清野廣道の家づくり ちょっと世間話・狭小住宅で役立つ収納アイデアとは?
狭小住宅で家具などの配置や使い勝手などを見直す場合、あるいは家を建て替えたり改築したりする場合に注意すべき共通点は、市販の収納家具などはできるだけ少なくするということにつきます。
洋服ダンスはもちろんのこと、キッチン周りの収納用具や本箱などの小物に至るまで全般について言えることです。でも現実問題として、洋服はあるし、キッチン用品や書籍もあり、いくら断捨離といっても限度があるので、これらを何とかしなければならないことは確かと言えます。
そこで登場するのが、現場体験が豊富な専門家ならではの収納アイデアとなります。
まずは押し入れの工夫ということになります。布団や大きな品物を入れておくことに使うことがほとんどですが、布団はともかくとしてその他のものはほとんど動かないことが多いことに着目します。そうなると布団とその他を区分けするというアイデアが浮かびます。押し入れ間口は一間がほとんどですが、使い勝手がちょっと悪いということが誰しもが思うところです。布団は90センチくらいですが、1メートルくらいないと運搬がスムーズにいきません。そのことを考慮すると、押し入れは1メートルと80センチで二つに区切るということに思い浮かびます。
80センチのところは洋服ダンスとして使えるように改良すれば一挙両得です。洋服の下もかなりの空間があるので収納スペースにも使えます。布団のスペースは二段組みにすれば有効活用できますし、家族数によっては三段組にするという手もあるのです。布団を重ねた場合上部に空間ができるので、これをも利用してしまうことになります。
キッチン用品なども少し工夫すると収納家具を減らせます。一番見落としがちなのは二階へ上がる階段下ですが、そこは上手に設計すると、思った以上の収納スペースが確保できます。階段のどちらか一方からは扉などで開けるようにできるので、もったいなくしないことです。そして特にキッチンでは床下収納がおすすめになります。温度も比較的低いので貯蔵するにも適しているからです。収納部分の囲いをキチンとして、床に扉さえつければ立派な収納スペースに生まれ変わります。
もう一つの注目点は壁です。通常壁の中は空洞部分が多いので、これを利用しない手はありません。廊下の横の壁などは、小物入れや飾り棚として使うことが容易にできます。デザインを工夫すれば、そこ自体が素敵でおしゃれな通り道という感じにもなるのです。また、トイレの壁も何もしないともったいない空間ですが、少し手を入れれば、トイレットペーパーの予備置き場にもなり、下方であればトイレ掃除の用品などを収納する場所にもなります。