世田谷の注文住宅|ホープスができるまで⑤|(株)ホープス代表 清野廣道のブログ
世田谷の注文住宅|(株)ホープス代表 清野廣道のブログ
[ホープスができるまで⑤]
新築住宅の実績を積んで以来、つてをたどって設計事務所からの施工依頼を積極的に受注する方向にシフトチェンジしました。建築の構造設計について学び実践してきた私は、設計者の意図やこだわりを汲むことに自信があったんです。そして、施工数は徐々に増えていきました。
一方で、利益は思うように伸びませんでした。相見積で負けることが多く、なかなか受注が取れなかったんです。ならば、とリフォームにも手を出してみましたが、手間をとられるばかりで八方ふさがりの状態でした。
赤字続きで、ふくらむのは借金ばかり。危機感にかられた私は、社員に土下座し、こう訴えました。「頼む。新築に絞らせてくれ。ここに集中すればきっと勝てるから」
このときの私を知る社員は「鬼のようだった」と言います。もう見積で負けられない、そう思った私は見積の精度を上げるために、建材の仕入れ先を厳選し、1円でも削れるところを探し、勝てる数字が出るまで何度も計算したのです。それから黒字に転換するまで2年を要しました。
会社設立からおよそ10年、ホープスが行っていた主な業務は、建築家が設計した物件の施工監理でした。業績は順調に伸びていきましたが、そうした仕事をこなしているうちに、私はある違和感を覚えたんです。
建築家の多くは、自分が設計した家を「作品」とよぶことをご存知でしょうか。
一方で、現場で聞くお客様からは、こんな生の声をよく耳にしました。「自分たちは、こういう家を希望していたわけじゃない」と。
このすれ違いは、どうして生まれるのでしょうか。
建築家は、たとえば雑誌に自分の作品が取り上げられたとき、“いかに美しく掲載されるか” に重きをおきます。デザインこそ、すべて。もし、雨漏りや建具の不具合が生じたら、それは施工した工務店の責任です。(もちろん、全ての建築家の方が、そうではないことも知っています。建築家の皆様、ごめんなさい!)
このような建築家のスタンスに対してふくらむ疑問を解消できなかった私は、自分たちで一から設計を勉強し直して、自分たちでお客様の声にしっかり耳を傾けて家を建てようと決めて、社内に設計部を創設しました。時を同じくして出会ったのが、SE構法です。
この瞬間こそ、現在のホープスにつながる分岐点だったと思います。ホームページは、お客様に直接にメッセージを発信するカタチに変更しました。同時に、建築家からの仕事は激減しましたが、その点において後悔は一寸もありません。お付き合いの続いている設計事務所には心から感謝しています。これからも、「お客様の家づくり」のプロジェクトには、積極的に参加したいと思っています。