SE構法の丈夫さはどのくらい?耐震等級との関連性も

「SE構法ってどれくらい頑丈なんだろう?」
「SE構法の家はどれほど地震に強いのか知りたい。」
このように考えている方はけっこういらっしゃいませんか?
新しく家を建てようと検討している多くの方が頑丈で長持ちする家に住みたいと思います。
そこで今回は、SE構法の丈夫さを耐震等級との関連性も含めてご紹介します。

□SE構法とは

SE構法の丈夫さをご紹介する前にまずは、SE構法に関して軽くご説明します。

これは工学的に安全が保証されている構法のことを指します。
阪神大震災によってたくさんの木造の家が倒れてしまったことから
安全な家の実現にむけて研究されてきました。
実は、こういった家は接合箇所が比較的に強くありません。
そのため、その弱点になっている接合箇所を金属で代用し、
昔からの不安定な構造材ではなく、構造用集成材を使っています。
実験をベースとした構造の計算が行われているので信頼性は十分でしょう。
自由度が高く、大きな空間の確保もできるといったさまざまなメリットを持ちます。

□耐震等級

SE構法に関して、耐震等級との関連性をご紹介するために耐震等級とは何かご説明します。

耐震等級とは、家がどれほど地震に対抗できるのかを格付けした等級を指します。
住宅性能表示制度によって1から3までの3段階に分けられ、
数字が大きいほど地震に強いと言えるでしょう。
等級1は建築基準法を満たす程度で、2がその1.25倍、3はその1.5倍の強さになります。
性能が高いほど柱が太くなる、または窓などが小さくなるという
マイナス面も出てきやすくなります。

□SE構法の丈夫さ

SE構法は耐震等級3として認定されています。
先程、耐震等級をご紹介したので、多くの方が
SE構法は耐震性能がとても優れていると感じたと思います。
最高レベルの性能と言えるでしょう。
また、以下に耐震性能に優れている理由をご紹介します。

*集成材
SE構法では集成材を使っています。
その丈夫さは無垢材のだいたい1.6倍と言われています。
これだけでも無垢材より十分優れていると言えるでしょう。
しかし、他にも無垢材との決定的な違いがあります。
その決定的な違いは構造計算のしやすさです。
無垢材の強さは一定ではなく、ばらつきがあるので完璧な答えが出せません。
これに対し、集成材は一定の強さを持っています。
そのため、完璧な答えを導き出し、より安心して暮らせる家を作れます。

*接合箇所に金属
先程もご説明しましたが、接合箇所に金属を使うことでより強くしています。
よく見かける木造構法はすべて木でつなげており、
さらにつなげるにあたってほぞという穴を開ける必要があります。
これは地震によって倒れやすくなる原因とも言えるでしょう。

*柱が抜けにくい
実は、地震が発生したときに柱が最もダメージを受けます。
家が大きく揺れることで支えとなっている柱に上方向の力が働くからです。
柱が引き抜かれてしまうと家がすべて潰れてしまうでしょう。
SE構法では家の大切な支えの役割を果たしている柱をより強くできます。
今までの構法と比較すると5倍ほどの成果を発揮すると言われています。

*構造計算
先程も簡単にご紹介したように、SE構法では構造の入念な計算を行っています。
これはSE構法が耐震性に優れている最も大きな理由と言えるかもしれません。
構造の計算はマンションなどの鉄筋コンクリートや鉄骨を使った建造物でよく行われます。
しかし、木造の家にはほとんど使われてきませんでした。
実は、木造の家を建設するときは構造の計算が義務ではありませんでした。
ですが、SE構法ではやらなくていいにも関わらず、
構造の計算を専門家たちがしっかり行っています。
そのため、十分安全であることを確認でき、優れた耐震性を得られるということです。

□メリット

SE構法は耐震性に優れているとご説明してきました。
この他にも以下のようなさまざまなメリットを持ちます。

*自由度
SE構法にすることで通常の家よりも自由度の高い設計が可能になります。
これは壁の強さを維持したまま通常の構造よりも壁の量を減らせるからです。
こうすることでいろいろなデザインを実現できるでしょう。
例えば、吹き抜けや大開口などです。
吹き抜けに憧れている方はけっこういます。
家全体をほぼ一つの空間にできるので、
家族間のコミュニケーションがしやすくなるでしょう。
大開口にすると外からの自然な光をたくさん取り入れられます。
景色を存分に楽しめるので庭にこだわっている方にはとくにおすすめです。

*保証
法律によって細かく定められたルールがあり、それに従った体制があります。
さらにSE構法施工管理技士によって管理され、SE住宅性能保証書も渡してもらえます。
そのため、安心して施工を依頼できるでしょう。

□まとめ

ここまでSE構法の丈夫さを耐震等級との関連性も含めてご紹介してきました。
SE構法のみでなく耐震等級のことも知っていただけたでしょうか。
耐震等級3認定されたSE構法がどれほど丈夫か理解していただけたと思います。
新築にSE構法を選択するとより安全な家にできます。
もしものためにもSE構法を検討してはどうでしょう。

著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

関連記事

重量木骨の家にはデメリットが多い?SE構法についてもご紹介します!

家づくりをする上で重視したいポイントは人それぞれ。 その中でも耐震性は、地震大国である日本において安全を保つ上でのキーとなります。 そんな耐震性を確保する工法のひとつが、今回のトピックである「SE構法」です。 精密な構造 […]

SE工法って何?メリットデメリットや実例についてご紹介します!

木造の家づくりにおいて、近年SE工法が人気を博しています。 これは最近できた新しい工法で、従来の木造建築よりも間取りや設計に自由度が増すという魅力があります。 ただし、最近できた工法であるためデメリットも多い工法ではある […]

住宅の耐震性を高めるSE構法についてご紹介します!

日本は世界でも地震が多い国の1つで、近年でも大きい地震が予測されています。 万が一という場合に備えて、防災グッズや避難経路を日ごろから確認することが大事です。 しかし大地震とはいえ、住んでいた家が壊れてしまうというのは残 […]

SE構法とは?地震に強い理由やメリット・デメリットを紹介します!

地震が多い日本でマイホームづくりをする時は、地震がきても大丈夫なように耐久性の高いものにしたいですよね。 そこで今回の記事では、SE構法とは何かについて解説していきます。 「地震に強い家を作りたい」 「地震が来ても家族を […]

SE構法についてご紹介!SE構法とは?メリットとデメリットは?

マイホームをお考えの方はいらっしゃいませんか。 せっかくマイホームを持つのであれば、丈夫で安心な家にしたいですよね。 そこでおすすめしたいのが、SE構法で建てられた住宅です。 しかし、SE構法といっても、良く分からない方 […]

Owner’s Voice施主さま対談
ホープスで実際に家をつくられた施主さまの家づくりの思い出をご紹介します。
施主さま対談をみる
お問い合わせはこちら
Homeへ