都心の狭小住宅では、敷地面積が限られている為、自動車の駐車スペースが取れないケースが多くあります。
自宅の敷地内に駐車できないと、自宅の周辺で駐車場を借りなくてはなりませんが、自宅から徒歩5分以内など条件を付けてしまうと、なかなか見つかりません。
そのような状況で考えられるのは、ビルトインガレージのある家にするという方法です。狭小敷地でおこりがちな自宅の駐車スペースが隣家の窓と密接している為、駐車しにくい、隣家との関係がぎくしゃくするというようなトラブルも避けられます。
ただし、ビルトインガレージのある家には、利点だけではなく、考えておかなくてはならない問題点もあります。
ビルトインガレージのある家で安全で快適な暮らしを確立する為に必要なこと確認しておきましょう。
安全な暮らしの為のポイント
高い耐震性を持つ家であること
ビルトインガレージは、車を家の内部に入れる為に、大開口が必要です。1階に大開口があれば、通常の木造住宅では耐震性が低くなってしまいます。
従ってビルトインガレージのある家と言えば、重量鉄骨、又はRC(鉄筋コンクリート造)が安全であると考えられてきました。
しかし、重量鉄骨やRC構造の家を建てる場合、建築費のコストが木造より割高であり、地盤を強化する為の費用も必要です。そして、将来的にライフスタイルの変化によって増築、減築などの改築をする際に、制限が多くなりがちです。また、コストが抑えられる軽量鉄骨でのビルトインガレージは3階建てになると、耐震性の強度に不安があります。
そこで、ビルトインガレージのある木造の家に最も向いているのがSE構造の家です。SE構造は、大規模な木造建築物の技術を住宅に応用するために開発された技術を用いた構造で、柱のない広い空間でありながら、高い耐震機能を持っていることが特徴です。
吹き抜け、大開口、ビルトインガレージなど、本来であれば木造建築では実現できなかったような設計の家を建てられる構造なのです。
実際に、ここ数年に起きた新潟中越地震、東日本大震災、熊本地震の際に、SE構造の家で、倒壊、全壊、半壊の被害を受けた住宅は一軒もありません。
SE構法でビルトインガレージの家を作る安全性についての詳しい解説はこちらをご覧ください。
防犯性の高い出入り口にすること
ビルトインガレージと一口に言っても、完全に屋内にあるタイプと、道路に面して出入り口が開いたままになっているタイプがあります。
屋内にあるタイプであれば、防犯機能はほぼ完璧です。しかし、出入り口が開いたままになっているタイプの場合、家の向きや角度によっては、死角が増えてしまう恐れがあります。その為、出入り口を開けたままにしておくのであれば、シャッターを設置する、又はセンサーライトや防犯カメラなどの防犯対策が必要です。
シャッターをつける場合、シャッターの開閉音が周辺の家との騒音トラブルにならないよう、開閉音の静かなタイプを選ぶことも大切です。特に、深夜や早朝に自動車を出し入れすることの多い場合には、シャッター音が近隣トラブルに発展する恐れがあります。
快適な暮らしの為のポイント
入口の工夫
ビルトインガレージの奥に玄関をつける方法と、ビルトインガレージの奥に勝手口を設け、玄関は別に設置する方法、ビルトインガレージと家の出入り口を繋げない方法があります。
ガレージの奥に玄関や勝手口があれば、雨の日にも濡れずに車の乗り降りができ、勝手口とつながっていれば、食料品の運搬など家事動線もスムーズになります。
ただし、その分、自動車の排気ガスが室内に流入してしまう恐れがあります。
完全に家の中にガレージがあるタイプと、住宅と出入り口が繋がっているタイプの場合は、常時換気はもちろんのこと、自動車を出し入れする時には強力に喚起できる装置を設置する、二重ドアにするなどの工夫が必要です。
間取りの工夫
狭小住宅でビルトインガレージを作ると、1階の間取りが制限されてしまいます。家族構成や生活の時間帯を考慮して、車の出入りする音が生活の邪魔にならないような間取りが必要です。例えば、子供や親世帯が就寝した後に車で帰宅する家族がいる場合には、ガレージの真上や横に寝室を持ってくると、睡眠を妨げてしまいます。ビルトインガレージの出入り口がリビングダイニングとつながっていれば、排気ガスの臭いの問題がおこる恐れもあります。
