ガレージハウスは価格ごとにどんな風に建てられる?メリットや注意点もご紹介します!
家づくりをお考えで、かつ車をお持ちの方の場合は、自宅に駐車場が欲しいですよね。
もちろん近くの賃貸駐車場を借りることも可能ですが、自宅にある方が便利でしょう。
そこでおすすめなのが、「ガレージハウス」で、最近注文住宅のオプションとして人気を博しています。
ただ人によっては、注文住宅の費用に加えてガレージハウスの購入は厳しいという方もいらっしゃるかもしれません。
しかしガレージハウスはいくつかの価格帯に分かれていることに加え、長い目で見れば維持費もコスパが良くなる場合があります。
今回はこのガレージハウスの価格やメリット、維持費などに焦点を当ててご紹介します。
□価格別のガレージハウスについて
ガレージハウスは、仕様によってそれぞれ価格が異なります。
これからガレージハウスを導入しようとお考えの方は、まずは仕様を把握しそこから価格を見ていくことをおすすめします。
ガレージハウスの仕様は、「別棟で建てる場合」「後付けにする場合」「新築に組みこむ場合」の3パターンに分かれます。
「別棟で建てる場合」
すでに完成しているガレージであれば40~50万円、コンクリートを用いて基礎工事から行うタイプのガレージであれば80万円からが価格の相場です。
これは、家の隣や庭にあるスペースを利用して、車庫やカーポートを別棟、つまり単独で建てる方法です。
他のガレージハウスに比べてコストパフォーマンスが良く、家づくりがすでに終わっている方でも比較的導入しやすい仕様になっています。
ある程度のスペースさえあれば導入できるのが魅力ですね。
「後付けにする場合」
これは既存住宅をリフォームして、後から1階部分をガレージにするという方法です。
価格の相場は車一台分あたり300万ほどになります。
なぜかというと、もともと居住部であった1階部分における開口部を大きくする工事や、シャッターや換気、防犯設備の導入といった大規模な工事が必要になるからです。
加えて1階部分をリフォームするのに伴い、家全体の構造や基礎部分を補強することも多いので、その分の施工費用が高くなる原因なのです。
「新築に組みこむ場合」
これは家を新築する際に、もとからガレージを組み込むスタイルのガレージハウスです。
価格の相場としては、家の仕様によって大きく変動するので、施工業者との相談の際に確認してみましょう。
新築に組み込むタイプのガレージハウスは、自分たちの希望する大きさやデザインにできるため、世界で一つだけのガレージハウスを実現可能です。
□ガレージハウスを導入するメリットとは?
ガレージハウスを導入するメリットは、「防犯性を高められる」「雨風や汚れから愛車を守れる」「ガレージ内でも楽しめる」「車の利用・荷物の運搬が楽」「普段使いも便利」の5つです。
「防犯性を高められる」
ガレージハウスの種類にもよりますが、シャッターをおろしておくことで外から車が見えることが無いので、いたずらや盗難の防止に繋がります。
車好きな方であれば、自身の愛車を隔離した空間で守れるのは心強いですよね。
一方で外に駐車するタイプの駐車場の場合、意図的な盗難やいたずらはもちろん、子どもがボールやおもちゃをぶつけてしまうといった意図的でない事故に遭う可能性もあります。
「雨風や汚れから愛車を守れる」
こちらもガレージの仕様によりますが、基本的には周囲を壁や天井、シャッターに囲まれていることが多いので、雨風や黄砂や花粉、汚れから守ってくれます。
これによって洗車の頻度を減らせるというメリットもあります。
また台風や風が強い時は、飛来物によって車が傷ついたり外観の劣化につながる可能性がありますが、ガレージハウスならそんな心配もありません。
「ガレージ内でも楽しめる」
特に車が趣味の方には魅力的で、ガレージハウスという密室で車をカスタムしたり洗車できたりします。
この際に換気や冷暖房設備を整えておけば、快適さも兼ね備えられます。
外の駐車場の場合、他人の目や近隣の車の影響で中々難しいかもしれませんが、周囲を気遣わなくても良いというガレージハウスならではの魅力です。
「車の利用・荷物の運搬が楽」
ガレージハウスと家の距離が近ければ車の乗り降りが非常に楽です。
特に雨風の強い日は濡れずに乗り降りができ、買い物帰りもガレージ内からすぐに家中に荷物を運べるので日常生活のプラスにもなるでしょう。
「普段使いも便利」
