空間の中の建具 ~ 神谷コーポレーションを訪ねて
先日、横浜にある神谷コーポレーションのショールームを見学いたしました。
神谷コーポレーションは1942年創業の歴史ある会社ですが、現在は自社の開発商品『フルハイトドア』を主力商品として、大手ハウスメーカーから、
日本中の多くの工務店まで、広く扱われています。
『フルハイトドア』は一般的には聞きなれない方も多いかもしれませんが、建築関係者の間ではとても頼れる存在であり、まさに知る人ぞ知る、建具なのです。
これがフルハイトドア。
こちらが従来のドアです。
”フルハイトドア”がとてもすっきりしているのがわかります。
それは、フルハイトドアは天井までの高さがあるためドアの上に壁ができないこと、ドアの周囲にドア枠がないこと、
ヒンジ(ドアを固定して開閉させる金具)の位置とデザインが工夫されている、などの特徴があるからです。
普通のドアには、周囲にこういったドア枠がありますが。。。
フルハイトドアは、枠の部分でこのようにクロスを巻き込むようにして、普通なら扉を閉じたときに見えてくる枠部分を、
クロスの下に入れこんでいます。このため、すっきりした壁に扉のみがおさまっているように見えるのです!
この”インセット枠”という枠は、特許を取得しているとのこと。。。さもありなん。
神谷のヒンジ(蝶番の役割をする金具)。扉の一番上と下に配置し、形もとてもすっきりしていてビジュアル的に邪魔になりません。
こちらがフルハイトドアを開けたときの様子。
天井までフルで開口になるので、ドアの両部屋が天井で連続し、空間の広がりがまったく違ってきます。
こちらのドアは、間にガラスがはめ込まれているのですが、そのガラスも天井と床いっぱいまで抜けていて、
すっきりとしたデザインで光を取り込むことができます。
背の高い扉は反りやすいですが、内部を鉄のフレームを使った特殊な構造とすることで、反りを抑えることを可能にしています!
こちらは、周囲と同じクロスを貼って仕上げる建具。さらに空間の中に溶け込んで建具の存在感をなくすことができます。
この建具は、金具も完全に見えないように作られています。徹底していますね!
神谷コーポレーションでは、毎年イタリアの展示会を視察して、最先端の建具情報を商品開発に反映させていこうという姿勢でいらっしゃるとのこと。
歴史的にみて建具文化に差がある日本とヨーロッパ。現在の洋風建具については、やはりまだまだとても大きな開きがあるとのことです。
上記の周囲の壁と同じ柄や、金具を完全に隠してしまう仕様も、現在のヨーロッパの建具の流れらしいです。
神谷さんの、フットワーク軽く、より良いものを追求・開発していく姿勢は、ホープスにも共感するものがあります!
ホープスは、実際に商品をお客様にご提案し、現場での納まりのディテールにも携わっていける立場にあります。
良いものをたくさん知って、それぞれの空間に最適なものを積極的に選んでいかなければ、という思いを強くした一日でした。
ホープスのホームページにもぜひお越しくださいね!
http://www.archi-hopes.co.jp/
酒井