シロアリ対策家の守り方!建築時のから日常の対策までご紹介

シロアリは、家の柱を食い破ってしまう、駆除が大変で高額な費用がかかる、といったようなイメージをお持ちではないでしょうか。
シロアリは私たちの家にとって、まさに「悪夢」といえる存在です。

しかし、シロアリ被害は決して他人事ではありません。
新築・中古問わず、どんな家でも、適切な対策をしなければ、シロアリの被害に遭う可能性はゼロではありません。
この記事では、シロアリの脅威から家を守るための基礎知識から、新築時、そして日常でできる対策までご紹介します。

□シロアリの脅威とは?家を守るための基礎知識


彼らは、木材を主食とし、集団で生活し、女王アリを中心に、働きアリ、兵隊アリなど、それぞれの役割を担って、家の構造材を食い荒らしていきます。
シロアリ被害は、家屋構造の損傷だけでなく、耐震性の低下、精神的なストレスなど、多大な損失をもたらします。

1:家屋構造の損傷

シロアリは、木材の内部を食べてしまうため、見た目には分かりにくいですが、内部はボロボロになっていることがあります。
特に、床下や壁の中など、湿気が多く、暗い場所を好みます。
被害が進行すると、床が抜け落ちたり、壁が崩れたりするなど、深刻な事態に発展する可能性もあります。

2:耐震性の低下

シロアリによって、家の構造材が弱ってしまうと、地震などの災害に弱くなってしまいます。
耐震性が低下することで、倒壊のリスクが高くなり、生命に関わる重大な問題にもなりかねません。

3:精神的なストレス

せっかく建てたマイホームが、シロアリによって傷つけられてしまうのは、精神的なストレスも大きいです。
「家は大丈夫なのか。」
「シロアリの被害がどこまで広がっているのか。」
と、常に不安を抱え、快適な生活を送ることが難しくなるでしょう。

シロアリは、家の構造材を食べてしまうだけでなく、私たちの心の平穏をも奪ってしまう存在といえるでしょう。

□シロアリ対策!新築時に出来る選択をご紹介


新築時にシロアリ対策をしっかりとすることは、後の安心につながります。
新築時にできる対策には、以下の3つの方法があります。

1:点検口の設置

床下に点検口を設置することで、定期的に床下を確認でき、シロアリの被害を早期に発見できます。
点検口は、床下だけでなく、壁の中にも設置することで、より広範囲にわたって確認できます。

2:基礎断熱工法を避ける

基礎断熱工法は、断熱材を基礎コンクリートの立ち上がりと側面部分に施工する方法です。
断熱材は、シロアリにとって好ましい環境となり、侵入しやすいというデメリットがあります。
シロアリは、日光や外気を避けるため、蟻道と呼ばれる通路を作って移動します。
断熱材と基礎の間に蟻道が作られると、外から発見することが難しく、知らない間に被害が住宅全体に拡大する恐れがあります。

3:シロアリが好まない木材を選ぶ

シロアリは、木材の種類によって好みが分かれます。
ヒバやヒノキなどの、香りが強く、硬い木材は、シロアリが嫌う傾向があります。

一方、エゾマツやスプルースなどの、柔らかく、湿気を含みやすい木材は、シロアリにとって好ましい環境となります。

また、木材のどの部分を使用するかもシロアリのリスクに関わります。
中心部は水分が少なく嫌う傾向があります。
新築時には、シロアリが好まない木材を選んで家を建てることを検討しましょう。

□シロアリを寄せ付けない!日々の予防対策


新築時だけでなく、日常生活の中でも、シロアリ対策は大切です。
シロアリを寄せ付けないための、日々の予防対策をご紹介します。

1:家周りの環境整備

家の周りに、シロアリのエサとなる木材や段ボールなどを放置しないようにしましょう。
特に、地面に直接置いてある木材は、湿気を帯びやすく、シロアリにとって格好の餌場となります。
段ボールにも木材と同様の繊維が含まれるため、シロアリが寄ってくる原因となります。
不要な木材は処分し、使用する場合は、風通しの良い乾燥した場所で保管しましょう。

2:通気管理

シロアリは、湿気を好みます。
床下の通気口を塞がないようにし、換気を良くすることで、床下の湿度を下げ、シロアリの発生を抑制できます。
通気口の前に物を置かないようにしたり、定期的に掃除をして、通気口が塞がれないように注意しましょう。

3:排水管のメンテナンス

排水管の水漏れは、床下を湿気させ、シロアリが発生しやすい環境を作ります。
排水管の水漏れを放置しないように、定期的に点検を行い、必要があれば修理を行いましょう。
また、排水管のつまりも、水漏れの原因となるため、定期的な清掃が大切です。

日常生活においても、家周りの環境整備、通気管理、排水管のメンテナンスなど、できることを実践することで、シロアリの発生を抑制できます。

□まとめ


この記事では、シロアリの脅威と、新築時、そして日常でできる対策についてご紹介しました。
シロアリは、家の構造材を食い荒らすだけでなく、耐震性の低下や精神的なストレスなど、さまざまな問題を引き起こします。

新築時には、点検口の設置、基礎断熱工法を避ける、シロアリが好まない木材を選ぶなど、適切な対策を行いましょう。
大切な家は、私たち自身の力で守らなければなりません。
この記事を参考に、シロアリ対策をしっかりと行い、安心して暮らせる家を実現しましょう。

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Works(株)ホープスの建築実例

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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