おしゃれなガレージハウスを建てるためのポイントとは?
車をお持ちの方にとって駐車場は必須のもの。
一般的に都会の駐車場料金は高額である場合が多く、借りるのは経済的に厳しい方もいらっしゃるでしょう。
郊外の場合車が無いと生活に困るという方も一定数存在し、それに伴って駐車場の需要は高い傾向にあります。
そんな状況の中、車を所有している方が家づくりをするとなると、家に欲しいのは駐車場ですよね。
ここで車好きのみなさん、周りからの視線や横を気にすることなく愛車をいじったり洗車したりできたら良いと思いませんか。
そんな方におすすめなのが、今回ご紹介する「ガレージハウス」です。
ガレージハウスを作るとなればおしゃれさも実用性も、両方兼ね備えたガレージハウスを実現したいですよね。
本記事では、おしゃれで実用性にも優れているガレージハウスを作るコツについて解説します。
おしゃれさも組み合わせられるものなので、ぜひご覧ください。
□ガレージハウスって何?
前提として、ガレージハウスは家の1階部分を車用に改良したスペースのことです。
このガレージハウスは、以下の3種類に分類されます。
1. 半インナー
これはガレージの周囲がほとんど覆われておらず、最小限の囲いや柱しかないオープンタイプのガレージです。
完全な個室でないので外と接することにはなりますが、コストパフォーマンスに優れています。
2. 完全インナータイプ
その名の通り、周囲全てが壁で囲われているタイプのガレージハウスで、1階部分にスペースを取っているので、リビングや個室と隣合っていることがほとんどです。
また、タイプによってはガラスの仕切りで囲っているものもあり、これは住居スペースとの一体感を持たせるのでおしゃれさにも繋がります。
3. 完全分離タイプ
上記の2つとは異なり、家の隣に車用のスペースを別途で取り、そこをガレージハウスにするタイプです。
住居スペースに干渉しないことから、間取り設計の自由度が高いという恩恵もあります。
□ガレージハウスのメリット・デメリットとは?
*ガレージハウスのメリット
よくある一般的な駐車場、あるいは月極方式の駐車場ではなく、ガレージハウス方式にすることによるメリットとして、以下の4つが挙げられます。
1. 愛車を様々な被害から守れる
特に完全インナータイプのガレージハウスの場合、雨風や埃、花粉や黄砂から愛車を守れるのがメリット。
また、密室なので、不慮の事故やいたずら、盗難などの被害も抑えられるのです。
駐車時に受けた車の被害は、監視カメラやドライブレコーダーを設置していないと、犯人特定が難しいことが多く、泣き寝入りしてしまうことも。
ガレージハウスなら、そんなことも未然に防げます。
2. 車の出し入れ・荷物の運搬が楽
ガレージハウスのスペースを広めに取れば、駐車が苦手な方でも車をぶつけることなく駐車できます。
また、車を出す際もわざわざ外に出る必要もないので、車への乗り降りの利便性アップに繋がります。
加えて、買い物から帰った際も、わざわざ外を経由して玄関から入るのではなく、ガレージハウス内から入れるように設計すれば、重い荷物の運搬に悩まされることもないでしょう。
3. 愛車のお手入れも楽しめる
外の駐車場の場合、洗車やカスタムをするとなると周囲への影響を考えなければなりません。
また、視線が気になってやりづらいこともあるでしょう。
ガレージハウスであれば、周囲のことを気にせず洗車やカスタムが可能です。
また、スペースに余裕があるのであれば、友人や家族との食事や他の趣味にも使えるでしょう。
*ガレージハウスのデメリット
デメリットとして挙げられるのは、「換気設備や騒音対策」が必要であることです。
ガレージスペースは空気がこもりやすく、車の排気ガスがこもったままになると大変危険です。
車のマフラーが詰まって乗車している方が窒息するという事例があるように、ガレージ内に排気ガスがたまることで命に関わる事故につながります。
そのため、きちんとした換気設備の導入、そしてシャッターを開けておくといった手動での換気が必要です。
また、ガレージハウスは家と一体化、またはすぐ隣接していることがほとんどなので、エンジン音や振動が伝わってしまうのです。
しかし、ガレージハウスである以上どうしようもないので、寝室やリビングをガレージハウスから離すといった対策をしましょう。
