婦にとっては、家の中での移動がしやすく、安全に暮らせる家が判断基準の一つになると思います。

戸建て住宅

  • 高齢者になった時の暮らしに合わせた間取りにできる

これからの生活に合わせた間取りにできます。例えば寝室の横にトイレを設置する、段差をなくす、座れる洗面台にするなど、20年先、30年先まで安心して暮らせる家を実現できます。夫婦だけの暮らしになれば、広さよりも快適さを優先して考え、狭小敷地であっても日当たりが確保できる設計の平屋が理想的です。

  • 階段には工夫が必要

平屋ではどうしても必要な居室が確保できず、2階建てにする場合には、緩やかな階段にする、手すりをつけるなどの工夫が必要です。

マンション

住居内に階段がなく、車いすを使う必要が出てきたときにもエレベーターがあるので、安心です。ただし、家の中の間取りは、高齢者用バリアフリーになっているわけではないので、高齢になった時には不便が出てくる恐れがあります。ただしマンションの中には、高齢になっても安心して暮らせる間取りで、見守り、食事・掃除・洗濯緊急時の対応などのサービスもついているシニア向けマンションもあります。

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住宅にかかる費用

住宅にかかる費用には、購入の際にかかる費用と、継続してかかる費用があります。

購入時にかかる費用

戸建て住宅

購入時には、ほぼ同じ立地条件であれば、マンションより割高ですが、月々支払うのは住宅ローンだけです。ただし、建材による違いはありますが、築後10年程度で外壁塗装や屋根のメンテナンス、築15年程度で住宅設備機器の交換など、家のメンテナンスをする必要があります。

メンテナンス費用は、家の状態のより異なりますが、外壁塗装で100万円程度、屋根の張替えも含めると150万円程度かかります。

マンション

購入時にはほぼ同じ立地条件であれば、戸建て住宅より低価格ですが、毎月、住宅ローンの他に、管理費、修繕積立金をマンションに支払わなくてはなりません。

さらに自動車を所有している場合には、駐車場料金もかかります。月極めの駐車場料金の相場は、中央区、港区で5万円~、千代田区、渋谷区では4万8千円~、渋谷区では4万5千円~、大東区では3万7千円~と続き、最も安い練馬区でも1万8千円以上かかります。区によっては、年間60万円以上駐車場の費用が発生します。

固定資産税

固定資産税は、土地評価額×1/6×1.4%と、建物評価額×1.4%で税額が決められます。つまり、土地より、建物に対しては税率が多くかかるので、単純に考えるとマンションの方が高額になります。

さらに、固定資産税は耐久年数に応じて納税期間が定められています。木造戸建ての場合、耐久年数は22年なので、22年後は土地に対する固定資産税だけが残りますが、マンションの場合は、鉄筋コンクリートの建物の耐久年数である47年間は、固定資産税を払い続けなくてはなりません。

減税・給付金・優遇措置

戸建てを購入する場合でも、住宅を購入する場合でも住宅ローン減税や、収入によってはすまい給付金を受けることができますが、戸建てで長期優良住宅にした場合、さらに優遇措置が受けられます。所得税の住宅ローン控除の限度額が増える、不動産取得税の控除額が増える、固定資産税が減額されるなどの措置です。

保険料

住宅を購入したら必ず加入しなくてはならない保険は火災保険と地震保険です。戸建ての木造住宅の場合、マンションより、火災のリスクが高いと評価されるので、年間2万円程度の保険料がかかります。マンションの火災保険料は年間約1万円程度です。

地震保険は地域と建物の構造によって異なります。東京都では、マンションなどのイ構造に分類される建物の地震保険料は保険金額1,000万円に対して、年間22,500円、木造住宅などのロ構造では、36,300円です。この額を35年間の保険料で考えると、マンションは、63,1000円、戸建ての木造住宅は1,018,000円で、387,000円もの差が出ます。

資産価値

将来的に住み替えを計画している場合には、資産価値が高い方が有利に住居を売却できますが、マンションと戸建て住宅ではどちらの資産価値が高いのでしょうか?

戸建て住宅

 

 

 

 

 

 

戸建て住宅の場合、建物の価値は20年でなくなると言われています。その為、昭和の時代に建てられ、資産価値を失った郊外の庭付き住宅が相続放棄されているケースも少なくありません。利便性の良い都心の暮らしを好む若い世代が多いからです。

しかし、都心の戸建てであれば、敷地の資産価値が下がることはありません。また、長期優良住宅であれば、築後20年経っても資産価値が下がることはなく、住み替えの際には、大きな損を出さずに売却できます。

マンション

千代田区、中央区、港区など、人気のある区のマンションは、中古になってもそれほど資産価値が下がることはありません。反対に購入価格が高沸することもあるくらいです。しかし一般的には、築年数が長くなるにつれて、資産価値は下がっていきます。

東日本不動産流通機構の2015年のデータでは、6年~10年の築年数では17%、その後1年ごとに4~8パーセントずつ売却価格が下がっています。その結果、30年以上経った時には築年数5年以下の時との価格差が61.37%にもなります。立地条件にもよりますが、戸建て住宅より資産価値は下がりやすいと言えます。ただし、戸建てに比べて売却しやすいという面もあります。

暮らしやすさに関する戸建て狭小住宅のデメリットは、設計、間取りの工夫で解決できます。マンションと戸建てを比較していた結果、せっかく住宅を購入するのであれば、戸建てにしたいというご希望があれば、いつでもご相談ください。

狭小敷地に建てる狭小住宅の施工例がたくさんございます。

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ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、暮らしやすい家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる施工例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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