家づくりに失敗しないために!注文住宅の玄関の基礎知識を解説します!

こだわりの注文住宅を建てたい方はいらっしゃいませんか。
そんな方へ今回は、失敗しないための玄関づくりについて解説します。
玄関は家の顔であり、家族に限らずさまざまな人が利用しますよね。
そんな玄関をつくる際に気をつけるべきポイントを詳しくご紹介します。

□玄関の役割とは?


まず初めに玄関の役割から確認しましょう。
玄関とは建物の出入り口のことを指しますね。
日本では古くから玄関で靴を脱ぐことが一般的です。
靴やコートを脱いで、外と室内を分けています。

玄関は土間の部分と1段上がった廊下部分に分かれています。
土間部分を「タタキ」と呼び、廊下部分を「ホール」と呼びます。

玄関の役割は大きく分けて3つあります。

1、気持ちの切り替えを促す役割

家から外に出る際には、外出するための心構えを促し、帰宅した際にはリラックスさせてくれます。
靴を着脱することで、効果的に気持ちの切り替えができるでしょう。
気持ち良く気分の切り替えができるようにするために、靴が脱ぎやすい玄関であることや収納に困らない玄関であることが重要です。

2、家に上がる準備をする役割

靴を脱がなければ家には上がれませんよね。
玄関は、靴やコートを脱いで室内に上がる準備ができる場所です。

3、外出の準備をする役割

家に入る準備場所であるとともに外出する準備をする場所でもあります。
玄関では靴を履いたりコートを着たり、外出にあたって忘れ物がないように準備をしっかりと行いましょう。

以上の役割を事前に把握して、どのような玄関をつくれば気持ちの良い毎日が送れるかを考えて設計することをおすすめします。
通勤や通学に行く際に、少しでも気持ちの良い気分の切り替えができると良いですね。

 

□玄関に必要な広さは?

玄関の一般的な幅は1.35m以上で、広さは1.5坪程度とされています。
また、奥行きは1.2m以上あれば窮屈さを感じずに生活をできるでしょう。

ただし、家族の人数や希望のライフスタイルによって、必要な玄関の幅・広さは変わってきます。
どのように玄関を活用するかを考えることが大切です。

玄関の広さは、少し広すぎると感じるくらいが案外ちょうど良い広さと言われています。
玄関には靴や荷物を置くスペースを設ける必要があるからです。
以下は、家族の人数別に玄関の広さの目安となります。
・2~3人家族 1.5坪~2.0坪
・3~5人家族 1.8坪~2.5坪
・6人以上  2.2坪~3.0坪

玄関は広ければ広いだけ良いと思いがちですが、実は広い玄関にもデメリットがあります。
ここからは、広い玄関・狭い玄関のメリットとデメリットを見ていきましょう。

まずは広い玄関のメリットです。

・開放感がある玄関になる
・身支度をしたり靴のお手入れをしたりするスペースができる
・傘やアウトドア道具を置くスペースができる
・車いすでも行き来しやすく、バリアフリーな玄関になる

続いてはデメリットです。

・施工費用が高くなる
・玄関以外に割けるスペースが狭くなる

玄関が広ければ、バリアフリー化のためのリフォームをすることも可能です。
一方、リビングをはじめとした他の部屋に割り当てられるスペースが狭くなるため、本当に広い玄関が必要かどうかをしっかり検討する必要があるでしょう。

狭い玄関のメリットは以下の通りです。

・玄関以外に割けるスペースが広くなる
・余計な荷物が置かれておらず、すっきりした玄関になる

以下、デメリットです。

・収納スペースを取りづらい
・車いすやベビーカーで出入りしにくい
・バリアフリーリフォームでスロープや手すりを設置すると、窮屈に感じる

リフォームをすると玄関がより狭く感じてしまうため、場合によってはバリアフリー化のために玄関を広くするリフォームが必要になるでしょう。

 

□玄関の間取りのパターンをご紹介!


