漆喰仕上げをツルツルにしたいならどうする?

漆喰は、古来より日本家屋の外壁や内壁に用いられてきた伝統的な素材です。
近年では、その自然素材ならではの風合いと機能性から、再び注目を集めています。

しかし、ツルツルな漆喰仕上げを実現するには、いくつかの方法があり、DIYで仕上げる場合とプロに依頼する場合では、メリット・デメリットが異なります。
この記事では、漆喰仕上げの基礎知識から、ツルツルな仕上がりを実現するための方法、DIYとプロ依頼の比較までご紹介します。

□漆喰が塗れる場所とは?

漆喰は、消石灰を主成分とした自然素材の壁材です。
独特の風合いと、調湿効果や消臭効果などの優れた機能性から、近年人気が高まっています。
特に、ツルツルに仕上げた漆喰壁は、高級感があり、スタイリッシュな空間を演出できます。

しかし、漆喰を塗る場所や下地によっては、適切な施工が必要となる場合もあります。
そこで、ここでは漆喰を塗ることができる場所と、それぞれの施工上の注意点についてご紹介します。

1:石膏ボードへの施工
石膏ボードは、住宅の内壁や天井に広く用いられる建材です。
石膏ボードに漆喰を塗る場合は、下地処理が重要です。
石膏ボードの継ぎ目には、メッシュテープを貼り、パテで処理する必要があります。
この処理を怠ると、漆喰がひび割れる原因となるため、注意が必要です。

2:ビニールクロスへの施工
リフォームなどで、既存のビニールクロスの上に漆喰を塗るケースがあります。
ビニールクロスは、吸水性が低いため、漆喰が剥がれやすくなることがあります。
そのため、下地処理として、ビニールクロスを剥がすか、密着性を高めるための処理を行う必要があります。

3:合板への施工
合板は、木材を薄く貼り合わせて作られた板材です。
家具や建具、内装材など、幅広い用途に使用されています。
合板に漆喰を塗る場合は、表面をサンディングして、凹凸をなくす必要があります。
また、合板の種類によっては、漆喰との相性が悪い場合もあるため、事前に確認が必要です。

4:コンクリートへの施工
コンクリートは、耐久性が高く、建築構造材として広く用いられています。
コンクリートに漆喰を塗る場合は、下地処理として、表面を清掃しする必要があります。

5:ブロック塀への施工
ブロック塀は、外壁や塀などに用いられる一般的な構造物です。
ブロック塀に漆喰を塗る場合は、下地処理として、表面を整える必要があります。

6:モルタルへの施工
モルタルに漆喰を塗る場合は、コンクリートやブロック塀のように表面を清掃し、凹凸をなくす必要があります。

7:土壁への施工
土壁に漆喰を塗る場合は、下地処理として、表面を清掃し、固めが必要です。
また、土壁は、吸水性が高いので、漆喰が吸い込まれてしまうことがあります。

□ツルツルな漆喰仕上げを実現する方法

漆喰仕上げには、ザラザラした「本漆喰仕上げ」やツルツルな「漆喰磨き仕上げ」など、さまざまな種類があります。
それぞれの仕上げ方によって、見た目の印象や機能性が大きく異なります。

1:本漆喰仕上げ
本漆喰仕上げは、消石灰を主成分とした漆喰をそのまま塗り、乾燥させた仕上げ方です。
ザラザラとした自然な風合いが特徴で、素朴で温かみのある空間を演出できます。

2:漆喰磨き仕上げ
漆喰磨き仕上げは、本漆喰仕上げをさらに磨き上げた仕上げ方です。
ツルツルとした滑らかな表面が特徴で、高級感があり、スタイリッシュな空間を演出できます。
漆喰磨き仕上げは、熟練の職人の技が必要とされるため、DIYでは難しい場合があります。

 

□DIYとプロへの依頼はどちらが適している?

ツルツルな漆喰仕上げを実現するには、DIYとプロへの依頼のどちらが適しているのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、皆様にとって最適な選択肢を選びましょう。

1:DIYのメリット
DIYの最大のメリットは、費用を抑えられることです。
プロに依頼するよりも、費用を削減できます。
また、自分で施工することで、愛着のある空間を作れます。

2:DIYのデメリット
DIYのデメリットは、手間と時間がかかることです。
下地処理や仕上げなど、すべての工程を自分で行う必要があります。
また、技術や経験が必要で、仕上がりはプロに依頼した場合よりも劣る可能性があります。

3:プロへの依頼のメリット
プロへの依頼のメリットは、仕上がりが綺麗で、品質が高いことです。
熟練の職人が施工を行うため、DIYでは実現できないような、美しい仕上がりを実現できます。
また、専門知識に基づいた適切な施工を行うため、安心して任せられます。

4:プロへの依頼のデメリット
プロへの依頼のデメリットは、費用が高いことです。
DIYに比べて、費用がかかります。
また、プロのスケジュールに合わせなければならず、希望通りの日に施工できない場合があります。

□まとめ

この記事では、漆喰仕上げのメリットや種類、ツルツルに仕上げるための方法、DIYとプロへの依頼の比較について解説しました。
漆喰仕上げは、自然素材ならではの風合いと機能性を持ち、空間を美しく、快適に演出するのに最適な選択肢です。
ツルツルな漆喰仕上げを実現するには、DIYとプロへの依頼のどちらが適しているのか、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、皆様の状況に合わせて最適な選択をするようにしましょう。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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