間取りルールを押さえれば失敗しない!間取り設計の基礎知識をわかりやすく解説

間取りは、家づくりの根幹をなす重要な要素です。
理想の住まいを実現するためには、間取りの基礎知識をしっかりと理解し、設計段階から綿密な計画を立てることが不可欠です。
しかし、間取りのルールや設計のポイントを理解していないと、住み始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔する可能性も。
この記事では、これからマイホームを購入または建築する方が、間取り設計で失敗しないための基礎知識を解説します。
間取りのルールや土地の特性が与える影響など、わかりやすく解説していくので、ぜひ最後まで読んで、理想の住まいを実現するための参考にしてください。

間取り設計の5つのルール

間取り設計は、いくつかの手順を踏んで行うことで、理想の住まいを実現することができます。
ここでは、間取り設計の5つのルールについて解説します。

1: 空間をゾーニングする

間取り設計の最初のステップは、空間をゾーニングすることです。
ゾーニングとは、家の空間を用途別に分けることで、それぞれのスペースの役割を明確にすることです。
家族が集うゾーン: リビング、ダイニング、キッチンなど、家族が集まって過ごす空間です。
リビングは、家族のコミュニケーションの中心となる場所なので、明るく開放的な空間にすることが重要です。
水回りゾーン: 浴室、洗面室、トイレなど、水回りの設備が集中している空間です。
水回りのゾーンは、清潔感があり、機能的に使いやすいように設計することが大切です。
プライベートゾーン: 寝室、書斎、子供部屋など、家族それぞれのプライベートな空間です。
寝室は、リラックスできる空間にするため、静かで落ち着いた場所に配置することが重要です。
ゾーニングをすることで、空間の使い方が明確になり、無駄のない間取り設計が可能になります。

2: 部屋の配置を考える

ゾーニングを決めたら、次はそれぞれの部屋を配置していきます。
部屋の配置は、家族の生活動線を考慮し、使い勝手の良い間取りにすることが大切です。
生活動線: 朝起きてから夜寝るまでの家族の行動パターンをシミュレーションし、動線をスムーズにすることが重要です。
例えば、キッチンからダイニング、リビングへの動線は、スムーズに移動できるよう、廊下や通路を広く確保することが大切です。
プライバシー: 寝室や書斎など、プライベートな空間は、他の部屋から視線が遮られるように配置することが大切です。
採光: リビングや寝室など、日当たりが重要な部屋は、南側に配置すると、日差しが十分に得られます。
部屋の配置を工夫することで、快適で暮らしやすい間取りを実現することができます。

3: 将来のことも考慮する

間取り設計をする際には、将来のことも考慮することが大切です。
家族構成やライフスタイルは、時間とともに変化していくため、将来を見据えた設計が必要です。
子供の独立: 子供が独立した後も、快適に暮らせるような間取りにすることが重要です。
例えば、子供部屋を別の部屋に改造したり、収納スペースを増やしたりするなど、将来の使い方ができるような間取りにすることを検討しましょう。
高齢化: 高齢になった場合、バリアフリー設計を考慮する必要があります。
段差をなくしたり、手すりを設置したりするなど、高齢者でも安全に過ごせるように配慮しましょう。
家族の増加: 将来的に家族が増える可能性も考慮しておきましょう。
子供が生まれた場合、子供部屋を確保したり、収納スペースを増やしたりする必要があるかもしれません。
将来を見据えた間取り設計をすることで、長く住み続けられる家を実現することができます。

4: 収納スペースを確保する

収納スペースは、快適な暮らしには欠かせません。
収納スペースをしっかりと確保することで、家の中がスッキリと片付き、生活空間が広く使えます。
収納場所の確保: 収納スペースは、各部屋に設けるだけでなく、廊下や玄関など、有効なスペースを活用して確保しましょう。
収納方法: 収納方法を工夫することで、限られたスペースを効率的に活用することができます。
例えば、クローゼットや引き出しを活用したり、壁面収納を取り入れたりすることで、収納スペースを最大限に活用できます。
収納する物の整理: 収納する前に、不要なものを整理することで、必要なものだけを収納することができます。
定期的に整理整頓を行い、不要なものを処分することで、収納スペースを有効活用できます。
収納スペースをしっかりと確保することで、快適でスッキリとした住空間を実現することができます。

5: 窓やドアの位置、大きさ、種類を考える

窓やドアは、採光、通風、防犯、外観デザインなど、さまざまな役割を果たします。
窓やドアの位置、大きさ、種類を適切に選択することで、快適で安全な住空間を実現することができます。
窓の位置: 窓の位置は、日当たりや通風、プライバシーなどを考慮して決める必要があります。
リビングや寝室は、南側に大きな窓を設けることで、日差しが十分に得られます。
窓の大きさ: 窓の大きさは、採光や通風、眺望などを考慮して決める必要があります。
大きな窓は、開放的な空間を作り出すことができますが、プライバシーの確保が難しくなる場合もあります。
窓の種類: 窓の種類には、様々な種類があります。
例えば、断熱性の高い窓や、防犯性の高い窓など、用途に合わせて適切な窓を選ぶことが重要です。
ドアの位置: ドアの位置は、動線やプライバシーなどを考慮して決める必要があります。
例えば、玄関ドアは、防犯性を考慮して、丈夫なドアを選びましょう。
ドアの種類: ドアの種類には、開き戸、引き戸、スライドドアなどがあります。
部屋の広さや用途に合わせて、適切なドアを選ぶことが重要です。
窓やドアを適切に配置することで、快適で安全な住空間を実現することができます。