上記では玄関の役割をご紹介しました。
玄関を設計する上で間取りを考えることは非常に大切です。
ここでは玄関の間取りの6つのパターンをご紹介します。

1、玄関にシューズボックスを設置した間取り

最も一般的なもので、玄関の横の壁に靴を収納できるボックスがあるパターンです。
ただ、シューズボックスのタイプは壁面収納から吊戸棚までさまざまあります。
玄関に充てられる面積や用途に応じて選択すると良いですね。

2、玄関とシューズクローゼットの組み合わせ

シューズクローゼットは、土足で入れるスペースに収納がある点がシューズボックスと異なります。
また通常は、人が中に入れるほどの大きさを有しています。
そのため、ゴルフ用品などのスポーツで使うアイテムやアウトドア用品を多く所有しているご家庭に適しているでしょう。

3、ウォークスルーシューズクローク

これは近年注目されているもので、シューズクロークから室内に入っていける点が特徴です。
玄関とシューズクローク、そして廊下が繋がっているため、収納の利便性に優れています。
雨が急に降ってきて濡れてしまった場合でも、このスペースで着替えができますね。

4、吹き抜けのある玄関

ドアを開けると吹き抜けになっている家のことです。
広々とした圧倒的な開放感が魅力でしょう。
また、自然光を効果的に室内に取り込めるため、明るい玄関を実現できます。

しかし、吹き抜けの玄関は魅力的な一方で費用がかかってしまう傾向にあります。
慎重に吟味するようにしましょう。

5、リビングと一体になっている

玄関には廊下が続いていることが一般的ですよね。
このパターンの間取りは廊下をほとんど設けずに、玄関の目の前をリビングにするものです。
廊下をつくらないことで、十分な広さのリビングが確保できるでしょう。

6、インナーガレージと一体になっている

インナーガレージとは家と一体になっているガレージのことを指します。
インナーガレージを利用することで、玄関から外に出ることなく直接車に乗れますね。
特に雨が降っている場合にはあるとうれしい設備です。

ただ、ガレージを設置するのには費用がかかります。
住宅の間取りによっても設置できるかどうかが異なるため、ご希望の方は当社までご相談ください。

 

□玄関づくりで気をつけたいポイントをご紹介


玄関にも様々なパターンが考えられましたね。
ご自身の理想と便利さの両方を考慮することが重要です。
ここでは失敗を防ぐために参考にしたいポイントをご紹介します。

*収納

玄関は意外と収納物が多い場所です。
おしゃれ好きな方であれば、持っている靴の数も多いでしょう。
玄関に収納を十分に設けないと、居室に靴やアウトドア用品を片付ける必要が出てくるでしょう。

玄関の収納を考える際は、家族全員分の収納物はもちろんのこと、家族が増えた際のことも考慮して多めにスペースを確保することをおすすめします。
お子さんがいる家庭では、これからどんどん靴のサイズも大きくなったり部活動のものが増えたりするでしょう。

*玄関ドア

玄関ドアは家の印象を左右することもあります。
最もこだわりたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デザインだけでなくさまざまな素材もあるため、工夫を詰め込めますね。
素材にはアルミやスチールなどの金属製のもの、またはガラスが埋め込まれたものなどがあります。

その上、ドアの形も片開きや両開き、引き戸など、さまざまな種類があります。
それぞれの特徴を把握して選ぶことが大切です。

*玄関照明

照明は空間の雰囲気をつくり上げます。
玄関が演出する雰囲気にこだわりたい方も多くいらっしゃるでしょう。
間接照明などをうまく利用すれば、一段上のおしゃれな家を実現できます。

また、照明はその機能性にも着目すると良いでしょう。
例えば、人感センサー付きの照明は自動で反応して明るくなるためとても便利です。

*鏡

玄関に鏡はあるでしょうか。
玄関に鏡を設置することで、お出かけ前に全身の最終チェックができます。
洋服と靴との組み合わせも確認できるため、あると便利でしょう。
鏡の付いたシューズボックスもあるため検討してみてください。

 

□玄関設計でよくある失敗

続いて、注文住宅の玄関でよくある失敗について解説します。

1つ目にご紹介するのが、「予想よりも狭く使いづらい」というケースの失敗です。

リビングやキッチンにスペースを広く取った結果として、玄関のスペースを十分に確保できないといったことが起こり得ます。
複数人が靴を同時に着脱できる程度のスペースは確保したいところです。
また、十分な広さを取ったつもりでも、靴箱に入りきらなかった靴や子どもが外で遊ぶためのおもちゃを置くと予想より狭くなってしまうケースがあります。

