狭小住宅でできる工夫とは?詳しく解説します!

「狭小住宅でできる工夫には何があるのかな」
「狭小住宅が魅力的である理由を知りたい」
このような悩みをお持ちの方は多いでしょう。
そこで今回は、狭小住宅でできる工夫と魅力的である理由をご紹介します。
失敗しないためのポイントも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

□そもそも狭小住宅の定義とは?


ここからは、そもそも狭小住宅の定義とは何か解説します。

狭小住宅とは、その名のとおり「狭くて」「小さな」土地に建てられる住宅を指します。
実は狭小住宅について、明確な定義はないのですが、おおよそ15坪(50平方メートル)以下の土地に建てられる住宅のことを言います。
日本では住むことができる土地が国土30%以下とも言われています。
そうしたこともあり、三角土地といった、住宅を建てるにはあまり適さない土地に家を建てるケースもあるのです。

都市部の利便性が高く、地価も高いエリアでも狭い土地や変形地は安めの価格で売りに出されていることがあります。
そうした土地を上手く生かした、「オシャレで利便性の良い暮らしを実現する」といった考え方が、都心部にマイホームを持ちたい人達の間で広がっているのです。

□狭小住宅で失敗しないために押さえておきたいポイントをご紹介!


ここからは、狭小住宅で失敗をしないために、押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

1、隣の家が近いことから防音対策が必須であること

住宅が密集しているエリアに家を建てると、少なくとも2つの面、多い場合には4つの面が他の家と隣同士になりますので、防音対策が必須です。
お隣の音が響いてくることを防ぐだけでなく、自分の家から出る音を遮断することにも気を遣う必要があります。
特に、お子さんが小さい場合やお子さんの人数が多い場合にはどれほど気をつけても騒音となるため要注意です。

2、エアコン室外機やメンテナンスについて

民法の234条で「建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない」と定められているのをご存じでしょうか。
これは火事の燃え広がりや近隣とのトラブルを軽減することを目的として定められたもので、万が一違反した場合は隣地の所有者は建築の中止もしくは変更を求めることが可能です。

3、生活動線について

狭小住宅は、ワンフロアが狭く、生活に必要な床面積を確保するためには、2階建て・3階建てにすることが多くなります。
そのため、どうしても上下の動きが増え、生活動線や間取りに気を遣う必要があります。
例えば、キッチンや洗濯機置場は1階に配置し重たい物を持って階段の上り下りをしなくて済むようにしたり、キッチンやバスルームといった水回りをなるべく近くに配置して生活動線と家事同線の双方をコンパクトにしたりといった、実際の生活をイメージして間取りを考えられると良いでしょう。

□狭小住宅で有効的な間取りとは?


ここからは、狭小住宅でも広く感じる有効的な間取りを5つご紹介します。

1、空間の区切りを減らすこと

各々の部屋を壁で区切ってしまうと、その分壁のスペースが必要になり、開放感もなくなるので思い切って減らしてみるのもおすすめです。
寝室など、プライベートが求められる居室以外の壁を取り払ってみると広々とした空間になるのでぜひ検討してみてください。

2、3階建てにすること

居住空間を確保するためには、狭小住宅ではどうしても2階や3階を設けて縦に空間を確保しなければ快適に過ごすことは困難です。

ただし、この際に地震対策が非常に重要です。
狭い面積に対して高く作った家は揺れを感じやすく、自分の家はもちろん隣接する住宅にも被害を与えてしまう可能性があります。
そのようなことがないように、制振性や耐震性の高い住宅をデザインしてもらいましょう。

3、天井や建具を高くして大きめの窓を採用すること

圧迫感を覚えがちな狭小住宅ですが、天井を高くしたりあえて高さのある建具を選んだりすることで縦に広い印象になり、広々とした空間を演出できます。
高さがある大きめの窓は開放的な雰囲気になるだけではなく、採光も良くなるので狭小住宅にひとつは取り入れたい設備と言えます。

4、見せる収納にすること

収納スペースを考えるときに、まず生活に必要なものがどれだけあるのかを整理し、不要な物は断捨離をして最小限にとどめましょう。
それでも収納しきれないものは見せる収納で工夫してみることがおすすめです。
例えばキッチンにパントリーを設けることが難しければキッチンカウンターを設けて、食器やキッチン家電を展示するように飾るとすっきりした印象になります。

5、高低差を利用した収納スペースを設けること

床面の一部に高低差を生み出すスキップフロアを設けると、居住スペースだけではなく収納スペースを新たに生み出せます。

□狭小住宅における収納スペースの創出方法をご紹介!


1、暮らしに必要なものの見直し

スペースを確保するよりも先にしておくべきことは、自分たちが生活するうえで必要なモノがどれだけあるのかを把握し整理することです。
極力少ないもので生活ができるよう「断捨離」すると、持ち物だけでなく心も整理できるでしょう。

2、デッドスペースを確保すること

意識しないと見過ごされがちなデッドスペースが意外とあることを皆さんはご存じでしょう。

例えば、階段の下部です。
ここにキッチンや書斎、トイレを設置するのはスペースの有効活用に適しています。
もしもニオイや音が気になるという理由でトイレにはしたくないのであれば、収納スペースとして利用するのも良いでしょう。

3、造り付け家具(造作)を設けること

スペースが制限されてしまう狭小住宅を満足させるためには、造り付け家具(造作)がおすすめです。
狭小住宅に合う家具がなかなか見つからない・家具が搬入しづらいといった問題を回避でき、ぴったりサイズの家具に揃えることで空間をより良く活用でき、居心地の良い部屋を実現できるでしょう。

□狭小住宅は魅力的?実例をもとにご紹介!


ここでは、狭小住宅は魅力的なのか、実例をもとにご紹介します。

1、開放感を演出した例

各部屋の壁や天井の高さを調整することで、どうしても窮屈な印象になりやすい狭小住宅でも、大きな吹き抜けを設けて、遮る壁を取り除くと大空間を演出できます。

2、計画的にスペースを確保した例

ロフトというと狭くて光の当たりづらい場所をイメージしている方も多いでしょう。
しかし、工夫を施すことで明るさも十分にあるロフトを実現できます。
そのため、居室としても趣味を楽しむプライベートな空間としても色々な楽しみ方ができる空間を演出できるでしょう。

3、土地条件を生かした地下ガレージを設けた例

通常、地下室などを設けるには、一般の木造住宅の建築では使用しないような重機が必要となりますが、もともとの敷地条件をうまく活用すれば賢く駐車スペースを確保できます。

このように、狭小住宅でも様々な魅力があります。

□まとめ


今回の記事では、狭小住宅の定義や魅力的である理由、狭小住宅で有効的な間取り、狭小住宅における収納スペースの創出方法などをご紹介しました。
本記事が、狭小住宅をお考えの方の参考になれば幸いです。
また、狭小住宅をお考えでお悩みの際は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。

 

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Works(株)ホープスの建築実例

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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