狭小住宅とは、10坪前後の敷地に建つ家です。土地の価格も、マンションの価格も高額な東京では、非常に多くの狭小住宅が建てられています。

10坪前後の敷地に建てる家なので、実質、1階分の床面積は、5~6坪の家もあります。果たして、10坪前後の狭小敷地に、家族4人が暮らせる家は建つのでしょうか?

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狭小住宅とは東京に自分たちの家を持つ可能性を拡げる住宅

通勤や通学にかける時間の無駄を考えると、東京での暮らしは捨てられないという家族は多いでしょう。もし、通勤、通学に毎日の往復で2~3時間かかれば、1週間のうちの平日だけで、10時間から15時間を失います。車がなくては、食料品など日常品の買い物ができない、子供の塾や習い事の送迎も、車でしなくてはならないというような不便さもあります。

それらを受け入れなくては、家が建たないならあきらめよう…という思いと、子育ては、戸建て住宅でしたい、30代前半までには、家を建てたいという思いを、両方叶える可能性を拡げるのが、狭小敷地に建てる狭小住宅です。ここ数年は、マンションの価格が高騰していることもあり、マンションを購入するより、狭小住宅を建てることを選ぶ人も増えています。

戸建て住宅の魅力と東京暮らしの利便性と楽しさを、同時に手に入れられる狭小住宅は、東京に建てる自分たちの家を、現実にします。その為、狭小敷地を探して、家を建てようと決意する家族が、増えているのでしょう。

狭小敷地と言っても、東京の10坪前後の土地は、区にもよりますが、郊外の30坪の土地よりはるかに高額です。整形地ではなく、変形地や旗竿地であっても、建築条件が整っている土地は、低価格という訳にはいきません。

狭小住宅は、狭くても高額な土地を購入して建てる家です。したがって、低価格な建売住宅のように、ライフスタイルの変化に合わせて、住み捨て、買い替えを繰り返す訳にはいきません。4人家族であっても、二世帯住宅であっても、快適に暮らせる家、ライフスタイルの変化に対応できる家、長く住める家にする必要があります。

資産価値が低下しない東京の土地に、資産価値の高い住宅を建てれば、狭くても、将来的な安心感があります。ライフスタイルの変化に対応して、経済的な負担なく、住み替えやリフォームができるからです。狭小住宅は、東京で暮らす可能性を拡げ、さらに資産価値の高い家にすることで、安心な将来への可能性を拡げます。

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家族の人数と必要な家の広さ

具体的に、狭小敷地に建てる家の広さと、家族の人数について考えてみましょう。東京に建つ個人の住宅の平均的な床面積は、平成28年度の国土交通省のデータでは64,46㎡です。坪数に換算すると約19坪弱、畳にすると約41畳です。この広さがあれば、2LDK~3LDKの間取りの家が建てられます。

1階の床面積が、10坪以下の狭小住宅で、この広さを確保する為には、3階建てにする必要があります。1階に床面積が10坪33㎡あれば、総床面積は、30坪99㎡です。6坪19㎡しかなかったとしても、60㎡の総床面積が得られます。具体的な建築事例を見ながら、狭小住宅の可能性を確認していきましょう。

夫婦だけの暮らし

敷地10坪。スキップフロアがキャットタワーになる、こだわりの狭小住宅

「SE構法」の木造住宅 地上3階建 延床面積  約55~60㎡

ご夫婦と猫が暮らす3階建ての狭小住宅です。

ご実家であるお父上が経営していらした理容店を、ご夫婦の住む新しい家に建替えました。庭付きの広い戸建て住宅を売却し、この家の建築を決心されたという経緯があり、実現までには、住宅会社のセミナーや展示場巡りを繰り返し、数年の月日がかかったそうです。

家にいる時間は、夫婦そろってリビングで過ごすことが多いので、ゆったりしたリビングが欲しいという要望を基本に「小さくても温かくて2人で仲良くゴロゴロできる家」とタイトルをつけられた設計図が作られました。積極的に家づくりにかかわったご夫婦と、後悔を残さない家を目指す造り手の組み合わせが、「やっぱりこうしとけばよかったというところはないですね。大満足です。」という家を完成させました。

昼間でも暗かった家が、明るい陽ざしが降り注ぐ家に、生まれ変わりました。

ご夫婦とともに暮らす猫の為に、キャットウォークを作りたいという要望は、スキップフロアを取り入れ、家中を猫が遊べるキャットウォークにしました。

必要なサイズをしっかり測って作った収納ペースがあるキッチンには無駄が一切ありません。

ご主人が、子供の頃からお好きだった天体観測を楽しめるベランダ

二世帯の暮らし

実用性をきわめた!驚きの収納がたっぷりの完全分離2世帯住宅

「SE構法」の木造住宅 地上3階建 延床面積   115㎡~130㎡

80㎡の土地に建つ延べ床面積115㎡~130㎡の二世帯住宅です。高齢のお母上と同居する為に建てられました。ご夫婦と高齢のお母さま、2人の男の子の5人で暮らす家です。施工先を探す際には、約80㎡の土地に完全分離二世帯住宅を建てたいという電話だけで、断られてしまうことも数回あったそうです。

ありとあらゆるところに、作られた収納スペースが、狭い家に物が溢れる状態を防ぎ、すっきりと片付く家にしています。建てる側と造り手の密接な連携で、「あるといいなが詰まってる」の家が完成しました。

天井の工夫で実際より広く見えるリビング アカシアの床がきれいです。

秘密基地のようで、子供たちに大人気の屋根の斜線を利用した空間です。

こんな場所にも収納があります。

1階にあるお母様用のミニキッチン

階段下の収納

高い位置にある収納

洗面所には洗濯機とたっぷりの収納スペースがあります。

大家族の暮らし

大家族が住む狭小住宅。4つの子供部屋と2台駐車の家

SE構法の木造住宅 地上3階建 延床面積     80~100㎡

ご夫婦と4人のお子様が暮らす延べ床面積80~100㎡の住宅で、4つの子供部屋と2台分の駐車スペースがあります。限られたスペースを最大限に活用できる時間帯や、時期によって、変化していく家です。

畳スペースのある広々としたLDK 昼間はお子様たちの遊び場、夜は間仕切りを閉めてご夫婦の寝室に塩化します。

4つの子供部屋は、将来子供達が独立後は、間仕切壁をとりはずし、2部屋にし、夫婦それぞれの個室になります。

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狭くても快適な家、引け目を感じない家にする為の工夫

快適な家、暮らしやすい家にする為には、積極的に家づくりに参加することが、重要なポイントです。造り手とのキャッチボールの濃密さが、納得できる家づくりを可能にするからです。部屋の数や、家の広さにとらわれず、自分たち家族の、暮らし方にあった家にする為のキャッチボールです。家族全員が居心地よく暮らせる家は、愛着の湧く家です。狭小住宅だからと言って引け目を感じるどころか、自慢に思える家です。そんな家を建てるためには、あきらめず、根気よく、新しく建てる家の可能性を探ってください。

ホープスの狭小住宅への思い

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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