近所の方や新聞集金の方、学校の先生など、玄関で人と話す機会は意外と多いため、収納を十分に確保してすっきりとした印象に保つようにしましょう。

2つ目は、「十分に採光ができず、暗い玄関になってしまった」という失敗です。
これは玄関近くに窓がないことにより起こり、1日中照明が必要になって電気代がかさむことになってしまいます。

対策としては、玄関ホールやドアにスリット状の窓を付けることが有効かもしれません。

3つ目は、「玄関から見える室内の風景が気になる」というケースの失敗です。
玄関からリビングが近いと実用上は便利ですが、来客時にリビングが丸見えだと生活感が丸出しになってしまいます。
玄関から見える室内にも注意を払いながら間取りを考えておけば、急な来客時でもプライバシーを確保することが可能です。

 

□玄関の適切な配置場所はどこ?

注文住宅の玄関について考える時、配置が論点になってきます。
玄関はこの方角に置くべきといったものはありませんが、方角ごとに特徴があります。
それぞれの方角ごとにどんなメリット・デメリットがあるかを把握しておくことが大切です。

まずは東に玄関を配置する場合です。
東は朝日がよく入る方角なので、そこにリビングやダイニングをもってきたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
そのような希望が特段なければ、東に玄関を配置してもメリット・デメリットは生じないでしょう。

続いて、西に玄関を配置する場合です。
西日が入ることから、リビングの西側に大きな窓を設けることは一般的には避けられます。
ただ、玄関に大きな窓を設けることは少ないので、そういった意味では西側のスペースを有効に使えるかもしれません。

南は、一日を通してよく日が入る方角になります。
そんな南側に玄関を配置することで、採光しやすいスペースが少なくなってしまうことも考えられるでしょう。

最後に北側の玄関です。
玄関を北側に配置することで、南側にリビングを配置しやすいといったメリットがあります。
玄関が暗くなってしまうのでは、と心配されるかもしれませんが、北側はやわらかい日光が安定して入る方角です。
玄関の高い位置に窓を設けて、そこから光を取り入れると良いでしょう。

また、玄関と道路との位置関係も気になるところです。
建物の北に道路がある場合は、北に玄関、南にリビングを配置することが多く、リビングで過ごしていても道路からの視線を気にしなくて済むというメリットがあります。

 

□防犯対策も忘れずにしましょう!


上記では玄関をつくる上で考えて欲しいポイントをご紹介しました。
収納や照明などは、生活をより便利にするために欠かせませんね。
しかし、それだけではなく防犯面も重要です。

新しく家を建てる際は以下の防犯対策も確認することをおすすめします。

1、玄関前の見通し

家の周りを高い塀などで囲っていることもありますが、実は防犯上おすすめできません。
その理由は、塀や庭木などで見通しが悪いと、泥棒が家に侵入しても人目につかないからです。
プライバシーは確保しつつ家が完全に囲われないようなつくりにしてください。

2、錠前が2つ以上ついているか

侵入に手間がかかる家は泥棒も避ける傾向にあります。
ご自身の手間にもなるかもしれませんが、錠前は2つ以上つけるようにしましょう。

3、ガードプレートをつけているか

ドアがこじ開けられないように、隙間を防ぐためのガードプレートをつけることが大切です。

4、モニター付きインターホンや防犯カメラを導入しているか

モニター付きインターホンは家の中から訪問者を確認できるため、非常に安心できる防犯対策です。
ぜひ導入することをおすすめします。

 

□まとめ


今回は、注文住宅を検討中の方へ玄関づくりのポイントをご紹介しました。
玄関は大切な役割を担っている場所で、家の顔でもあります。
デザイン面だけでなく機能面も重視して理想の玄関をつくってみてください。

当社はお客様に寄り添った家づくりを行っております。
注文住宅を検討中の方はぜひご相談ください。

 

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Works(株)ホープスの建築実例

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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