家の中で最も面積の小さい場所ですが、トイレは、日常生活になくてはならない場所のひとつです。清潔で、居心地の良い空間であることはもちろんですが、その他にも様々な条件がトイレの使いやすさに影響します。
トイレを使う人にとっては、トイレが出入りしやすい場所にある、家族や来客に気を使わずに使える、いつでも入りたい時に入れるなどが、使いやすさに繋がります。
家族にとっては、トイレを使っている人がいても、音やニオイが気にならないことが、室内環境の良さに繋がります。そのようなトイレにする為に、考えておくべきことは何でしょうか?
家族の人数と暮らし方に合わせるトイレの位置と数
トイレの数と位置は、家族の人数と暮らし方によって変わってきます。例えば、夫婦だけの暮らしであれば、洗面所や浴室と一体化したトイレひとつで事足りるでしょう。将来、高齢になった時に備えて、寝室の横に配置しておくこともできます。でも、この夫婦に、来客が多い場合には、来客が使いやすい玄関のそばなどに、もう一つトイレだけのトイレが必要です。
家族が4人以上いる場合には、トイレが2つあった方が便利です。子供が小さいうちは、それほど必要性を感じないかもしれません。しかし、子供達が成長し、家族全員が、同じ時間帯に朝の支度をし、同じ時間帯家を出るというような暮らしでは、トイレを使いたい時間が重なってしまいます。
また、リビング階段のある間取りで、1階にトイレがある場合には、2階にいる家族が、リビングに来客がある時には、トイレに行けないというようなことにもなりかねません。
そのような場合も、寝室や子供部屋がある階に1つ、リビングがある階に1つというように、間取りに合わせてトイレが配置されていれば、いつでもトイレが使えます。1つは来客も使えて、日中家族が入りやすい位置にあるトイレ、もう一つは、来客があっても使えて、夜間や朝使いやし位置にあるトイレという考え方です。
反対に、生活の時間帯がずれている家族の場合には、就寝中の家族の睡眠を妨げないトイレの位置を考えなくてはなりません。看護師など夜勤のある仕事をしている家族がいたり、2世帯で親世代と子世帯の起床就寝時間が異なったりする場合です。このような場合、寝室の横にトイレがあると、排水音などで、睡眠を妨げてしまう恐れがあります。
家族構成も、暮らし方も、家族それぞれ違います。トイレは余った場所で…などと考えず、実際に暮らし始めた時のことを、具体的に考えて、自分たち家族の暮らしにあうトイレの位置にすることが大切です。
トイレの機種と付属設備の選び方
トイレには、組み合わせタイプ、一体型タイプ、タンクレスタイプがあります。
組み合わせタイプは、独立した便器、タンク、ウォッシュレットが組み合わされたトイレです。ウォッシュレットが故障したり、汚くなったりした時に、その部分だけ付け替えられるメリットがあります。ただし、一体型に比べると、形状が複雑なので、掃除がしにくいというマイナス点もあります。数年ごとに新しいウォッシュレットに替えたい人に向いています。
一体型タイプは、便器、タンク、ウォッシュレットが一体になっているトイレです。凹凸が少ないので掃除がしやすいことが、一体型タイプの一番の良さです。ただ、ウォッシュレットが故障してしまうと、上部を全て交換しなくてはならないことがあります。そうなってしまうと、修理の費用が嵩みます。また、便器とタンクの部分も陶器ではなく樹脂で作られています。最近は洗面台も樹脂が増えていますが、陶器が好きな方には、質感的に好まれないかもしれません。
タンクレスタイプは、便器とウォッシュレットだけのトイレです。凹凸が少ないので掃除がしやすいことに加えて、続けて水を流せるという良さがあります。家族の人数が多い場合、続けてトイレを使うと、タンクからの水が出なくなってしまうことがありますが、そのような心配がありません。ただし、水圧が低い場所では、正常に機能しないことがあるので、導入する場合には水圧のチェックが必要です。
デザインがすっきりしているので、トイレをおしゃれな空間にしたい人に、好まれるデザインです。また、タンク付きタイプの標準的なサイズは、幅45cm、奥行80cm、床→タンク100cm程度ですが、タンクレスの標準的なサイズは、便器の幅が40cm程度、奥行70cm、床→高さが55cm程度なので、あまり床面積を取れないトイレに、設置しやすいタイプです。
もう一つ、トイレのタイプで考えておきたいことは、手洗いの有無です。トイレが洗面所と隣接している場合、トイレに手洗いは必要ありません。特に小さな子供がいる場合、周りをびしょびしょにしてしまいます。洗面所と隣接していないトイレの場合、手洗い場には3つの方法があります。手洗いがついているトイレを選ぶ、トイレ内に独立した手洗い場を設置する、トイレの脇に手洗い場を作るという方法です。
トイレと一体になっている手洗いは、小さな子供には使いにくい、大人が使っても水撥ねするという問題点がありますが、独立した手洗いより、スペースを倹約できます。
独立した洗面台は、スペースは余分に使ってしまいますが、手が洗いやすく、石鹸も置けます。玄関のそばや子供部屋や寝室のそばにあるトイレの場合、その脇に手洗いを作ると、手洗いとしてだけも利用できるので便利です。帰宅した時の手洗いや、うがいができるからです。生活感のある洗面所には、来客を通したくない場合にも、玄関の近くのトイレと脇にある手洗い場を、お客様に使っていただけます。
トイレの内装と掃除のしやすさ
壁紙や床材には、居心地の良い雰囲気を作るという目的がありますが、その他にも、掃除のしやすさ、汚れにくさ、臭いにつきにくさも大切な要素です。特にトイレは、手洗いで、床に水撥ねしたり、壁に臭いが付いたりしやすい場所です。
トイレには、水に濡れても、沁み込まない床材を使う必要があります。また、素材そのものが水を吸い込まなくても、目地部分には汚れが溜まるので、目地の少ない素材が理想的です。水が沁み込まない素材には、クッションフロア、トイレ用フローロング、タイルがあります。クッションフロアは、継ぎ目なく施工できるので、理想的なトイレの床材です。木目調やタイル調など、バリエーションも豊富なのですが、質感が好きになれない人もいるでしょう。
その場合には、フローリングやセラミックタイルがあります。フローリングは、リビングに使うフローリングとは違い、トイレには、水に強い塗装が施された専用のフローリング材があります。また、全体的にフローリングにし、便器の周辺だけ、フローリングの色に合わせたセラミックタイルにするという方法もあります。タイルの質感がお好みであれば、目地を減らせるよう、大型のセラミックタイルが向いています。陶器でできているセラミックタイルは、水が沁み込まないだけではなく、キズが付きにくいので、家庭用洗剤を使った簡単な拭き掃除で、きれいな状態を保てます。トイレ用タイルの中には、抗菌効果と消臭効果を発揮するように加工されているタイプもあります。
壁の素材には、紙クロス、織物クロス、ビニールクロス、セラミックパネルなどがあります。汚れにくく、掃除がしやすい素材は、ビニールクロスやセラミックパネルです。紙クロスや繊維クロスの中には、防カビ、防汚、抗菌、防臭などの機能壁紙もあります。壁は、床ほど汚れませんが、臭いは蓄積してしまうので、防臭、消臭機能のあるタイプがおすすめです。
トイレは、毎日の生活で必ず使う場所です。
トイレの機種と、内装を選んで、清潔で居心地の良い空間にしてください。
ホープスの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
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