新築の家を建てる際、リビングは特に重要な空間の1つです。
家族団らんの場として、くつろぎの空間として、そして来客をもてなす場としても活用されるリビングは、快適性とデザイン性を兼ね備えていることが求められます。
しかし、リビングの設計は意外と難しく、失敗例も少なくありません。

本記事では、新築リビングの設計を成功させるための具体的なレイアウト例や、失敗を避けるためのアドバイス、おしゃれで快適な空間づくりのヒントを提供します。
ライフスタイルに合わせた最適なリビングレイアウトを実現し、理想の住空間を手に入れましょう。

□新築リビングのレイアウト失敗を避けるための基本

新築のリビングは、家族の団らんや食事、来客対応など、さまざまな用途に使われる多目的空間です。
そのため、設計が複雑になりがちで、思わぬ失敗につながることもあります。

よくある新築リビングの失敗例としては、以下のようなものが挙げられます。

1:日当たりが悪く、昼間でも暗い空間になってしまう
2:大きな窓から外からの視線が気になり、プライバシーが確保できない
3:家具の配置が悪く、来客時に通りにくい動線になる
4:収納スペースが不足し、生活感があふれた雑然とした印象になる
このようなリビングの失敗は、住む人の満足度を大きく下げてしまいます。
快適で心地良いリビング空間を作るには、設計段階でいくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

まず検討すべきは、リビングのレイアウトです。
代表的なパターンとしては、縦長の rectangular layout、正方形に近い square layout、L字型の L-shaped layout などがあります。
それぞれ一長一短があるので、ライフスタイルに合わせて選ぶことが肝心です。

小さな子供がいる家庭なら、キッチンからリビングを見渡せる縦長レイアウトが便利かもしれません。
一方、来客が多い場合は、L字型レイアウトで落ち着きのある応接スペースを設けられます。

次に考慮したいのが、リビングの開放感です。
十分な広さがなくても、工夫次第で開放的な印象を与えられます。
例えば、リビングの視線が抜ける位置に窓を配置したり、吹抜けで天井高を上げたりするのも効果的。
リビング階段を設けて、隣接する空間とつなげるレイアウトもおすすめです。

内装の色使いで、膨張色を取り入れるのもひとつの手です。
淡い色合いの壁や家具で統一すれば、より広々とした雰囲気になるでしょう。

□キッチンと連携する新築リビングの魅力

新築のリビングは、隣接するキッチンとの連携によって、さらに魅力的な空間に生まれ変わります。
最近の注文住宅では、リビングとキッチンを一体化したオープンな間取りが主流になっています。

中でも人気なのが、アイランド型やカウンター型のキッチンレイアウト。
リビング側に対面するようにキッチンを配置することで、家族とのコミュニケーションがスムーズになります。
料理をしながら会話を楽しんだり、子供の様子を見守ったりできるのも魅力です。

また、キッチンとリビングの一体感を高めることで、開放的でおしゃれな空間づくりが可能になります。

1:アイランド型キッチンなら、リビング側のカウンター席でくつろぎながら料理を楽しめる
2:カウンター型キッチンの下部を収納スペースにすれば、生活感を上手に隠せる
3:キッチン周りの木目調の内装で、リビングとの一体感を演出できる
4:キッチン上部の間接照明で、リビングをやわらかく照らし出せる
このように、キッチンとリビングが一体となった間取りにすれば、家事動線もスムーズになり、快適で効率的な暮らしが実現します。

さらに、リビング側に大きな窓を設ければ、明るく開放的な印象に。
中庭に面した窓なら、外の緑を楽しみながら家族団らんができますね。
吹抜けのあるリビングなら、立体的な広がりを感じられるのもポイントです。

キッチンとリビングをつなげる工夫を凝らせば、ワンランク上のおしゃれな空間が生まれます。
自分たちらしいこだわりのリビングを設計して、理想の暮らしを手に入れましょう。

□注文住宅で叶えるおしゃれなリビングレイアウト

注文住宅なら、理想のリビングを思い通りに設計できます。
先ほどご紹介したような、開放感あふれるリビングレイアウトを実現するためのポイントを、もう少し詳しく見ていきましょう。

リビングの間取りを考える上で外せないのが、ダイニングやキッチンとの連携です。
それぞれの空間をどう配置するかによって、リビングの印象は大きく変わります。

最近人気の対面キッチンなら、家族とのコミュニケーションが取りやすく、子育て世代におすすめ。
一方、リビングとキッチンを分けて独立させれば、生活感を出さずにすみます。

LDKを一体化させるか分離させるかは、ライフスタイルに合わせて決めるのがベストですね。

リビングに開放感を出すなら、窓の配置にもこだわりたいもの。
ソファに座った時、目の前に大きな窓があれば、外の景色を楽しめて気持ちが良いですよね。
吹抜けのあるリビングも、天井が高く感じられ、圧迫感を払拭します。

内装の色使いにもひと工夫加えると、より開放的でおしゃれな印象になります。
壁や天井を明るい膨張色でまとめれば、コンパクトなリビングも広々と見えるでしょう。

効率的な家事動線も大切なポイントの1つです。
特にキッチンからリビングへの動線は、スムーズに配膳できるようにしたいですね。
洗濯機まわりや掃除道具の収納など、日々の家事がしやすい工夫を凝らすことをおすすめします。

リビングのインテリアは、間取りと同時に考えるのが賢明です。
後からソファやテーブル、カーテンなどを選ぶと、バランスが取れなかったり、思い通りの雰囲気が出せなかったりするかもしれません。

家具の配置まで念頭に置いてリビングの間取りを練ると、理想のコーディネートを実現できますよ。

収納スペースを十分に確保することも忘れずに。
小物や本、子供のおもちゃなどをしまえる場所を作っておけば、いつでもすっきり片付いたリビングをキープできます。

□まとめ

快適でおしゃれなリビング空間を作るには、設計段階でのさまざまな工夫が欠かせません。

レイアウトを決める際は、ライフスタイルに合わせて、縦長・正方形・L字型から選びましょう。
リビングに開放感を出すには、窓の配置や吹抜けの導入、膨張色の内装がおすすめです。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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