土地の広さや形状、方角も重要

間取り設計において、土地の広さや形状、方角は重要な要素です。
これらの要素は、建物の配置やデザイン、採光や通風、そして住み心地に大きな影響を与えます。

1: 土地の広さ

土地の広さは、建物の大きさや庭の広さ、駐車場の確保などに影響します。
狭小地の場合は、建物の設計に制限がかかり、希望通りの間取りを実現できない可能性もあります。
建ぺい率と容積率: 建ぺい率と容積率は、土地の広さに制限を加える重要な指標です。
建ぺい率は、敷地面積に対する建築物の面積の割合を示し、容積率は敷地面積に対する建物の床面積の割合を示します。
これらの指標によって、建てられる建物の最大面積が決まります。
必要なスペースの確保: 建築物だけでなく、駐車場や庭、洗濯物を干すスペース、防災用のスペースなども、土地の広さの中に確保する必要があります。
狭小地の場合: 狭小地では、建物の設計に工夫が必要になります。
コンパクトな間取りにする、屋上や地下に空間を作る、など、土地の形状に合わせて設計することが重要です。
土地の広さを考慮した上で、適切な建物を設計することが重要です。

2: 土地の形状

土地の形状は、建物の配置やデザインに大きな影響を与えます。
正方形や長方形など、規則的な形状の土地は、建物の設計自由度が高くなります。
しかし、三角地や旗竿地など、不規則な形状の土地の場合は、建物の配置やデザインが制限されます。
正方形や長方形の土地: 正方形や長方形の土地は、建物の配置やデザインの自由度が高く、使いやすい間取りにすることができます。
三角地や旗竿地の土地: 三角地や旗竿地の土地は、建物の配置やデザインが制限されるため、設計には工夫が必要です。
日当たりや風通しの確保も難しい場合があります。
傾斜地の土地: 傾斜地の土地は、基礎工事や構造設計に工夫が必要です。
また、日当たりや風通しにも影響を与えるため、設計には注意が必要です。
狭小地の土地: 狭小地の土地は、建物の設計自由度が低くなるため、コンパクトな間取りにする必要があります。
土地の形状に合わせて、建物の配置やデザインを検討することが重要です。

3: 土地の方角

土地の方角は、日当たりや風通し、プライバシーなどに影響を与えます。
日本の気候では、南向きの土地は日当たりが良く、暖房費を抑えることができるため、人気があります。
南向きの土地: 南向きの土地は、日当たりが良く、暖房費を抑えることができます。
リビングや寝室など、人が長時間過ごす部屋を南側に配置することが理想です。
北向きの土地: 北向きの土地は、日当たりが悪いですが、夏は涼しいので、寝室や書斎などを配置するのに適しています。
東向きの土地: 東向きの土地は、朝日に当たり、明るく開放的な空間になります。
リビングやダイニングを配置するのに適しています。
西向きの土地: 西向きの土地は、夕方に日差しが強く、夏は暑くなりやすいです。
日差しを遮る工夫が必要です。
土地の方角を考慮して、建物の配置や窓の配置を検討することが重要です。

4: 隣接した土地の状況

隣接した土地の状況も、間取り設計に影響を与える重要な要素です。
隣家の高さや建物の配置、窓の位置などによって、日当たりや風通しが損なわれることがあります。
隣家の高さ: 隣家が自分の家よりも高い場合は、日当たりが悪くなる可能性があります。
日当たりを確保するために、窓の位置や大きさを工夫する必要があります。
隣家の建物の配置: 隣家の建物の配置によって、風通しが悪くなる可能性があります。
風通しを確保するために、窓の位置や大きさを工夫する必要があります。
隣家の窓の位置: 隣家の窓の位置によっては、プライバシーが損なわれる可能性があります。
プライバシーを確保するために、窓の位置や大きさを工夫したり、ブラインドやカーテンを使用したりする必要があります。
隣接した土地の状況を考慮して、建物の配置や窓の配置を検討することが重要です。

まとめ

間取り設計は、家族の生活スタイルや土地の特性などを考慮し、綿密な計画を立てることが重要です。
ルールには、空間のゾーニング、部屋の配置、将来のことも考慮した設計、収納スペースの確保、窓やドアの検討などがあります。
土地の広さ、形状、方角は、建物の配置やデザイン、採光や通風、そして住み心地に大きな影響を与えます。
間取り設計は、家づくりの最初の重要なステップです。
この記事を参考にして、間取りの基礎知識をしっかりと理解し、後悔のない家づくりを進めていきましょう。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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