自分の家を持つ為には、主に2種類の選択肢があります。都心部に住むか、郊外に住むかという地域的な選択、戸建て住宅に住むか、マンションに住むかという住宅の形態に対する選択です。予算が限りなくあれば、都心部にゆったりした戸建て住宅が建てられるでしょう。しかし、ほとんどの人は、限られた予算内で家を建てなくてはなりません。

東京都内で土地を購入し、30坪程度の住宅を建てる場合のおおよその平均価格は約5,000万円です。ただし、区によって大きな差があり、港区では億単位、目黒区や渋谷区でも、5,000万円台では手が出ません。一方、土地付き住宅の近年の平均購入価格はおよそ3500万円程度です。それを考え合わせると、一般的な年収で、都心に30坪程度の戸建て住宅を建てることは経済的に大きな負担になってしまい、難しいということがわかります。このような状況下において、予算内で家を建てるためには、郊外の戸建て住宅、又は都心部のマンションが候補に挙がります。

利便性を優先する人にとっては、都内のマンション、戸建ての家を優先する人にとっては郊外の戸建て住宅という選択肢です。しかし、ここ数年は、都内のマンションの価格は高騰しており、区によっては新築で購入した時より高値になっているケースもあるほどです。この傾向は東京オリンピックまで続くとも言われています。利便性も戸建て住宅も譲れない、又は、住みたい地域のマンションの価格が高騰しているという人にとっては、予算内で利便性と戸建て住宅がどちらも手に入る狭小住宅の人気が高まっているのです。その結果、ここ数年都心部で増え続けている狭小住宅ですが、具体的にはどのような住宅なのでしょうか?

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狭小住宅の魅力

狭小住宅には、具体的な定義があるわけではありませんが、一般的に15坪以下の狭小敷地に建築される住宅を指します、その狭小住宅の一番の魅力は、利便性です。郊外での暮らしには、郊外の暮らしの良さがありますが、都心部の暮らしにはそれとは違った良さがあります。

狭小住宅の魅力 利便性
通勤通学にかける時間が少なくなるので、自分の時間が増えます。車がなくても日常の買い物ができることや、外食する場所が数多くあることなど共働きの夫婦でも便利に暮らせる条件が揃っています。公立学校の学習レベルが高い区が多い、子供に専門的な習い事をさせたい場合の選択肢が多いなど、子供の教育に関しても良い面が多々あります。さらに、医療機関が多いことも、暮らしの安心に繋がります。

狭小住宅の魅力 資産価値
もう一つの狭小住宅の魅力は資産価値の高さです。長年良いコンデイションを維持できる高性能な家を建てれば、資産価値が下がることはありません。郊外の戸建て住宅の場合、子供が相続をしない為、空き家問題が起きています。この問題は、更地にしないと売れない、更地にする為には、土地を売却する以上の費用がかかるといった事情から、子世代が相続しないことが原因です。資産価値が下がらなければ、このような問題は起こりません。

都心部の土地は土地価格が急落するようなことはありません。三世代に渡って安全に快適に暮らせる家を建てれば、都心の狭小住宅は高い資産価値を維持できます。ライフスタイルの変化があった時に売却する場合にも、有利な条件で住み替え、買い替えができます。

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狭小住宅を建てる前に知っておくべきこと

 

 

 

 

 

 

狭小住宅は、狭小な敷地に建てる家です。狭小な敷地に建てる狭小な家での暮らしにはどのようなことがおこるのでしょうか?

昼間から薄暗い家になるかもしれない
狭小住宅では、十分な居住面積を確保する為に縦に細長い住宅3階建ての住宅になることが多くあります。周囲が開けた土地にぽつんと立つ3階建ての家であれば、1階と2階にも日が当たることでしょう。しかし、周囲を住宅やマンションに囲まれている都心の狭小住宅では、十分な採光ができなくなってしまう恐れがあります。その為、狭小住宅の設計には、吹き抜けや大開口を取り入れて、どの階にも十分な光と風が行き届くような工夫がされます。

道路からの騒音や隣家の生活音に悩まされるかもしれない
狭小住宅では、郊外の住宅街ほど隣家や道路との距離がありません。その為、隣家の生活音が気になったり、道路からの騒音で睡眠が妨害されたりする恐れがあります。反対に、自分の家のペットの鳴き声や、入浴の音などが気になり,神経質になってしまうかもしれません。このような事態を防ぐ為には、防音機能のある窓を取り入れる、防音性の高い外壁塗料を使うなどの工夫がされます。

外部の視線が気になって窓を開けられないかもしれない
日当たりと風通しのためには窓が必要です。しかし、周囲の家や道路との位置関係によっては、外部からの視線があり、プライバシーが守れなくなってしまう恐れがあります。その為、トップライトやハイサイドライトなど、周辺の状況と調和する窓が取り入れられます。

家事負担が増すかもしれない
3階建て住宅の場合、洗濯機の場所と洗濯物を干す場所が違うフロアになってしまうと、洗濯物を持って階段を昇り降りしなくてはなりません。キッチンが2階、又は3階にあると、重い食料品をもって毎日階段を上らなくてはならない、子供部屋が3階にあり1階に浴室があると、子供の入浴準備のため、1階と3階を往復しなくてはならないなど、家事負担が増してしまう恐れがあります。その為、洗濯機と洗濯物を干す場所を同じフロアにする、脱衣所に子供のパジャマや下着をしまう収納スペースを作る、玄関のそばに食料品の仮置きができるスペースを作るなど、家事動線を考慮した間取りが工夫されます。

圧迫感のある空間になるかもしれない
縦に細長い狭小住宅で、間仕切壁をたくさん作ると狭苦しく、圧迫感のある空間になってしまう恐れがあります。その為、狭小住宅ではできるだけ間仕切壁を使わずに空間を区切るスキップフロアを取り入れます。スキップフロアとは、中2階、中3階を作る設計の手法です。間仕切壁を無くすと、空間が広がり開放的な空間を作れることに加えて、日当たりや風通しも良くなります。

収納スペースは十分に確保できないかもしれない
限られた床面積の中で、収納スペースに面積をとられてしまうと、居室の面積が減ってしまいます。その為、狭小住宅では、壁面やデッドスペースを利用して収納スペースを作ります。収納スペースで大事なことは、数の多さではなく、家族の生活動線に合う場所に、ちょうど良いサイズの収納スペースがあるということです。必要最小限で使い勝手の良い数のスペースを作れば、効率よく収納することができます。

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暮らしやすい狭小住宅を実現するポイント

狭小住宅の快適性を維持する為に取り入れられる吹き抜けや大開口、スキップフロアなどは、どれも地震に弱い家になるかもしれないというリスクを持っています。その為、暮らしやすく安全な狭小住宅にする為には、高い耐震性を持っている住宅であることが絶対的な条件です。
そして吹き抜けやスキップフロアには、冷暖房の効率を低下させるというリスクもあります。間仕切りや床が少ない分、冷房の涼しい空気や、暖房の暖かい空気が拡散してしまうからです。その為、季節に応じた室内環境を調えられる高い断熱性を持っている住宅であるということも大切なポイントです。
暮らしやすい狭小住宅を実現するポイントは、狭さと居住環境の悪さを克服する設計の手法と、それを支える住宅の性能です。

HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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