無垢フローリングの種類やお手入れ方法とは?メリットとデメリットについて解説!
最近話題の無垢フローリングをご存じでしょうか?
注文住宅を建てる際にはとことん家の内装にもこだわりたい方が多いと思います。
そこで、今回は無垢フローリングの特徴とメリットデメリットをご紹介します。
是非参考にしてください。
□無垢フローリングとは?
無垢フローリングとは、天然木100パーセントで作られた最近注目されているフローリングです。
無垢の木材とは、集成や積層などの木と木を継ぎ足す加工を行わない木そのものの材料です。
継ぎ足しがゼロではなくてもほとんど継ぎ足しのない木材や、大きなパーツが組み合わせられた木材なども無垢の木材です。
加工があまり施されていない自然素材のため、優しく暖かい雰囲気の部屋作りに最適でしょう。
□無垢フローリングの種類とその魅力
無垢フローリングでよく用いられる5種類の木材に焦点を当て、それぞれの特性と魅力について解説します。
1.パイン(松)の心地よさ
パイン材は、自然界の素朴な美しさをそのままに、居住空間に温もりをもたらします。
この木材は柔らかく、傷がつきやすいという特性がありますが、それが逆に生活の中での「変化」を楽しむ要素となります。
特に、日々の生活の中で木材の変化を楽しみたい方には、パイン材が最適です。
2.スギの和の香り
スギは、日本の風土に根ざした木材であり、その柔らかな肌触りは小さな子供から大人まで安心して楽しめます。
スギ特有の香りが空間を満たすことで、まるで森林浴をしているかのような癒しを感じられるでしょう。
香りと触感、両方の感覚で木の温もりを感じたい方には、スギがおすすめです。
3.ヒノキの高級感
ヒノキは、歴史を感じさせる高級な木材として知られています。
湿気に強いという特性を持ち、さらには抗菌・消臭効果もあるため、健康面でも優れています。
高級感と機能性を兼ね備えたフローリングを求める方には、ヒノキが最適です。
4.チェスナット(栗)の美しい木目
チェスナットは、栗の木から作られるフローリングで、その美しい木目が特徴です。
傷がついても、磨くことでその美しさを保ち続けられます。
また、塗料との相性も良く、自分自身でカスタマイズする楽しみもあります。
美しい木目と自分での加工を楽しみたい方には、チェスナットがおすすめです。
5.オーク(ナラ)の耐久性
オークは、ナラの木から作られ、その耐久性が高いことで知られています。
特に、家具を動かすなどの日常生活での衝撃にも強く、長く使い続けられます。
さらに、日焼けによって色味が変わるため、時間とともに風合いが増す点も魅力です。
耐久性と変化を楽しみたい方には、オークが最適です。
□無垢フローリングを選ぶときのポイント
無垢フローリングは、それぞれ異なる特性と魅力があるため、どれにするのか選ぶときのポイントについて解説します。
1.樹種の風合いと肌触りを体感する
無垢フローリングの魅力は、その樹種ごとの独特な風合いと肌触りにあります。
ショールームに足を運び、目と手でその質感を確かめることが、後悔しない選択に繋がります。
床暖房を導入する場合は、実際に触れることで心地よさがよく分かることでしょう。
2.空間全体の調和を考慮する
フローリングは部屋の大部分を占めるため、その色や質感が空間全体に影響を与えます。
家具や建具との色の調和を考え、統一感のある空間を創出することが重要です。
特定の場所だけ高級な樹種を用いることで、リビングや玄関が一層引き立たせられます。
空間ごとに樹種を変えることで、多彩な雰囲気を楽しむ余地も広がることでしょう。
3.環境に優しい木材を選ぶ
無垢材には品質に差があり、違法伐採されたものも市場に出回っています。
合法伐採され、環境に配慮した木材を選ぶことで、持続可能な美を手に入れられます。
計画的な植林が行われているか、木材が循環する仕組みが整っているかも確認のポイントです。
□無垢フローリングのお手入れ方法の注意点
無垢フローリングはその美しい質感と温もりで多くの人々を魅了しています。
しかし、その美しさを長く保つためには、適切なお手入れが欠かせません。
以下では、無垢フローリングのお手入れにおけるポイントについて解説します。
1.乾拭きが基本
乾拭きは無垢フローリングのお手入れの基本中の基本です。
水分は無垢材にとって大敵であり、過度な水分が原因で反りやねじれが生じる可能性があります。
乾いた雑巾やモップ、掃除機を使って、日常的にフローリングの表面を清潔に保ちましょう。
毎日の乾拭きが、長期的な美しさを保つ秘訣です。
2.水拭きは計画的に
水拭きは1か月から3か月に一度程度と、頻度を控えめに行います。
水拭きを行う際は、雑巾をしっかりと絞ることが重要です。
水分が床に残ると、反りやねじれの原因となるため、拭き取りは速やかに行いましょう。
特に気になる汚れがある場合は、専用の洗剤や水に溶かした中性洗剤で丁寧に落とします。
3.大掃除で徹底的な汚れ落とし
年に1度の大掃除では、専用のクリーナーを用いて汚れを落とします。
日常のお手入れで落としきれない汚れも、このタイミングでしっかりと取り除きましょう。
クリーナーを用いる際は、フローリング全体に均一に塗り込むことが大切です。
目立つ汚れだけでなく、隅々まで手を抜かずに清掃することが、美しいフローリングを保つコツです。
*緊急時の再塗装
何らかの理由でフローリングの塗装が劣化した場合、再塗装が必要となります。
再塗装を行う前には、乾拭きや掃除機でしっかりとほこりを取り除きましょう。
ほこりや汚れが残っていると、塗装がムラになる可能性があります。
塗装作業では、ブラシを用いて木目に沿って丁寧に塗り込むことが求められます。
□無垢フローリングのメリットとデメリットとは?
