漆喰とアレルギーの関係性!症状や原因、対策を徹底解説

自然素材の温もりと、健康的な暮らしへの憧れ。
それは、家づくりを考える多くの人々の願いです。
特に、アレルギー症状に悩む方や、お子さんの健康を第一に考えるご家庭にとって、建材選びは大きな関心事となるでしょう。
近年、注目を集める自然素材「漆喰」は、その高い調湿性や抗菌性から、アレルギー対策にも有効と期待されていますが、一方で「漆喰アレルギー」という言葉も耳にすることがあります。
本当に漆喰は安全なのでしょうか。この記事では、漆喰とアレルギーの関係性について、深く掘り下げて解説します。
アレルギー症状に悩む方、そして安心安全な家づくりを目指される方にとって、役立つ情報となることを願っています。

漆喰とアレルギーの関係:本当に安全?

漆喰は、古くから日本の伝統的な建築材料として親しまれてきた自然素材です。
その主成分は消石灰で、空気中の二酸化炭素と反応して固まる性質を持っています。
この反応によって、漆喰は非常に硬く、耐久性に優れた素材となる一方、多孔質の構造を持つため、調湿効果や空気浄化効果も期待できます。
こうした特性から、近年ではアレルギー対策にも有効な素材として注目されています。

1: 漆喰そのもののアレルギーリスク

漆喰そのものがアレルギーの原因となるケースは非常に稀です。
しかし、注意が必要なのは、漆喰の製造工程や施工方法、そして添加物です。
良質な漆喰を選ぶためには、原材料や製造工程について十分な情報を得ることが大切です。
例えば、化学物質が混入されていないか、製造工程でどのような処理がされているかなど、製造元の情報をしっかり確認するようにしましょう。

2: 添加物によるアレルギーリスク

漆喰には、強度を高めたり、作業性を向上させるための添加物が含まれる場合があります。
これらの添加物の中には、アレルギー反応を引き起こす可能性のある物質が含まれているケースも存在します。
アレルギー症状をお持ちの方は、添加物が含まれていない、もしくは低添加物の漆喰を選ぶことを強くおすすめします。
成分表示をしっかり確認し、疑問点があれば製造元に問い合わせてみるのも良いでしょう。

3: 漆喰によるアレルギー軽減効果の可能性

一方で、漆喰がアレルギー症状を軽減する可能性についても注目されています。
漆喰の持つ高い調湿効果は、空気を清潔に保ち、ダニやカビの繁殖を抑える効果があります。
ダニやカビはアレルギーの原因となる物質を放出するため、それらの繁殖を抑えることは、アレルギー症状の軽減に繋がる可能性があるのです。
さらに、漆喰の持つアルカリ性も、細菌やウイルス増殖を抑える効果があるとされています。

漆喰アレルギーの症状と原因:正しく理解して安心を

漆喰アレルギーと一口に言っても、その症状は人それぞれです。
アレルギー反応は、体質や接触する漆喰の種類、量によって大きく異なります。

1: 皮膚症状

最も一般的な症状は皮膚炎です。
赤みや痒み、発疹、腫れなどが起こり、重症の場合は水ぶくれやただれを伴うこともあります。
接触性皮膚炎が疑われる場合は、皮膚科医への受診が重要です。

2: 呼吸器症状

漆喰の粉塵を吸い込むことで、咳や鼻水、くしゃみ、呼吸困難などの症状が現れる可能性があります。
特に、施工現場では粉塵が多く発生するため、マスク着用などの対策が不可欠です。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの既往歴がある方は、特に注意が必要です。

3: その他の症状

目のかゆみ、充血、涙目などの結膜炎や、頭痛、吐き気、倦怠感などの全身症状が現れるケースも報告されています。
これらの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

4: アレルギー反応の原因物質

漆喰アレルギーの原因となる物質は様々ですが、添加物、カビ、ダニなどが挙げられます。
特に、古い漆喰や施工不良の漆喰には、カビやダニが繁殖している可能性があるため、注意が必要です。
また、施工時に使用する接着剤や塗料なども、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

漆喰を選ぶ際のポイント:アレルギー対策と快適な住まいづくり

アレルギー症状に配慮した漆喰選びは、安心安全な住まいを実現するための重要なステップです。

1: 原材料の確認

まず、漆喰の主成分である消石灰の品質を確認しましょう。
純度が高く、不純物が少ない消石灰を使用しているかを確認することが重要です。
また、添加物の種類と量も確認し、アレルギー症状を引き起こす可能性のある物質が含まれていないかを確認しましょう。

2: 施工業者選び

熟練した施工業者を選ぶことも重要です。
適切な施工が行われなければ、漆喰の性能が十分に発揮されないだけでなく、カビやダニの繁殖リスクも高まります。
施工業者の実績や経験、そしてアレルギー対応に関する知識などを確認しましょう。

3: 施工後のメンテナンス

漆喰は、適切なメンテナンスを行うことで、その性能を長く維持することができます。
定期的な清掃や、必要に応じた補修を行うことで、カビやダニの発生を防ぎ、アレルギー症状のリスクを低減できます。

4: チェックリスト

安心して漆喰を使用するためのチェックリストを作成し、一つずつ確認していくことがおすすめです。
例えば、「原材料の確認」、「添加物の確認」、「施工業者の確認」、「施工方法の確認」、「メンテナンス方法の確認」など、項目を明確に設定し、一つずつチェックしていくことで、より安全な漆喰選びが可能になります。

まとめ

この記事では、漆喰とアレルギーの関係性について、その安全性、アレルギー症状、選び方、そして対策について解説しました。
漆喰そのものがアレルギーの原因となることは稀ですが、添加物や施工方法、そしてメンテナンスの状況によっては、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
アレルギー症状に悩む方は、原材料や添加物、施工業者などを慎重に吟味し、安全性の高い漆喰を選び、適切な施工とメンテナンスを行うことで、安心して漆喰を使用できるでしょう。
健康的な住まいづくりを目指す上で、漆喰は魅力的な選択肢となる一方で、正しい知識と注意深い選択が不可欠です。
アレルギーに関する不安を解消し、快適な住空間を実現するために、この記事が皆様の参考になれば幸いです。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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