和モダンの注文住宅が人気なワケとは?間取り実例やポイントをご紹介します!

家づくりにおいて外観のデザインにこだわることは、理想の家づくりを実現するための要素の1つです。
スタイリッシュなものからナチュラルなものまでデザインの種類は多く存在します。
その中でも最近人気の高まっているデザインが、”和モダン”です。
昔の日本から続く和のコンセプトに、最近のスタイリッシュさを兼ね備えた新感覚のデザインですが、なぜこのデザインが人気なのでしょうか。
そこで今回は、和モダンデザインが人気の理由と取り入れる際のポイント、考えておくべき点などをご紹介します。
また、和モダンの部屋に仕上げるコツも併せてご紹介しますので、コーディネートの参考にしてみてください。

□和モダンの注文住宅が人気の理由とは?


日本に馴染みのある和風デザインと、その真逆であると言えるモダン風のデザインを合わせた和モダンがなぜ人気を博しているのかを見ていきましょう。

*時代の流行りに影響を受けにくいため

和モダンは、シンプルながらおしゃれさも演出できるので若年層から高齢層まで馴染みやすいデザインです。
一方派手なデザインや風変わりのデザインは、その時期に流行っているのであれば問題ありませんが、時間が経って次の流行りがくれば古臭く感じてしまうでしょう。
しかし、和モダンはどの流行にも左右されない、シンプルさやおしゃれさを兼ね備えているので、どの時代にも馴染めるのです。

*畳を取り入れて和の風味をアップできる

最近では間取りに畳を取り入れる家庭も増えてきています。
和モダンの家の場合、違和感無く畳を取り入れられるのも魅力です。
ちなみに、畳にはリラックス効果や調湿効果もあるので、特に夏の季節における恩恵は大きいと言えるでしょう。

*日本の気候とあっている

実は和モダンデザインの家では、建材に自然素材を用いており、これにも調湿効果があります。
日本の夏は湿度高く、冬は湿度が低いという気候なので、調湿効果のある家に住むことで快適性アップにつながります。

□和モダンデザインの外観ポイントとは?


和モダンデザインを取り入れる上で、屋根や素材、色などの外観に注意しなければいけません。

1. 屋根の形状

・切妻屋根:従来の三角形の屋根のこと・親しみやすい形状

・陸屋根:水平な屋根を指す・重みのある雰囲気

・寄棟屋根:4方向に流れている屋根・重みのある雰囲気

・片流れ屋根:1方向にのみ流れている屋根・角度次第で印象が変化する

このように屋根だけでも種類が多いので、どれにするかで印象が大きく変わります。
理想とする外観にできるだけ近づけられるような屋根を選びましょう。

2. 素材や色

和モダンデザインをおしゃれにするためには、木材をうまく用いることが大切です。
例えば外壁や玄関などのワンポイントに木材を取り入れることで、まるで日本庭園のような雰囲気さえも演出できるのです。
このように、和の雰囲気を活かせれば重厚感のある和モダンが完成します。

また、色を選ぶ際はグレーやダークブラウンなどの、できるだけ落ち着いた色を選ぶことをお勧めします。
これによってモダンのスタイリッシュさを目立たせられます。

□和モダンデザインでは何を考慮するべき?


和モダンデザインを取り入れる際、特に壁や色使いにおいて考慮しておくべき点が存在します。

1. 土壁を用いた場合は定期的に塗り直しをする

土壁の特徴として、時間が経つと乾燥によってひび割れが発生することが挙げられます。
ひび割れが進行すれば、外観が悪くなるのはもちろんですが、家全体の安全性にも影響を及ぼしてしまいます。
対策としては、定期的に土壁を塗り直すことで乾燥を防ぐ、もしくはひび割れ予防が可能です。

2. 防音壁を導入した方が良い場合もある

障子やふすまなどで部屋を区切っている場合、どうしても部屋の音が外に漏れてしまう可能性があります。
音漏れが気になる方であれば防音壁、あるいは防音ドアを用いることがおすすめです。