*無垢フローリングのメリット
1つ目のメリットは、調湿作用です。
無垢材は自然素材であるため調湿作用に長けています。
梅雨や夏の湿度の高いジメジメとした時期には、空気中の水分を吸収し空気をカラッとさせて、逆に冬の乾燥する時期では、湿度が低い時には水分を放出させます。
湿度を一定に保つことで高温多湿の日本の夏でも快適に過ごすことができるでしょう。
2つ目のメリットは、風格です。
天然の木材を加工なしで利用しているため、年月が経つほどに風格が現れるでしょう。
年月が経ち、色合いや艶が変化していき無垢の床の味わいが深くなります。
この現象は劣化しているわけではなく、紫外線による成分の変化による現象です。
時間の経過とともに味わいが深くなりその変化も楽しめるのは素敵ではありませんか。
3つ目のメリットは、本物の木質感です。
無垢材は板目や色、柄の本物ならではの木質感が魅力でしょう。
例えば、丸太の切り方1つでも年輪が平行ではなく山の形をする板目と年輪が平行な木目の柾目とがあります。
この木目の違い一つでも与える印象がガラリと変わるでしょう。
このように天然の木材ならではの風合いを楽しめるのも無垢材の魅力です。
また、木材は熱伝導率が低く、冬の寒い時期でも足から体温を奪われにくいです。
触り心地も柔らかく温もりを感じられるでしょう。
4つ目のメリットは、身体に優しい点です。
複合フローリングに使われる化学接着剤から出る化学物質によりシックハウス症候群という症状が引き起こされることがあります。
しかし、無垢フローリングでは化学接着剤未使用のため身体に害を与えることなく生活できる人にやさしいフローリングと言えるでしょう。
*無垢フローリングのデメリット
1つ目のデメリットは、費用面です。
比較的に安価な複合フローリングと比較すると天然の木材を使用するため、費用がかかります。
また、大工の施工費も高いと言われているので、安くすませたい方には向きません。
2つ目のデメリットは、傷やシミがつきやすい点です。
無垢材は天然の木材のため柔らかく、傷がつきやすいです。
全部が当てはまるわけではありませんが、一般的に広葉樹の方が針葉樹よりも硬いと言われています。
しかし、傷がついても無塗装フローリングの場合は水分を吸収させて膨らませたり、削ったりすることで対処できることもあります。
長い年月が経ち、傷が目立つようになると全面を薄く削りなおすことでフローリングが再生し、新品同様にきれいになるでしょう。
この対処法は複合フローリングにはできない、自然素材ならではの方法です。
3つ目のデメリットは、曲がりや割れができやすい点です。
木材の中の水分が抜け、乾燥することで木材が曲がったり割れたりすることがあります。
フローリングの木材は強制乾燥を行い含水率を12パーセントから15パーセントに落とした後に製造されますが、木材であるため、鉄やプラスチックのように均一の含水率を維持するのは難しいでしょう。
しかし、現代の乾燥技術や加工技術の発展により曲がりや割れは少なくなっています。
4つ目のデメリットは、フローリングの隙間ができる点です。
メリットで挙げた調湿作用という特徴があるので、水分を吸収したり、放出したりすると膨張や収縮が起きます。
しかし、フローリングの施工方法や対処次第ではその問題点を最小限にカバーできるでしょう。
冬の乾燥する時期には隙間ができやすく、溝に埃やゴミが挟まる可能性が高いので清潔に保つために掃除をこまめに行いましょう。
以上が無垢フローリングのメリットとデメリットです。
今回挙げたのは一般的に言われている項目であり、樹種によっても多少の違いがありますので、無垢フローリングを検討される際は、取り入れたい樹種の特徴を改めて調べることが理想でしょう。
□まとめ
今回は、無垢フローリングのメリットとデメリットをご紹介しました。
優しく温かい雰囲気の内装を作りたい方にはおすすめのフローリングです。
樹種を詳しく調べた上で、用途や目的、好みを考慮し理想のフローリングを作りましょう。
本記事が無垢フローリングを選ぶ際の参考になれば幸いです。