ガレージハウスは車をどければ他の用途にも使えます。
例えば家族でバーベキューをしたり、子どもの遊び場にしたり、大人同士でゆっくりとお酒を飲んだりと様々です。
しかもシャッターを閉じれば、周囲の目を気にしなくても良くなります。
□注意点について
ガレージハウスを導入する際の注意点は、「施工コストが高い」「居住スペースが削られる」「設備を整える必要がある」の3つです。
「施工コストが高い」
1階の居住部分のリフォーム、耐震工事・基礎部分の強化など、費用がかかる施工が多いため、その分の施工コストは高くなってしまいます。
ガレージハウス単体での費用は問題なくても、耐震工事にかかる費用が厳しいというケースも考えられます。
そのため、施工コストがある程度かかることは念頭においておきましょう。
「居住スペースが削られる」
住宅内に組み込むタイプのガレージハウスの場合、居住部分を犠牲にしなければいけないので、その分の面積が減り間取りの自由度が下がる可能性があります。
人によって優先順位は異なると思いますが、まずは部屋の間取りを確定させてからガレージハウスの間取りを考えることで、生活に対する影響を抑えられます。
「設備を整える必要がある」
密室型のガレージハウスの場合は、シャッターを下ろすと夜は暗くなるので照明を設置しておく方が良いです。
また、排気ガスがたまると健康への被害もあるので、必ず換気設備は整えておきましょう。
加えて、エンジン音やシャッター音が居住部まで響く可能性が高いので、防音設備を整えたり間取りを工夫したりしましょう。
例えば寝室はガレージハウスから離しておくと寝ている時に起こされることも減るでしょう。
□ガレージハウスのランニングコストとは?
ガレージハウスでなく賃貸の駐車場を借りた場合、月に2万円と仮定しても1年で24万円、今後20年~30年住むとなれば480万円~780万円かかることになります。
一方でガレージハウスの場合、施工費用を払ってしまえばここまで維持費がかかることはありません。
もちろん仕様によっては高くなりますが、コスパ良く設置できれば駐車場を借りるよりも安い維持費で済みます。
□家の間取りとどう合わせるべき?
ガレージハウスと間取りの組み合わせ方を工夫することで、住宅全体をおしゃれにもできます。
組み合わせ方の例を見ていきましょう。
*リビングとガレージを隣にする
家族で過ごすリビングをガレージの横につけ、大きめの窓を用いれば、まるでショールームのように仕上げられます。
リビングからガレージハウスへ入れるようにすれば、普段の出入りも簡単にできます。
そして何より、リビングからガレージハウスにある愛車が見られるのは魅力ですよね。
*コの字型間取りとガレージで中庭を囲む
この組み合わせにすることで、車を降りてすぐに中庭がある設計になり、非常に開放感を持たせつつプライベートスペースとして独立させられます。
また、ガレージハウスと居住部の間に中庭が挟まるため、騒音や排気ガスのにおいに関する問題も解決できるでしょう。
□ガレージハウスのメリットを最大限に引き出すには?押さえておきたいポイントを紹介
ガレージハウスのメリット・デメリットを紹介しました。
ここでは、そのメリットを最大限に引き出すための4つのポイントを紹介します。
1、ガレージに必要な広さを将来のことも考えて決めること
お子さんがいるご家庭であれば、今は小型車で十分でも、将来は大型車になるかもしれません。
また、車は日々進化しているため、将来は電気自動車を購入するかもしれません。
このように、将来のことを想定したうえで、ガレージハウスの広さを決めましょう。
2、強度を確保すること
ガレージハウスは、車を出し入れする場所なので、広い間口が必要です。
日本は地震が多い国ですので、災害に備え、ガレージと居住空間を繋ぐ構造部分は、十分な耐震強度を確保する必要があります。
3、防犯対策、換気対策の設備を整備すること
防犯対策には、防犯カメラやシャッターを設置しましょう。
また、ガレージから家の中に入った排気ガスの匂いは抜けにくいです。
そのため、換気システムの設置が必須です。
加えて、車の音や外の気温も気になることろ。
防音・断熱対策を行いましょう。
4、ランニングコストと建築費のバランスを考えること
戸建て住宅の場合、駐車場代や固定資産税の負担が軽減される可能性も。
事前に建築コストとランニングコストを把握しておきましょう。
□ガレージハウスの価格を抑えるには?