3. 赤色・黒色・緑色の家具はできるだけ避ける

和モダンデザインは和を重んじた雰囲気かつ、スタイリッシュさを存分に引き上げたものです。
そのため、内装や家具も和モダンに合わせた色使いをする方が得策です。
もちろん好みにもよりますが、和モダンデザインに合わせるのであれば、シンプルで落ち着いた色やデザインの家具を選ぶことをおすすめします。

□部屋別に和モダンにするコツ


和モダンとまとめていますが、リビングやダイニング、寝室によって求められる和モダンのデザインは多少変わります。

*リビングを和モダンにする

リビングには置き畳みを取り入れることで和モダンの印象にグッと近づきます。
置き畳はカラーも豊富ですので、モダンに合う濃い色を選択するのがおすすめです。
また、ソファやテーブルは高さが低いもので統一することも和モダンのテイストには欠かせません。

リビングは家族と過ごす時間も多い場所であるため、ただ和モダンの要素を取り入れるだけでなく、開放感も感じられる家具選びがポイントです。
特に、家具選びは素材感や色味も意識して選びましょう。

*ダイニングを和モダンにする

ダイニングには、ダイニングテーブルやダイニングチェアに和モダンの要素を取り入れるのがポイントです。
空間の雰囲気によって和モダンに合う色合いや素材などは変わりますが、キーワードは「シンプル」「小物で和を演出」です。
これらのキーワードに当てはまる和モダンの家具を意識して選びましょう。
小物で和を演出する場合は、和紙製の照明器具を用いることで空間に和のアクセントがつきます。

なお、ダイニングが座卓で和の印象が強いと感じる方はモダンなインテリアを取り入れてバランスを取ることも検討してみてください。

*寝室を和モダンにする

落ち着いた空間で寝るためにも、寝室にはあまり派手な色の家具を置かないことが重要です。
また、あまり多くのインテリアは置かず、ワンポイントのインテリアのみにすることも寝心地が良い落ち着いた空間をつくるためには必要です。
和モダンに合う色は、ベージュ・グリーン・白・黒・茶色など、寝室の空間に合う落ち着いた色が多いのが特徴です。
色味を意識して寝室づくりを進めていけば、快適に睡眠できる和モダンの寝室になります。

□和モダンに人気な家具とは?


和モダンの家具を取り入れる際は、収納家具からベッドまで、さまざまな家具に用いられているデザインで揃えることが重要です。
そうすることで、部屋に統一感をもたらします。

1.橫縞デザインの家具

穏やかな印象を与え、整然とした雰囲気を醸し出すデザインが特徴的です。
シンプルでありつつ品のあるデザインで、和モダンとの相性がぴったりです。

2.縦縞デザインの家具

縦縞のデザインは、繊細さや美しさを兼ね備えており、和モダンに人気な家具です。
横縞のデザインと比べて、すっきりした印象に仕上がります。

3.格子柄デザインの家具

縦横に走る無垢材を組み上げることで生まれたデザインは、懐かしさがありながら凜とした佇まいを演出します。
和の印象が強いため、和モダンだけでなく和室にもおすすめなデザインです。
また、サイズと形が自由に変えられる拡張性や豊富な種類がある点も魅力の一つと言えます。

なお、和モダンの家具選びと並行して行いたいのが、左右非対称の家具配置です。
左右非対称に家具を配置することで、部屋全体に心地よい和のゆらぎが生まれ、余白を感じる和の風情ある雰囲気を演出できます。

□和モダンのコーディネートにおすすめの色は?


和モダンのコーディネートをする場合、組み合わせる色が部屋の印象を大きく左右します。

1.朱色

日本の伝統色でもある、鮮やかな黄色みを帯びた赤色です。
主張がやや強い色ですので、部屋全体に使用するのではなく、アクセントクロスに使用したり、棚の一部に取り入れたりするのがおすすめです。
また、レトロな雰囲気にさせる色でもあるため、落ち着いた空間がつくれます。

2.紺色

紺色と一口に言っても、茄子紺・紫紺・留紺・紺鼠などさまざまな紺色があり、あらゆるバリエーションを楽しめます。
大人しい色ですので、比較的どこに取り入れても失敗することが少ないです。
特に重厚感を演出したい方は紺色を取り入れてみましょう。

