家を建てようと決心してから、実際に家が建つまでにはどのようなことが必要なのでしょうか?家づくりの流れの中で、狭小住宅では特に注意しなくてはならないポイントを押さえながら、準備から完成までにしなくてはならないことを確認していきましょう。
自分たちにとって暮らしやすい家のイメージを作る
家づくりの始めの一歩はイメージ作りです。家族構成や年齢、ライフスタイルによって理想の家に対して求めることは違ってきます。イメージを固めたら、次は自分たち家族にとって、最も暮らしやすい家にする為に必要な条件を具体的に考えることが必要です。
「自分たち家族の理想の暮らしとはどのような暮らしなのか?」
ゆっくりくつろげる家、子育てがしやすい家、仲間が集まりやすい家…家族構成やライフスタイルによって、家に求める理想は異なります。
自分達家族にとって、理想の暮らしと理想の暮らしを実現できる家についてのイメージを作ることが大切です。
その際に考えておくべきポイントを押さえておきましょう。
ライフスタイルの変化
家には、ライフスタイルの変化に合わせて住み替えるタイプの家と、生涯過ごせる家があります。断熱性能や耐震性能の高い優れた注文住宅を新築するのであれば、ラフスタイルの変化を見越して、生涯を過ごせる家にしたいものです。
まだ子供はいないが、近い将来子育てを始める予定のご夫婦や、子育て中のご家族であれば、子育てのしやすい家、子供中心の間取りがまず頭に浮かぶと思います。しかし、子供は成長し、やがて独立していきます。
それを思うと、子供部屋の在り方について考えることも必要です。小学校のうちはリビングで過ごすことが多く、子供部屋は、就寝時だけしか使わないという子供は少なくありません。その為、子供が実質的に子供部屋を必要とするのは、中学、高校から独立までの期間です。子供が地方の大学に行くために家を出ていくことになれば、たったの6年ということになります。また、子供が家にいる年月と、子供の独立後に夫婦だけの暮らしをする年月を比べれば、夫婦だけで暮らす方がずっと長い年月です。
独立後、住み替えをする予定であれば、子供中心の間取り、生涯を過ごす家にする予定であれば、子供の独立後のこと、自分たちが高齢になった時のことも考慮した間取りにしておく必要があります。
現在の家族構成とライフスタイル
家族の暮らしに合う理想の家のイメージができたら、具体的なアイデイアも考えてみます。
「働き盛りの夫婦共働きでどちらも仕事に夢中、子供を作る予定はない、週末を家でゆっくり過ごし、夫婦の優雅な時間を楽しめる家に住みたい」
- 夫婦だけの暮らしであれば、トイレを複数作ったり、洗面室と脱衣室を分けたりする必要がないので、ひとまとめにして他の居室を広くする
- 敷地の形状によっては中庭を作り、中庭に面したリビングで寛ぐ
- お掃除ロボットを活用できるよう段差の少ない設計にする
- 週末は夫婦で調理を楽しめるようアイランドキッチンにする
「就学前の年子がいるので、子育てと家事に追われている、子供たちにいつでも目が行き届き、少しでも家事負担が減るような家に住みたい」
- 家事負担を軽減する家事動線 間取りによって家事負担は変わってきます。効率よく家事ができるような家事動線が作れる間取りを考えましょう。キッチンのタイプ、キッチンと他の居室の位置関係、洗濯機の洗濯物を干す、たたむ、しまう場所、勝手口とパントリーを作るか作らないかなど、具体的な家事動線を考えてみることが大切です。
- すっきり片付いたリビング 家事をしている母親の目の届く範囲内であり、遊ばせやすい部屋と考えると、母子はリビングで過ごす時間が長くなります。必然的にリビングは子供のおもちゃで散らかりやすくなります。リビングにウォークイン、又はウォークスルークローゼットがあれば、子供のおもちゃ、子供が学校に行くようになってからは、外出から帰った際の上着やカバンなどをしまえるので、リビングがすっきりします。
- すっきり片付いた玄関 子供が小さいうちはベビーカーや三輪車、子供が学校に行くようになると靴やスポーツ用品などで、玄関内は散らかりやすくなります。玄関に収納しなくてはならないものの量に合わせたクローゼットや土間収納をどのように設置するか考える必要があります。リビングにクローゼットを作らないで、玄関に大型クローゼットを作り、上着やカバンをしまってからリビングに行くという動線を作る方法もあります。どの方法が自分たちのとって、使い勝手の良い方法を選びましょう。
- 子供が成長しても使いやすい水回り 子供が小さいうちは気になりませんが、子供が年頃になると、入浴中に洗面所に他の家族が入ってくるのを嫌がったり、反対に洗面所を使う時間が長くなって他の家族が入浴できなかったりという問題がおこります。その為には、洗面所と脱衣所を分けておく必要があります。また、子供が複数いて、夫婦共働きの場合、朝はトイレと洗面が混みあいます。その為、トイレや洗面台を複数作っておくべきかどうかも考えておく必要があります。
「子供の成長に伴うライフスタイルの変化があっても、常に自然に家族がふれあえる暖かい雰囲気の家の住みたい」