ガレージの建築費用は、設置するガレージのパターン以外にも、素材やサイズによって大きく変わります。
では、費用を抑えるにはどのような素材やサイズを選ぶといいのでしょうか。
*素材について
ガレージは、基本的に木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のいずれかになります。
素材ごとの価格は、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の順に高くなります。
木造の場合、100万円から150万円になります。
外観のインパクトがあり、木のぬくもりを感じるガレージにできます。
ただし、木造は紫外線や雨によって経年劣化しやすいため、湿気対策が必須です。
定期的なメンテナンスを行いましょう。
鉄骨造の場合、150万円から250万円になります。
木造に比べるとメンテナンスしやすく、耐久性が高いです。
汚れも付着しにくいため、高圧洗浄機を使えば簡単に外壁の掃除ができます。
ただし、錆びやすい点には注意してください。
鉄筋コンクリート造の場合、200万円から300万円になります。
鉄骨の枠組みにコンクリートを流し込んで固めたものなので、気密性、遮音性、耐火性、耐震性に優れています。
ただし、熱伝導が高いため夏にガレージ内が高温になりやすいです。
また、気密性の高さから湿気がたまりやすく、換気システムの設置が必要です。
*サイズについて
車の収容台数と、その車のサイズで費用が大きく変わります。
車1台の収納に必要なガレージのサイズは、国産車で2.5m×4.8m以上、大型車だと3m×6m以上のサイズがあるといいでしょう。
加えて自転車を置いたり、趣味のものを収納するスペースを設けたりする場合は、さらに余裕を持たせる必要があります。
素材とサイズのバランスを考えて、ガレージを選ぶようにしましょう。
□どのようなガレージハウスがいいか迷っている方へ!事例を紹介
ここでは、ガレージハウスの事例を6つ紹介します。
1、ロフトのあるガレージハウス
ロフトを設けることで、ガレージハウスの中にもプライベートな空間を作れます。
また、ロフトを収納場所として活用することで、ガレージ内が散らからずにすっきりした状態を保てます。
2、窓をたくさん設置したガレージハウス
ガレージの上部に窓を設けることで明るさを保てます。
また、窓を開けられるようにすることで、換気もできるでしょう。
3、土間収納と一続きのガレージハウス
ガレージをコンパクトにしながらも、土間収納と繋げることで収納スペースを十分に確保できます。
ガレージと繋がっていることで、土間収納の中にある物の出し入れもしやすいです。
4、エアコン付きのガレージハウス
バイクや車が好きで長時間ガレージにいたい、という方には、エアコンの設置もおすすめです。
バイクや車を手放した後は、居住空間としての再利用も可能になります。
5、リビングからガラス張りで見えるガレージハウス
ガレージと居住部分を隔てる壁をガラス張りにし、リビングと接する配置にすることで、リビングにいながら愛車を眺められます。
6、狭い家のガレージハウス
ガレージハウスは広い土地でないと実現できない、と思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、構造がしっかりしていれば、狭い土地でもガレージハウスを建てられます。
2階、3階を居住スペースにすることで、日が差し込みやすくなって明るく開放感のある暮らしにできるメリットもあります。
□まとめ
ガレージハウスにはいくつか仕様があり、これによって価格の相場も変動します。
特に新築住宅への組み込み、既存住宅の1階部分をリフォームして作るガレージハウスの場合、それに伴う耐震工事・基礎部分強化にコストがかかるため注意が必要です。
また、コスト面が解決できても、騒音や排気ガスに対する対策も必要なので、換気・防音設備を整えることを忘れずに行いましょう。
とは言っても、ガレージが自宅にあるとの利便性や安全性は非常に抜群であるため、車を所有されている方は一度検討してみてはいかがでしょうか。