収納は家族の動線に合わせる
狭小住宅は、横に移動距離に比べて、縦の移動距離が長くなりがちです。その為、家族それぞれの居室と玄関、家族それぞれの居室とリビングの移動、家事の為の移動には、階段を使うケースが多くあります。そのような縦の移動の負担を少なくする収納が、散らからない部屋を実現し、家族の移動のストレスを減らします。
きれいなリビングに必要な収納は、帰宅動線への配慮と、小さな子供のおもちゃ対策
出掛けに玄関で忘れ物に気付いたというような時には、取りに行くのが大変です。また、帰宅時、玄関から自分の部屋まで、上着やバッグを置きに行くのは、階段を使うことを考えると、面倒に感じるでしょう。
その為、玄関に近いリビングに、家族が自分の荷物を、置いておくという状態になってしまいます。その結果、リビングにいつも物が溢れているという状態になってしまいます。
明日の朝、忘れないように、出先に持って出る荷物をリビングに置いておく、帰宅時、疲れているとつい、上着やバッグをリビングに持ち込み、そのままにして、就寝時、自分の部屋に行ってしまう、子供がまだ小さく、リビングで遊んだおもちゃを持って、階段を上がれない為、リビングにおもちゃが置きっぱなしになっているというような状態です。
このような状態のリビングは、居心地の良い部屋ではありません。また、急なお客様がいらした時、余裕を持ってお迎えすることもできません。
家族が、上着やおもちゃなどの自分の荷物を移動させる労力を減らし、リビングをいつもきれいにしておく為に役立つのは、収納です。家族が帰宅した時に、それぞれの部屋に行かなくても上着や荷物を、片付けられる、出先に持って出る荷物を仮置きできる、小さな子供でも、安全に自分でおもちゃをしまえるというような収納スペースです。
玄関やリビングに、ウォークインクローゼット、又は玄関からリビングへの通路に、ウォークスルークローゼットなどがあると、家族の動線にあった収納スペースとして便利です。
クローゼット内に棚やポールは、具体的に収納する物のサイズに合わせる、子供でも手が届く子供用の棚も作るなど、使い勝手の良さも考える必要があります。
玄関に作る場合、半分は土間収納にすると、ベビーカーやスポーツ用品なども、収納でき、玄関内も整理整頓出来ます。
家事負担を減らすためには階段を使う回数を減らす対策が必要
階段がある為に負担が大きくなる家事は、主に洗濯と掃除です。洗濯機を置く場所と、洗濯物を干す場所が遠ければ遠いほど、家事負担は大きくなってしまいます。例えば、1階に水回りがあり、3階にベランダがある間取りは、最も大変な家事負担が発生します。2階に水回りがあったとしても、毎日の選択にかかる家事負担は、大きいものです。
1階に洗濯機を置く場合、洗面所、又は脱衣所内に、タオルに加えて、パジャマや下着をしまえる収納スペースがあると、家事負担を減らせます。特に、小さな子供のいる家庭では、洗濯にかかる負担だけではなく、子供の入浴準備の労力も軽くできます。
収納スペースを作るだけではなく、脱衣所内に洗濯物を干すスペースも作れれば理想的です。しかし、面積的に無理がある場合には、浴室乾燥や乾燥機を利用する、又はベランダの近くに洗濯機を置く場所を作っておくという選択肢もあります。
収納は収納する物の量と出し入れする回数が多い場所に合わせる
床面積に余裕があれば、それぞれの居室に、広めの収納スペースを作れますが、床面積に限りがある場合、効率の良い収納スペースを作らなくてはなりません。その為には、収納する物を小分けにして、あちこちに作るのではなく、家族で使える大型収納が効率よく使える収納です。その大型収納を活かす為には、収納する物の量が多い場所に作ることが大切です。
収納スペースにしまう物で、日常的な出し入れの少ない物には、季節以外の衣服、クリスマスツリーなどの季節用品、アルバムなどの思い出の品などがあります。季節以外の衣服は、ファミリークローゼットの中の高くて使いにくい棚に、クリスマスツリーや思い出の品などは、多少出し入れが不便な場所であっても問題ないので、デッドスペースや小屋裏を利用した収納スペースに収納すると、床面積を圧迫されません。反対に、日常的に出し入れする回数が多い物は、家族の動線に合わせた、リビングや玄関、洗面所などの収納が便利です。
収納は収納する物のサイズに合わせる
壁面、床下、階段など、デッドスペースを使った収納は、せっかく収納スペースを作っても、収納したい物のサイズに合わないと、活きた収納になりません。収納したい物が入りきらない、反対に、大きすぎて奥の物が出し入れしにくいというようなことになってしまいます。大型収納の場合には、棚の位置、棚の幅や奥行き、ポールの位置と長さは、具体的に収納する物のサイズに、合わせたサイズにすることが大切です。
リビングからキッチンが視界に入る間取りでは、見せる壁面収納にする方法と、引き戸をつけ、家電も含めて、生活感の出るものはすべてその中に収納するという方法があります。引き戸をつけた造作収納の場合、収納の中に必要な場所にコンセントをつけられるので、使い勝手の良い収納にできます。パントリーとしても使えます。
また、置き家具の収納は、無駄な隙間を作ってしまいます。床面積を有効に使う為には、造り付けの収納家具が最も効率的です。ウォークインクローゼット、ウォークスルークローゼットは、内部の作り方次第で、便利で使い勝手の良い収納スペースが仕上がります。テレビボードなども、造り付けにすると、無駄なスペースができません。壁面収納と組み合わせる、宙に浮いたように見せるなどデザインも思い通りにでき、建材の質や色が選べるので、インテリアにも調和します。
壁面収納は内装と収納する物に建材の質と色を合わせる
キッチン、リビング、階段の壁面収納は、インテリア性の向上に役立ちます。インテリアに役立たせるためには、棚に使う建材の質感、色を、壁や床の色と、収納物するに調和させるが大切です。もちろん、壁面収納も、収納する物に合わせた幅や、奥行きにすることもポイントです。
ストレスのない生活に、活きた収納はなくてはならないものです。限られた床面積の中で、無駄のない収納スペースを作り、自然に片付く暮らしをお楽しみください。
ホープスの狭小住宅への思い
ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。
敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。
狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。
狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。