家を建てる費用に糸目をつけないという場合、東京に家を建てることは、難しくありません。
ただ、多くの人は、限られた予算内で家を建てます。利便性を優先する人は、戸建てをあきらめて、都内のマンション購入を考えるかもしれません。しかし、現在、都心部のマンションの価格は高騰しています。東京オリンピックまで、この流れは変わらないだろうと言われています。区によっては、中古でさえ、新築時より高額な価格で売却できるケースがあるほどです。
戸建ての暮らしやすさを優先する人は、通勤圏内にある郊外の戸建て購入を考えるかもしれません。ただし、通勤や通学、買い物の利便性、学校や習い事の選択肢の多さなどは、都内と暮らしとは変わります。それを考えると、都心部で暮らし続けてきた人の中には、郊外での暮らしに踏み切れない人も多いでしょう。そこで、選択肢に上がるのが、狭小住宅です。
東京の土地の相場は、隣接する神奈川県や埼玉県、千葉県に比べても、非常に高額です。しかし、狭小地であれば、坪数が少ないので、その分土地の価格は抑えられます。加えて、変形地や旗竿地などであれば、同じ区であっても、相場価格より、低価格で購入できます。
東京の土地の相場
2019年の東京の地価平均は、109万6445円/坪です。最も地価が高額な区は中央区766.3 万円/坪、2番目が千代田区553.2 万円/坪です。家を建てたい人に、人気の高い港区は549.8万円 / 坪、世田谷区は、240.5万円 / 坪です。
港区は、企業のビルが立ち並ぶオフィス街や、数多くの駐日大使館、洗練された店舗が人気を集めるスポットなどと並んで、昔からの住人が多い、閑静な住宅街もあります。利便性に加えて、街並みが整っていること、美術館や、公園が多いことも人気の理由でしょう。学力の高い公立校が多く、私立も含めて、中高一貫校も数多くあります。
交通の面では、JR山手線の新橋駅から品川駅までの各駅、東京メトロ銀座線の表参道から虎ノ門までの各駅、丸ノ内線の赤坂見附駅、日比谷線の広尾から神谷町までの3駅、千代田線の表参道駅から赤坂駅までの3駅、半蔵門線の表参道駅と青山一丁目駅、南北線の白金台から六本木一丁目までの各駅があります。都営地下鉄では、都営浅草線の高輪台駅から大門までの各駅、都営三田線の白金台駅から御成門駅までの各駅、都営大江戸線の青山一丁目駅から汐留駅までの各駅があります。この他にも、ゆりかもめ、東京モノレールなどの駅があり、運行数も多いので、短時間で様々な場所に移動できます。
SUUMOの土地情報サイトでの物件を見てみると、港区で田町駅から徒歩10分の位置にある67.92坪の土地の価格は、3億4500万円です。乃木坂駅から徒歩4分の位置にある35.5坪の土地の価格は、2億2800万円、外苑前駅から徒歩7分の位置にある26坪の土地の価格は、1億4900万円です。広尾駅から徒歩12分の位置にある13坪の土地の価格は、8500万円です。
世田谷区は、大田区に次いで、東京23区の中で最も面積の広い区ですが、都内で最も人口が多く、住宅が密集している地域です。全体的に公園や緑の多い区ですが、広いだけあって、世田谷区の中には、様々な特徴を持った地域があります。成城、深沢、等々力などの高級住宅地、商業施設や劇場が多く、若者が集まる下北沢や三軒茶屋、再開発で人気スポットになった二子多摩川などの、有名な地域もあります。大学のキャンパス、中高一貫の国立高校を初めとして、公立私立とも、学校の選択肢は豊富です。
世田谷区内では、バスが数多く運行されていますが、道路の状況が良くないので、渋滞に巻き込まれることが多いです。鉄道は、京王線の代田橋駅から千歳烏山駅までの各駅、井の頭線の池ノ上駅から明大前駅までの各駅、東急世田谷線の三軒茶屋から下高井戸駅までの各駅、東急田園都市線の池尻大橋駅から、二子玉川駅までの各駅、東急大井町線の九品仏駅から二子玉川駅までの各駅、東急目黒線の奥沢駅、小田急小田原線の東北沢駅から北見駅までの各駅があります。
