木材の性質

木材

日本は木の国、森の国と言われます。

というのも国土の67%が森林に覆われた世界有数の森林国だからです。

我が国では縄文時代から現代に至るまで人々が森林の恵みを享受してきました。

その代表的な利用例が森林から切り出される木材を使って住宅等を建てることです。

最近では地球温暖化防止の観点から、加工が容易で二酸化炭素の排出量が少なく植林によって再生出来、鉄やアルミに比べて環境に優しい資源として木材が注目を集めています。

今回のブログでは住宅建築の際に使われる木材の性質に関する記事をお届けします。

木は腐る、割れる、など欠点が多いと言われています。

これは木を使う場所を間違えるとシロアリに喰われたり、腐ったりしてしまうからです。

こうなると大切な家が使い物にならなくなります。

木材を使う場合には値段だけで無く、使う場所に応じた種類の木材を選ぶ事が重要なのです。

木材の種類を解説する前に木材の基礎知識について以下にまとめましたのでご参照下さい。

形状から見る木材の基礎知識


1. 木材の断面組織

白太赤み
白太 (しらた)= 白肌、辺材、白材(はくざい)

木材の樹皮に近い周辺部を指します。

心材に比べて淡色で、腐りやすく、虫が付きやすいです。

赤身 (あかみ)= 赤肌、心材

木材の内部の色が濃い部分です。

樹種によっては色で判別できないものもあります。

辺材に比べ耐朽性があり建材として利用価値が高いです。

随
髄 (ずい)= 樹心、ピッチ 
木材の中心のごく細い軟らかい部分です。

2. 木材の道管配列

道管は、円筒形をした細胞で、水分が上昇する通路となります。

広葉樹は複雑に道管が配列し針葉樹は道管が無い単純な構造を持ちます。

道管配列で木材を分類した場合、以下の種類に分けられます。

道管

環孔材 (かんこうざい)

道管の分布が、年輪に沿って環状に配列しているものです。

木目がはっきり表れます。

ケヤキ、ナラ、キリ、セン、チークなどに見られます。

散孔材 (さんこうざい)

道管の分布が無差別に散在している材です。

木目はハッキリしませんが、均質です。

ブナ、ホオ、サクラ、カツラ、シナなどに見られます。

放射孔材 (ほうしゃこうざい)

道管の分布が、樹心を中心に放射状(半径方向)に配列しているものです。

カシなどに見られます。

3. 木目 (もくめ)

板を製材したときに現われる年輪などの模様で板目、柾目、杢目に大別されます。

板目 (いため)

板目

丸太の中心からずれて挽くと、年輪が平行ではなく山形や筍形の木目が現れます。

これを板目と言います。

柾目 (まさめ)
柾目

丸太の中心に向かって挽いたときに現れる年輪が平行な木目を柾目と言います。

板目と比べて歩留まり(素材の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)比率)が悪く、
コスト高になります。

つまり板目より柾目の方が高級品ということになります。

反りや収縮などの狂いが少ない特徴があります。

杢目 (もくめ)

杢目

木目などの紋様で、特に装飾価値が高い紋様を「杢」と呼んでいます。

ブナ科の虎斑杢やメープル等に現れる鳥眼杢、トチ、シカモア等の縮み杢の他、縞杢、葡萄杢、牡丹杢、鶉杢、如鱗杢などがあります。

データで見る木材の性質

(独立行政法人 森林総合研究所調べ)

独立行政法人 森林総合研究所では、様々な樹種について腐りやすさなどの性質を明らかにする研究などが行われています。

下の表は研究成果の一覧表です。(クリックで拡大します)
表

「耐朽」性(腐りにくさ)

木材の心材の腐りにくさを示しています。

「極大」が最も腐りにくく「極小」が最も腐りやすい木ということになります。

よって腐りにくさを重視するなら、センベルセコイヤ、ヒノキ、ウエスタンレッドシーダー、アラスカシーダー
推奨されます。

寸法安定性(狂いにくさ)

木材の含水率が1%変化したとき寸法が変化する割合を「平均収縮率」として示しています。

値が小さいものが乾燥などによる狂いが少ない木といえます。

柾目で見た場合 センベルセコイヤが最も狂いにくく
板目で見た場合 センベルセコイヤウエスタンレッドシーダーが最も狂いにくいです。

狂いにくい すなわち寸法が変化しないということです。

摩耗性(すり減りにくさ)

「耐摩耗」欄では、木材の板目面を摩擦してどれくらい摩耗するかを評価しています。

数字が小さいほど、すり減りにくい木ということになります。

表の中でⅢのものはⅣのものに比べてすり減りにくいということになります。

強度性能(曲がりにくさ、壊れにくさ)

「強度」の各項目は、木材の曲げ・縦圧縮・せん断荷重に対する強度を示しています。
シベリアカラマツが最も強いということになります。

「曲げヤング率」は曲げ荷重に対するたわみにくさを示すとともに、曲げ縦圧縮・縦引張り強度を評価する指標でもあります。

ダクラスファーが最も強いということになります。

木材の使い方

上に示した表から強度等の項目を見て木材選びの参考にする場合もその使い方には注意が必要です。

腐らないようにして木を使う

地面に接触する場所や湿気の多いところなどはシロアリに食害されます。

菌類により劣化するような場所ではヒノキやクリが適していますが、ヒノキがない地方や価格の安いものを使いたいときには、薬剤を使って木材に保存処理を行い腐りにくくして土台などに使います。

木が腐りやすい場所は以下のような場所/構造を指します。

床下の土台
外壁・軒先
台所・トイレ・浴室
壁の中
金物と接するところ
仕上げ材で壁を隠す構造 
従来の木造住宅の構造


乾燥材で狂いにくい木材を使う

上の表にある通り、木材は、含水率が変化すると、収縮して寸法が変化したり、曲がったり、割れたり、カビたりします。

よって乾燥させてから使う必要があります。

木材

上の写真は乾燥させずに曲がってしまった木材と乾燥材を並べた写真です。

右の木材と比べて左の木材は幅ぞりが起こっているのが一目瞭然ですね!

木材

使用される環境によって異なりますが、木材の含水率が15%以下になると、狂い、割れ、カビの発生が少なくなります。

要は乾燥させたら木材は強くなるのです!

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

今回の記事では木材の基礎知識と種類、使い方についてさわりだけお届けしました。

まだまだ深い木材の世界。

利用する場所に適した素材を選んで末永く木と共に暮らしてみませんか。

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