□ガレージハウスを導入する上での注意点
ガレージハウス、せっかく導入するなら利便性も確保しておきたいですよね。
ここでは、利便性を確保するための注意点を3つ挙げていきます。
*ガレージ自体のお手入れのしやすさを考慮
ガレージハウスが完全インナー型だと、排気ガスや洗車での水しぶき・泡などがガレージ内を汚してしまうことがあります。
そのため、お手入れや掃除で汚れが取れやすい素材選びを心がけましょう。
*家の中から入れるようにしておく
先ほども少し触れましたが、「室内→ガレージハウス」「ガレージハウス→室内」といった動線を確保しておけば、出庫する際、帰宅した際の移動が非常に楽です。
また、間取り設計の段階で、その出入り口付近に洗面所やウォークインクローゼットなどを配置すると、移動の手間がさらに省けるでしょう。
*家の外観との組み合わせも考慮
ガレージハウスは形式にもよりますが、家の本体にくっついている、もしくは組み込まれていることが多いので、デザインのバランスが悪いとカッコ悪く見えてしまいます。
おしゃれさも意識するのであれば、家の庭や外構などのエクステリアとデザイン、色を合わせることをおすすめします。
□理想のガレージにするためのポイントとは?
ガレージハウスは生活とも直結するものであるため、設計段階で用途や今後のライフスタイルも考慮しておく必要があります。
1. 用途に合わせたガレージ選びを
ガレージハウスの用途は、「駐車場としてだけ」「愛車のお手入れもしたい」「バーベキューや友人との集まりにも使いたい」など人によって様々です。
普段駐車場以外の使い方をしないのに、無駄に広くしすぎると居住スペースが削られてしまいますよね。
逆に友人や家族とのイベントを楽しみたい方が、最低限の駐車スペースしか取っていないと、希望が叶えられなくなってしまいます。
そのため、ガレージハウスを今後どのように使いたいかを意識して、用途にあった選び方をしましょう。
また、用途に合わせて照明やシャッターなどの設備も意識することをおすすめします。
例えば、ガレージハウス内で洗車やメンテナンスをするのであれば、手元がよく見えるくらい明るい照明を取り入れたり、高性能の換気設備を導入したりしましょう。
2. 将来のライフスタイルも意識
例えば、将来的に子どもが増え、さらに増車する可能性があるのであれば、あらかじめガレージハウスを広めに取れるように設計すると良いです。
また、高齢になった時や子どもが生まれた時のことを考えて、バリアフリー設計にすることもおすすめです。
□ガレージを建てる前に知っておくべきこととは?
ガレージハウスは焦って建てるのではなく、事前に意識するべきポイントを押さえておくことで手をこまねくことなく、理想のガレージハウスが手に入ります。
*確認申請について
ガレージハウスは、新築の家と同様に、建築物としての手続きが必要です。
ただし、10平方メートル以下の床面積、建築位置が防火地域でないことなど、これらの条件に当てはまるガレージハウスは申請の必要はありません。
どちらにせよ、最も確実なのは施工会社やメーカーに聞くことなので、事前に確認しておきましょう。
□おしゃれなガレージハウスの事例
愛車のために素敵なガレージハウスを建てたいという目標があっても、どのようなガレージハウスかという明確なゴールがなければ実現は難しいですよね。
まだ具体的なガレージハウスのデザインが未定の方は、以下で紹介する事例を参考に理想のガレージハウスを見つけてみてください。
*和モダンなガレージハウス
「和モダン」な雰囲気は、外観や内装のデザインの際に参考にしている方も多いのではないでしょうか。
その場合は、ガレージハウスも統一感が出るように和モダンな雰囲気にすることをおすすめします。
リビングのすぐ隣にガレージを設置して、大切な愛車をいつでも確認できるように、リビングとガレージの間の窓は大きめに設置することがポイントです。
和モダンと車、違和感が生じるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、和モダンの雰囲気を上手く活かすことで違和感なく車も生活に溶け込むでしょう。
*三角形の敷地のガレージハウス
