限られた床面積の狭小住宅では、家族の持ち物をしっかり収納できないと、すっきりした部屋を維持できません。しかし、収納に床面積を使い過ぎてしまうと、居室が狭くなってしまいます。寝室や子供部屋などに、それぞれの部屋面積を削ってクローゼットを設ける方法もありますが、家族で共用できるウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットを設置するという方法も考えられます。家族の暮らしにあった使いやすいクローゼットについて考えてみましょう。

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使い勝手の良いウォークインクローゼットの広さ

ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットは、部屋のような、クローゼットです。ウォークインクローゼットは、出入り口が一つですが、ウォークスルークローゼットは出入り口が2つあり、通り抜けできます。

形も広さも間取りの状況に合わせて設置でき、内部の棚とハンガーパイプも、収納する物や衣類の量に合わせて取り付けられます。季節ごとの衣類を全て収納できるので、衣替えの季節に衣類を交換する手間が省けます。また、使わない季節の衣類もハンガーパイプにかけて収納しておけるので、通気性が良く、湿気による被害を抑えられます。

クローゼットは、ハンガーにかけた厚手のコートがかけられる程度の奥行と、部屋の広さに合わせた間口で作れるので、それほど床面積を削られません。ただし、季節ごとの衣類を衣装ケースに入れずクローゼットに収納したければ、広い間口が必要です。

ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットは、出入りのできるクローゼットなので、最低でも2畳以上の広さがないと、使い勝手の良い収納スペースにはなりません。例えば、並行してハンガーパイプを取り付ける場合には、2列のハンガーパイプの間を楽に通り抜けられるだけの幅が必要です。ウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットに使える幅が1メートル80センチ以上ない場合には、片側を棚、片側をハンガーパイプにするタイプにしておいた方が使い勝手が良くなります。棚側には、ハンガーパイプほどの奥行きが必要ないからです。奥行きを深く取ると、奥の物が取り出しにくくなり、却って使いにくくなってしまいます。棚の奥行や高さは、具体的に置くものに合わせて決めると無駄なく使えます。しかし、長年のうちには収納する物が変化することもあるので、棚の一部は高さが変えられる可動式にしておくのも良い方法です。

特に子供のいる家庭では、数年後には子供の衣類が今より嵩張るようになり、勉強道具も増えることを見越してクローゼットの広さと棚の高さを決めることが大切です。

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どこに設置する?

クローゼットの種類や広さの他に、設置する場所によっても使い勝手が変わってきます。

玄関

たたきに靴が溢れる、子供が帰宅後、リビングに上着やカバンを置きっぱなしにするなど、帰宅後の靴や荷物で、玄関やリビングは散らかりがちです。子供のいる家庭で、主婦のストレスの一つとしてあげられるのが、玄関やリビングが片付かないことです。

玄関に収納力の高いウォークスルークローゼットがあれば、帰宅後、靴やコートをしまってから、リビングに入るという動線が作れます。子供がいる場合、扉のあるウォークインクローゼットより、ウォークスルークローゼットの方が小さいうちから自分でしまえます。子供が届く高さの棚やフックをつけておくと、より子供が使いやすくなります。

また、クローゼット内の一部を土間収納にすれば、ベビーカーや子供の三輪車などもしまえます。犬のいる家庭では、お散歩に必要なリードやエチケット袋などもしまって置けるので、お散歩の準備が楽にできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洗面所・脱衣所の隣

洗面所、又は脱衣所に洗濯機を置く家庭は多いと思います。その為、そのそばに、家族が共用するウォークスルークローゼットがあると、家事負担を軽減できます。洗う、干す、取り込む、しまうという流れが1か所でできるからです。

家族にとっても、入浴後の着替えの準備のために、クローゼットのある部屋と浴室の間を往復する手間が省けます。キッチンとリビングを繋ぐ直線状にウォークスルークローゼットを配置し、リビングからは、キッチンにもウォークスルークローゼットにも出入りできる間取りにしておくと、主婦の家事動線を使いやすい動線にできます。

ただし、この場合、お客様に洗面所を使っていただきにくくなってしまうので、トイレのそばに洗面台をつける必要があります。

もう一つの問題点は、浴室のそばのウォークスルークローゼットには、湿気がこもりやすいということです。衣類を湿気から守るためには、窓、又は換気扇が必要です。窓は、内部が明るくなり、換気量も大きいのですが、部屋の向きによっては、窓をつけると紫外線で衣類が日焼けすることも考えられます。西日が入ってしまいそうな窓であれば、窓よりも24時間換気ができる換気扇を設置しておく方が安心です。

リビング

リビング内にウォークスルークローゼットがあると、帰宅した時にコートやバッグをすぐしまえるので、リビングをすっきりさせられます。その他にも、リビングで使う消耗品、掃除用具など生活感が出るものをしまっておけるので、ふいにお客様がいらしても、慌てることがありません。小さな子供がいる家庭では、低い位置の棚を作ってあげれば、子供がリビングで遊んだおもちゃを自分で片付ける習慣をつけられます。

玄関、又は寝室にウォークインクローゼットやウォークスルークローゼットを作る場合には、リビングに小さなクローゼットを設けておくと、便利です。掃除機、テイッシュなど消耗品のストックなどがしまえます。

寝室

タンスなどの置き型の家具を室内に置きたくない場合には、寝室にウォークインクローゼットがあると便利です。ベッドやナイトテーブルだけのすっきりした寝室にできます。また、夫婦の寝室と子供部屋が隣り合っている間取りでは、その中間にウォークスルークローゼットを設置し、廊下、夫婦の寝室、子供部屋のどこからも出入りできるようにしておけば、ファミリークローゼットとして活用できます。

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使いやすいウォークインクローゼット、ウォークスルークローゼットに必要なこと

 

 

 

 

 

 

広さや間取りに加えて、使いやすいクローゼットにする為、必要なことを確認しておきましょう。

照明 またコンセントをつける

物を収納する前にはわかりませんが、内部に収納する物が増えてくると、灯りが届きにくくなってしまいます。そのような時に備えて、何か所かに照明をつけておく、又はコンセントをつけておくと、あとで困りません。

換気扇をつける

ウォークインクローゼットは、閉ざされた空間なので、湿気がこもりやすい場所です。湿気によるカビなどの被害を防ぐ為には、換気扇が必要です。

内部の組み合わせ

ハンガーパイプには、コートなどの長い衣類をかけられる高さと、上着類がかけられる高さの2種類の位置が必要です。上着類をかける高さのハンガーパイプは、2段にする方法と、棚と組み合わせる方法があります。内部の組み合わせ方と通路の幅によって使い勝手が大きく変わるので、ハンガーパイプの位置、棚の奥行と幅、通路の幅がとても重要です。収納する物にあった高さや奥行きになっていること、通路をストレスなく動けること考慮して、内部の組み合わせを決めることが大切です。

クローゼットは、広ければよい、大きければよいというものではありません。収納力も必要ですが、使いやすさも重要なポイントです。せっかく設置しても、使いにくければ、収納スペースとしての十分な機能を果たすことができません。

家族構成、生活動線、収納する物の量や種類にあった使いやすいクローゼットを設置し、すっきり片付いた部屋でお過ごしください。

HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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