トルコキリム
少し前に、尾山台に新しいお店がオープンしました。トルコキリムの専門店”anatolia”です。本店は広尾にあるとのこと。
エキゾチックで魅惑的な中の様子に惹かれて入ってみました。。。
店内には、壁に掛けて展示されたキリムのほか、スツールやバッグ、ランプなども展示されていました。
キリムとは、トルコ語で「平織りの毛織物」という意味だそうです。
大地にテントを張り、羊やヤギなどの家畜と生活をともにしてきた遊牧民の暮らし。
その中でキリムは、遊牧民の生活道具として織られてきた、3000~4000年の歴史をもつもの。遊牧民たちは、手紡ぎで糸を撚り、茜の根、柘榴の皮、葡萄の葉などの植物を使っていろいろな色に染めたそうです。
軽くて丈夫なキリムは、移動して生活する遊牧民にとってまさに必要不可欠な道具だったのですね。
敷物としてのほか、装飾用、塩袋、祈祷用、嫁入道具など、さまざまな用途でつかわれていたそうです。
キリムの柄には、母から娘へ代々受け継がれてきた、部族や産地による伝統的モチーフがあり、それぞれすべて意味が込められているとのこと。
生活様式に即し、その生活様式だからこそ生まれ、長く長く使われてきたキリム。
生活必需品でありながらもその中に意味や思い、アートが込められ、遊牧民自ら生活を豊かにしてきたのでしょう。
プリミティブな創造物はみなそうですが、植物染料ならではの美しい色、精緻手作業、長い年月の経過などにより、キリムはどれも圧倒的なパワーを放っています。
モダンな現代の室内空間にも実はよく合います。絨毯に比べると夏もさらりとしていて、年中使えるとのこと。
特に良いな、と思った一点。表面はヤギの毛の起毛になっています。
ラグがずれないように下に敷く専用の下地もあります。
丈夫で経年変化がより美しいキリム。異文化の価値あるものを、上手に取り入れて、空間を魅力的に演出できたら素敵ですね!