SUUMOの土地情報サイトでの物件を見てみると、小田急線の成城学園前から徒歩23分の位置にある43坪の土地の価格は8200万円です。小田急線の豪徳寺駅から徒歩9分、世田谷線宮之阪駅から徒歩2分の位置にある91坪の変形旗竿地の価格は、7000万円です。小田急線の東北沢駅から徒歩1分の位置にある12坪の土地は5760万円、京王線の千歳烏山から徒歩17分の20.24坪の旗竿地は、古家付きで1980万円です。このように、駅、駅からの距離、土地の形、すぐ建築できる更地状態の土地と、古家を壊さなくてはならない土地など、条件によって、同じ世田谷区内でも、土地の価格は大きく変わります。
東京での建築費の相場
建築費は、住宅のグレードと、立地条件によって変わってくるため、一概に数字が出るものではありません。ただ、東京に狭小住宅を建てる場合、そのどちらも、建築費が嵩む要因を含んでいます。
建築費を高額にする住宅のグレードに関わる要素
耐火 東京では、多くの地域が防火地域、準防火地域に指定されています。防火地域、準防火地域に住宅を建てる場合、耐火構造に対する基準を満たさなくてはなりません。
耐震性・断熱性 住宅が密集している地域に建てる狭小住宅は、耐震性能と断熱性能を、通常の住宅より高める必要があります。
周囲を他の住宅やマンションに囲まれていても、日当たりと風通しを良くする為に取り入れるスキップフロアや吹き抜け、庭に駐車スペースをとれなくても、自宅に駐車する為のビルトインガレージなどは、すべて通常の建築方法では、十分な耐震性を確保できません。その為、高い耐震性能を持たせなくてはいけません。
また、スキップフロアや吹き抜けは、壁や床が減る分、家の中の空間が繋がります。その結果、冷暖房の効率が低下し、夏暑く冬寒い家になってしまう恐れがあります。スキップフロアや吹き抜けがあっても、冷暖房の効率が良い家にする為には、断熱性能を高める必要があります。
立地条件 狭小地は、道路に面している間口が狭い土地がほとんどです。特に旗竿地と言われる土地では、工事の為の車両が、建築現場まで乗り入れられないこともあります。その結果、職人さんの手作業に頼ることになり時間がかかる、隣家との距離が近く足場が組めない為、クレーンなどの特殊な手段をとる、敷地内に資材の仮置き場を作れない為、近隣の土地を借りるなどが必要になることがあります。
このような要因によって、郊外型の住宅と比較すると、建築費が割高になってしまいます。
暮らし始めてから起こりやすい問題点
東京は、土地が高い上に、建築費も嵩むので、家を建てるには高額な費用がかかります。土地の価格を抑えたければ、駅から遠い、希望の駅ではなくなるといったマイナス要因を受け入れざるをえません。その為、土地選びは譲れないとなると、建築費を抑える方向で考える人もいるかもしれません。
建築費を抑える方法には、外観も間取りもシンプルにするといった方法がありますが、それ以外に住宅の性能を標準的にする、建材のグレードを落とすという方法がとられることもあります。
もし、この方法を取った場合、暮らし始めてから、様々な問題がおこります。冷暖房の効きが悪く、室内の温度が快適に保てない、その結果、光熱費が嵩むというような状況です。また、シンプルな形状の箱型の家で、建材の質を落とせば、注文住宅とは思えないようなチープな印象の家になってしまいます。
狭小住宅で快適に暮らすためには、高い住宅性能を備えた家にしなくてはなりません。また、箱型の形状のシンプルな家であっても、グレードの高い建材を使い、優れたデザイン性を持つ外観にすることで、洗練された狭小住宅が完成します。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。