プレイフル・シャドウズ展byネンド
すっかり春めいて、今日の休日は上着がいらない陽気となりましたね。そんな中、渋谷西武A館7階、特設会場で行われている展示を見てきました。デザインオフィスnendoの作品展「PLAYFUL SHADOWZ Exhibition by nendo」です。
建築・デザイン関係の雑誌などでも目にすることが多いnendoですが、海外でより高い評価を得ているとのこと。 デザイナー佐藤オオキさん率いる同オフィスは「小さな“!”を感じてもらうこと」をコンセプトに、東京・ミラノ・シンガポールを拠点に活動しています。建築・インテリア・プロダクトデザインなど幅広く手掛けています。
今回の展覧会は、そのプロダクツの中から色彩を取り除いた作品を選び、光の中に黒の輪郭を浮かび上がらせて展示することで、ある特殊な感覚世界を表現しています。
こちらは、ガラス表面に薄いミラー効果を与えた器を重ねることで、周囲が移りこんだ非常に面白い効果を生んでいるもの。ガラスの縁のラインが幾重にも乱反射して移りこんでいるのでしょうか。たぶん単純な原理なのだと思いますが、いままで見たこともないような、はっとするような斬新さです。一応vase(花瓶)のようです!
こちらはパーテーションなのですが、写真ではうまく表現できていないのですが、表面の鏡面に周囲が移りこんで、こちらの目線を少しずらすとドラマチックに表情が変わっていきます。とてもきれいで、何よりも”見たことない”というのものが感覚的に衝撃を与えます。
このように、鏡面の板を少しずつずらしながら数段重ねることで、特殊な視覚効果を生むこととなっています。ちょっとしたことなのですが、本当にはっとするような効果を生んでいることに驚きです。
こちらはカーボンのフレームでできた大小の立方体を組み合わせたテーブル。その組み合わせの空間構成は、なるほどそれもあるよな、と感じるものではありますが、”家具”でそれを行うというのは思いつかないのです。知らず知らずのうちにできあがってしまっている固定観念というものを、再認識させられます。細部までとても美しい!
これもとても面白かったアクリルのデスクなのですが。。。表面に木目が型押しされているのです。小口なども、本物のフローリング材のようにリアルに再現されていました。まるで木製なのに透明である、というところに、やはり既成概念を気持ちよく裏切ってくれる爽快さがあります。ビジュアル的に素敵だった照明。
農作物を風害や獣害から守ることを目的に使われる「農業用ネット」を熱成形したオブジェのコレクション「farming-net lamp」(2012年)。
以上、奇をてらったところはまったくないのに、頭が柔らかいというのはこういうことなのだな、と強く印象に残った展示でした。それまで自分が知らない感覚を実際に体感する、というのは本当に貴重な体験ですね。家づくりのご提案でもこういう柔軟さを持てるといいな、と痛感し、良い刺激を受けた一日となりました。みなさんはどんな祝日を過ごされましたか?