- 家族が集まりやすいリビング 子供が成長して多感な年頃になると、自分の時間を持ちたいと思うようになると、家族とのつながりが希薄になってしまう時期があります。そのような時期にも、常に家族の自然な会話が発生するような間取りにする為には、玄関、リビング、家族それぞれの居室への動線を配慮する必要があります。
施工を依頼する会社を選ぶ
依頼先選びは家づくりの結果を大きく左右する重大な問題です。ハウスメーカーのモデルハウス、工務店がおこなう完成済住宅見学会、構造見学会など、できるだけ多く見学しましょう。見学会の情報は、地域の情報誌、ネットなどで探せます。
住宅を施工する会社にはそれぞれ得意分野があり、堅実で頑丈、無難な外観の家を建てる会社、個性的なデザインの家を建てる会社、住宅性能にこだわる会社など様々です。
自分たちがまとめた理想のイメージを実現しつつ、性能の高い住宅を建てられる会社、自分達のセンスに合う会社を選ぶことが大切です。
具体的な間取りを決める時に考えておくこと
依頼先が決まると、具体的な間取りについて打ち合わせが始まります。狭小住宅の場合、周囲に住宅やマンションが立ち並んでいる為に、日当たりと風通しの良さを確保しなくてはなりません。また、狭小敷地の中で、生活に必要な空間を確保する工夫が必要です。
その為、吹き抜け、リビング階段、スキップフロア、トップライト、ハイサイドライトなどが多く採用されます。打ち合わせの際にそのような提案があった時の為に、実際に暮らし始めた時におこるかもしれないことを確認しておきましょう。
吹き抜けや吹き抜けと組み合わせるリビング階段
吹き抜けを作ると、狭小住宅の採光が難しいという点を解決することができ、日当たりの良い居住環境が作れます。また、リビング階段を組み合わせれば、リビングを通って2階に行くので、家族の自然な触れ合いが作れます。リビング階段を踏板と骨組みだけのスケルトン階段にすれば、さらに採光量が増えるとともに、リビングルームに圧迫感を与えません。明るく、洗練された雰囲気のリビングルームになることでしょう。
ただし、実際に暮らし始めた時におこるかもしれないことも知っておきましょう。縦の空間が繋がる為に、冷暖房の効率が悪くなる、キッチンの調理のニオイが2階にまで流れて行く、リビングの物音は2階の居室に、2階の居室の物音はリビングに響きやすくなるといったことがおこります。
そのようなことを避ける為には、サーキュレーターを使って空気をかき混ぜる、天井型の強力な換気扇を設置する、2階の居室の配置を工夫するといったことも、同時に考える必要があります。
スケルトン階段は、小さな子供やお年寄りがいる場合には、踏み外す危険があります。また、リビング階段は、自然な家族のふれあいを生む半面、リビングにお客様があるときには通りにくい、子供が寝た後はリビングの物音が響かないよう気を使うなど、生活上不便なことがおこる可能性もあります。
スキップフロア
スキップフロアは壁を使わずに段差を活かして部屋を区切る方法です。壁がないので圧迫感がなく、見た目にも広く感じられ、陽射しも取り入れやすくなります。また、階段が増えるので、階段下を収納スペースとして活用でき、狭さの克服に役立ちます。
ただし、断熱性と気密性が高い住宅ではない場合には、壁で区切られない分、家の中の空間が繋がるので、冷暖房の効率が悪くなります。
吹き抜けやスキップフロアの採用は、住宅の断熱性、気密性の高さと家族構成に合わせて採用を決めるころが大切です。
トップライト、ハイサイドライト
天井や部屋の高い位置につける窓は、建て込んでいる環境に建つ家でも、陽射しと風を採りこめます。普通の窓と違って、外部からの視線を心配する必要もありません。また、インテリアの雰囲気をおしゃれな感じにするという面もあります。
ただ、冬は明るく暖かで良いのですが、夏場は陽射しが入り過ぎて室内の温度が上がります。日射しが強い時間帯には、陽射しを遮る対策も考えておく必要があります。また、普通の窓に比べると、窓の掃除が大変です。場所によっては業者に依頼しないと掃除できない場合もあります。
打ち合わせ後の流れ 契約から竣工まで
充分な打ち合わせを繰り返し、見積もりを出してもらい、予算内で納得できる間取りが決まったら、工事契約を結びます。
工事契約後は、キッチン、バス、洗面などの設備機器、屋根材、外壁材、扉、サッシなどの外装建材、床材、壁紙、ドア、などの内装建材のグレードや色調を選ぶ為の打ち合わせを行い、見積もりよりグレードの高い設備機器や建材を希望した場合や、間取りの変更があった場合には、追加変更工事契約をします。
契約後は、地鎮祭、上棟式を挟んで住宅が建てられていき、最終的に外装仕上げ、内装仕上げ、住宅設備機器が設置されて、家が完成します。
契約後は、依頼先の会社が責任を持って家を建築するので、家づくりの大切な部分は契約までの手順です。しっかりとイメージを固め、十分な情報を収集して満足のいく家を建てましょう。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる施工例がたくさんございます。ぜひご覧ください。