また、音や臭いの問題を解決する為の方法としてビルトインガレージの出入り口と、リビングルームの間にスキップフロアを設けて、音と臭いを緩和するという工夫もあります。
自動車の大きさと台数に合うサイズ
ビルトインガレージは、住居が完成した後にサイズを変えることはできません。ドアの開け閉めと乗り降り、トランクへの荷物の出し入れが不自由なくできるサイズ、自転車も一緒に置くのであれば、駐車中であっても自転車の出し入れができるサイズなど、使いやすい広さを確保しなくてはなりません。
その為、将来的に大型の自動車に買い替える、車の台数が増えるというような計画があれば、それに対応できるサイズにしておく必要があります。ただし、狭小敷地で、ビルトインガレージのサイズを大きくすれば、その分居住スペースは圧迫されます。ビルトインガレージに駐車したい自動車と、確保したい居住スペースとの兼ね合いをしっかり検討することが大切です。
経済的なこと
施工費用は割高になる
ビルトインガレージのある家は、安全性を確保する為にどうしてもコストが高くなってしまいます。しかし、近隣で駐車スペースを何年にも渡って借り続けても費用は掛かります。また、隣家との駐車の騒音や排気ガスの臭いでトラブルが発生するリスクを押さえられるメリットもあります。そのようなことを考え合わせると、一概にコストがかかるというものでもないかもしれません。
固定資産税は割安になる
ビルトインガレージの広さや、内部の設備、地方自治体の調査規定にもよりますが、固定資産税の額は、居室よりも低く評価されます。
狭小住宅とビルトインガレージの相性は?
最近では自動車を所有せず、カーシェアリングをする人も増えてきたと言われていますが、日常的に自動車を使う人にとっては、自動車が自宅にあることはとても大切です。
通勤、子供の送り迎え、買い物などで毎日使う自動車が自宅になければ、日常生活に支障をきたしてしまうでしょう。
とはいえ、都心部の狭小敷地では駐車スペースを確保することは難しいので、ビルトインガレージのある家は非常に便利です。
ただ、出入り口や間取りを工夫しなければ、使いにくいビルトインガレージ、暮らしにくい住宅になってしまいかねません。
家族構成や家族の生活にあったビルトインガレージのすることが大切です。
HOPEsが建てるビルトインガレージのある家
狭小住宅の施工事例の中から、ビルトインガレージの家をご紹介します。
三鷹の車とバイクのためのビルトインガレージハウス
シンプルな木質系サイディングの外壁の外観の木造(SE構造)家です。
車とバイクをゆったり収納出来るガレージ
整備に必要なアイテムの収納スペース
狭小ガレージの家
限られたなかでスペースでガレージを確保した木造SE構法の家です。
外の景色を美しく見せるグレーチングの引き戸
狭小でも2台駐車の家
ピロティを1.5階分もうけて設置した立体駐車場のある木造(SE構法)の家です。
フルビルトインガレージのある猫たちと暮らすモノトーンな家
フルビルトインガレージを持つモダンなデザインの3階建て木造(SE構法)の住宅です。
玄関とは別にガレージ内部に居室に通じる出入り口が設けられています。
HOPEsの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
狭小敷地であっても自宅に自動車を駐車したいというご希望があれば、ご家族にとって最も使いやすいインナーガレージのある家をご提案します。SE構法で安全に快適に使えるインナーガレージが実現します。
悪条件が多かったとしても、敷地の形状や面積に合わせて、利便性が高く、居心地の良い空間を作り出します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
ご紹介した施工例以外にもたくさんのインナーガレージのある家がございます。ぜひご覧ください。