狭小住宅を3階建にするメリットとデメリットをご紹介!

狭小住宅を検討している方の中には、3階建てを考えている方も多いでしょう。
3階建ては限られた土地面積を有効活用できて魅力的ですよね。
しかし、実際にはメリットもあればデメリットもあります。
そこで今回は、3階建て住宅のメリットやデメリット、注意点をご紹介します。


【3階建て住宅のメリットとは?】
3階建て住宅のメリットを5つご紹介します。

1つ目は、土地の有効活用ができることです。
同じ土地の面積でも、居住スペースが1階分広くなるため、より多くの部屋数を確保できるでしょう。

2つ目は、周りの建物よりも高さが高くなるため、日当たりや風当たりが良いことです。
しかし、立地や近隣住宅にもよるため、あらかじめ確認しておきましょう。

3つ目は、ガレージや店舗を持てることです。
狭小住宅の場合は、土地が狭い傾向があるため、駐車場に頭を悩ます方が多いでしょう。
しかし、3階建てにすることで、十分な居住スペースを確保しつつガレージを作れます。
また、店舗を持ちたいと考えている方にも3階建てはおすすめです。

4つ目のメリットは、入ってくる虫が少ないことです。
1階に比べて3階の高さを飛んでいる虫は少なく、室内に虫が入ってくることを心配せずに窓を開けられるのは嬉しいですよね。

5つ目は、階数が多い分、生活機能を階ごとに細かく分けられることです。
それにより、共有スペースとプライベート空間のメリハリがつくでしょう。


【3階建て住宅のデメリットとは?】
3階建て住宅にはいくつかのデメリットがあります。

最初のデメリットは、3階建て住宅の家事導線には無駄が生まれやすいことです。
3階建ての狭小住宅は、家の要素が違う階に効率よく詰め込まれています。
そのため、洗濯する階と洗濯物を干す階が違うこともあるでしょう。
その場合、洗濯物を抱えて階段を行き来するのは大変かもしれません。

生活の中で慣れる方もいらっしゃるでしょうが、時間や手間を省きたい方は洗濯乾燥機や布団乾燥機を検討しても良いでしょう。

そして、2つの目のデメリットは大型家電や家具の搬入が大変なことです。
3階建ての2階にキッチンやリビングがある場合、大型の家電や家具を運び入れるのには重労働が伴います。
搬入する動線や家具によっては、運び入れるのが不可能なこともあり、ロープやクレーン車で上階に引き上げる必要があるかもしれません。
特に、ピアノや冷蔵庫を運び入れる可能性がある方は、あらかじめ動線を確認しておきましょう。

また、家具は組み立てられるタイプのものを購入すると、大がかりな搬入の必要もなく、不必要になったら解体できるため便利です。

3つ目のデメリットは、冷房効率の悪さです。
エアコンは基本的にマンションより木造の戸建ての方が効きにくいですが、3階建てだとより効率が悪いでしょう。
3階建て住宅でエアコンの効きが悪い理由は、坪数が少ないがゆえに4面のうち2面が外壁に面している部屋がほとんどだからです。
それにより、部屋が外気温の影響を受けやすくなります。

また暖かい空気は上にいくため、1階は比較的寒く、3階は暖かくなるでしょう。

4つ目のデメリットは、エアコンの取り付け額が高額になる可能性があることです。
ベランダがなく、室外機が外に配置できない3階の部屋にエアコンを設置する場合、エアコンの設置費用が高くなるかもしれません。

そして、最後のデメリットは体が衰えた時に体力的な問題が発生することです。
今後何十年も3階建て住宅に住む予定の方は、心配な問題ではないでしょうか。
歳を重ねていく中で、3階部分を居住スペース以外のことに使うなどの工夫も検討してみてください。

また、予算に余裕がある場合はエレベーターの設置を検討しても良いでしょう。
建築時には必要なくても、今後設置を考えている場合は、設計の段階で将来どこにエレベーターを設置するかまで考えておくのが賢明です。


【3階建て住宅を建てる際の注意点とは?】
3階建て住宅を建てる時の注意点をここでは3つご紹介します。

*非常用出入り口を設置する

建築基準法で定められている通り、3階以上の建物には非常用出入り口を設置する必要があります。
これは、火災時に外部から建物内に入りやすくするためです。

*耐震性を確認する

3階建て住宅では1階にかかる重量が大きいため、より強度のある構造が必要です。
建物自体が揺れやすこともあるため、設計や施工の段階で耐震性を確認しておきましょう。
また、完成後に気をつけるポイントは、3階部分にピアノや重い家具をなるべく置かないことです。

*周囲の家への配慮をする

3階建て住宅は周囲の2階建て住宅よりもどうしても高さが高くなります。
建築基準法で定められている容積率の制限や高さの限度、日影制限を守るのはもちろんのこと、近隣住民の日当たりや視界まで配慮することが重要です。


【まとめ】

狭小住宅を3階建てにするメリットとデメリットをご紹介しました。
土地を最大限活用できる3階建てですが、住む上ではデメリットもあります。
それを踏まえた上で、3階建ての狭小住宅を検討される方は、本記事で紹介した建築する際の注意点を参考にしてみてください。

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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