こちらは三角形の敷地を有効活用し、その限られた敷地の中にこだわりを詰め込んだガレージです。
ガレージの内部をリビングから見れるようにした工夫はもちろん、動線にも工夫を詰め込み、必ずガレージを通ってからリビングに行くようにしました。
こちらの家の場合ガレージ部分は平屋ですが、居住スペースは2階建てのためさまざまな角度からガレージを眺められるという魅力もあります。
さらに、ガレージハウスですがガレージと居住スペースをはっきりと分けたことで、ガレージ内の広々とした空間を実現しています。
*趣味を楽しむガレージハウス
愛車にこだわりがある方専用のガレージハウスと言っても過言ではない、こちらのガレージハウスは愛車のメンテナンスをしっかりできる造りとなっています。
壁で車をしっかり囲むことで雨風から車を守り、ガレージ内は駐車した状態でもスムーズにドアの開閉ができるスペースを保てます。
また、ガレージと土間を繋げることで広々とした空間が生まれ、ガレージにでなくても土間から車の様子を確認できることも車好きの方にとっては嬉しいですよね。
□おしゃれで快適なガレージハウスを実現するコツ
愛車を常に身近なところで管理できるガレージハウスですが、以下のような工夫次第でさらに快適な空間を実現できます。
1.用途にあった設備を選ぶ
ガレージハウスを設置する目的が愛車の保管用のみの場合は、全体を照らす照明のみで良いですが、メンテナンス場所としても活用したい場合は手元がよく見える明るさの照明が必要ですよね。
このように目的に合わせた照明選びは、ガレージハウスに快適さをプラスするために欠かせません。
さらに、シャッターを取り付ける場合は近所への騒音対策も忘れずに施しましょう。
2.生活動線に配慮する
家族全員が使いやすいガレージハウスにするためには、生活動線を意識して設計することが重要です。
例えば、日用品の買い物の際に車を利用することが多い場合は、購入した物をすぐにパントリーへ運べるように勝手口を用意することをおすすめします。
家族のライフスタイルを具体的に考え、生活動線を意識した設計は、快適に長く暮らすための秘訣です。
3.将来のライフスタイルも考慮する
家の間取りを考える際も同様ですが、将来、ライフスタイルが変わることも大いに考えられるご家庭では、ライフスタイルの変化を見越した設計が鍵になります。
ライフスタイルが変化すれば、車の所有台数も変化するでしょう。
そのため、あらかじめスペースには余裕を持っておくことがポイントです。
さらに、怪我や老化によって車椅子を使うこともあるでしょうし、お子様が生まれたらベビーカーを使用することもあるでしょう。
その際もゆとりを持ってガレージハウスを使えるように、設計しておくと便利です。
□おしゃれと実用性どちらも兼ね備えたガレージハウスとは?
「愛車をソファーに座りながらゆっくりと眺めたい」
このような夢は誰もが抱く夢とは言えないため、リビングの大きな窓からガレージハウスを眺めるということは一部の人にとっては実用性のないことかもしれません。
しかし、その家に住む人がそこに実用性を見出せば、リビングから見るガレージハウスに実用性が生まれます。
実用性とは一般的に述べられるものもありますが、使用する人によっても変わるものです。
質が良いと感じるガレージハウスに仕上げるためには、どれが必要でどれが不要かという取捨選択をしなければなりません。
良質なガレージハウスは「おしゃれ」と「実用性」、どちらかが欠けていると成立しません。
おしゃれにもこだわり、自分に必要な機能を取捨選択することで、理想のガレージハウスを実現できるでしょう。
□まとめ
ガレージハウスは、シンプルな駐車場としての役割だけでなく、趣味やアウトドアなどの普段のライフスタイルを一段階アップグレードしてくれるものです。
また、洗車や車のメンテナンスなども人目を憚らず行えますし、愛車を犯罪や事故から守ってくれるため、車好きの方にとっては安心材料にもなりますよね。
ただ、急いでガレージハウスを建てるのではなく、用途にあった設備、今後のことも考慮した上で、後悔のない様にしましょう。
ライフスタイルの変化を見越すためには、少しゆとりのあるガレージハウスを設計することがポイントです。
家づくりをお考えの方は、ぜひガレージハウスも一緒にご検討ください。