3.葡萄色

葡萄色は「えびいろ」と読み、山葡萄の熟した実のような濃い赤紫色です。
和の印象が強い深みのある色ですが、モダンでよく使用される白や黒との相性も良いです。
ファブリックや雑貨など、ポイントで使用するのがおすすめです。

4.黄金色

縁起の良い色として古くから親しまれている黄金色は、輝かしい光沢感のある黄色をしています。
照明に黄金色を取り入れたり、縁が黄金色の鏡やフレームを飾ったり、インテリアの一部に取り入れるだけでも煌びやかな印象になります。
黄金色を使用する面積が大きいとかなり目立つため、部分的に使用する程度に抑えておくことで、他のインテリアとの調和も取りやすくなります。

5.暗黒色

闇に包まれたような黒色ですので、空間を引き締める効果が期待できます。
より高級感や大人っぽい雰囲気を出したい方におすすめです。
たとえ全体的にぼんやりとした空間でも、黒色を加えるだけでメリハリのある部屋に仕上がります。
ただし、黒色を取り入れ過ぎてしまうと重たい雰囲気になる可能性があるため、全体のバランスを見ながらコーディネートしましょう。

□和風な家を建てる際に注意すべき点とは?


ここでは、和モダンデザインの”和”の部分に着目していきます。
和の家にする上で、断熱性や日当たりの良さを高めること、メリハリをつけるといった点に注意しなければなりません。
それぞれ見ていきましょう。

1. 断熱性を高める

ご存知の通り、日本には四季が存在し季節ごとに気候が異なります。
季節ごとの気候は、四季を楽しめるというメリットがありますが、場合によっては健康被害につながるリスクもあります。
その代表的な例として、”ヒートショック”が挙げられます。

ヒートショックとは、室内間の移動において、寒暖差が原因によって血圧や血管に異常が生じ、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすことがあるものです。
例えば、お風呂から脱衣所へ出た際、つまりあたたかいところから寒い場所へ出た際に起こることが多いです。
日本では、このヒートショックが原因で起こる事故も多いので、これを防ぐためにもできるだけ断熱性を高めておくに越したことはありません。

また、断熱性を高めることで日ごろの冷暖房効率を良くできるので、室内における快適性が上がるだけではなく光熱費削減という恩恵を受けることも可能です。
このように、断熱性を高めておくことは健康面や快適性、金銭面におけるメリットが大きいと言えます。

2. 日当たりを良くする

日光は、室内のあたたかさや明るさを左右するもので、できるだけ日当たりの良さを意識することも大切です。
しかし、直射日光を受けてしまうと、特に夏は室温が急激に上がり非常に暑くなってしまいます。

対策として、軒や庇(ひさし)を適切に導入することで直射日光を避けつつも、適度な日当たりを確保できます。
また、窓の位置を北側にすることも日当たり確保の方法としておすすめです。

3. メリハリをつける

和風の家は、建材にこだわっていることが多く、こだわりすぎるとその分コストが跳ね上がってしまいます。
こだわりたい箇所の優先順位をつけ、本当に必要な部分にコストをかけることを意識しましょう。

□和モダンの家の間取り実例とは?


和モダンデザインを取り入れる上で間取りをこだわると、さらにおしゃれさをアップできます。
その間取り例を見ていきましょう。

*中庭

中庭を導入することで日当たりを確保できるだけでなく、盆栽や植物などを設置し日本庭園のように仕上げられます。
これによってさらに和モダンのスタイリッシュさが際立つでしょう。
また、周囲からの視線も気にならないのでプライバシー面もバッチリです。

*畳のある茶の間を設置する

思い切ってリビングを和室にしてみても良いでしょう。
ご飯を食べる時もくつろぐ時も、畳でリラックスできます。
畳は、リラックス効果があるので自然と落ち着いてくつろげるでしょう。

□まとめ


和モダンは、日本の風情ある雰囲気とスタイリッシュさが兼ね備わっているデザインです。
流行に左右されない軸のあるデザインなので、いつの時代でも通用するのが強みとして挙げられます。
日本の気候との相性も良く、暮らしやすさの面でも優れていると言えるでしょう。
和モダンを取り入れる時は、断熱性や日当たりを確保することで、さらに快適な家づくりを実現できます。

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Works(株)ホープスの建築実例

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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