狭小住宅では間取りを工夫する必要がある

マイホームを都心で持ちたいと考えた際に、課題になるのは敷地の狭さではないでしょうか。でも、仕事場から近くて利便性の良い場所で家を建てたいですよね。狭い敷地に建てた狭小住宅であっても、間取りをひと工夫するだけで暮らしやすい家にすることが出来ます。また、工夫次第では狭小住宅では叶えられないと思いがちの、自分の“憧れ”を家に取り入れることも。六人家族の子供部屋が充実した家や、憧れのインナーバルコニー付きの家、茶室のあるこだわりの家など、ひとり一人の理想の生活に合わせた狭小住宅を建ててみませんか。

 

都市部で狭小住宅を持つメリット

狭小住宅とは?

狭小住宅とは、『狭い土地に建てられた狭小な住宅』のことです。この説明を聞くと一見狭苦しくて、悪い印象を抱きますが、最近ではあえて狭小住宅を選ぶ人が増えています。

予算や利便性などの観点以外にも、様々なメリットをが存在する狭小住宅。今回は最近人気の狭小住宅のメリットを紹介するとともに、ひとり一人のライフスタイルに合わせた狭小住宅の間取りの工夫も紹介していきます。

狭小住宅が最近人気の理由①予算や税金、維持費が抑えられる

都市部でマイホームを建てる際に大きな課題となるのが、土地の価格ですよね。狭小住宅であれば、人気のエリアであっても予算を抑えて家を建てることが出来ます。また、建築費も気になるポイントですが、狭小住宅であれば費用もかなり抑えられます。

また、その他にも心配になってくるのが家の税金や維持費。家を取得すると「固定資産税」や「都市計画税」など、様々な税金がかかりますが、狭小住宅であれば毎年の税金が安く済むのも魅力的です。維持費に関しても同様で、コンパクトである分、光熱費やメンテナンスの費用などを十分に抑えることが出来ます。

 

狭小住宅が最近人気の理由②コンパクトで生活しやすい

狭小住宅で実際に生活している人の話によると、家の敷地面積が狭い分、生活導線も短くなるので、家事や生活の時間短縮にも繋がるのだとか。また、家がコンパクトな分、掃除が楽に済ませられるのも狭小住宅の魅力の一つです。

狭小住宅では個人のスペースがしっかりとありながらも、家族をいつでも身近に感じられるのも嬉しいですよね。特に子育て中のご家族にとっては欠かせない要素の一つなのではないでしょうか。

 

でも、狭小住宅にもデメリットがあるのでは?

そんな狭小住宅ですが、もちろんデメリットもあります。それは圧迫感があったり、大きい家具がおけなかったり、収納スペースが少なかったりすることです。ですが、狭小住宅を建設する際にしっかりと間取りのポイントを押さえておくことで、これらのデメリットは格段に減ります。では実際に、ひとり一人のライフスタイルに合わせて作られた、狭小住宅の間取りを紹介していきたいと思います。

Works(株)ホープスの建築実例

後悔しない狭小住宅のために!間取りの工夫集

光が入る、明るい家にするためのポイント

「狭小住宅は窓が少なくて、光が入りにくいのでは」「狭小住宅はお隣さんとの距離が近くて、暗そう」など、狭小住宅に暮らすうえで心配になるのが、光の入り方ですよね。光の入れ方をひと工夫することで、一気に部屋の明るさが増し、快適な空間になります。

光を取り入れながらも熱を逃がさない!部屋を明るくする“光階段”

こちらの住宅は光を取り入れ、家全体を明るくするために、階段部分に工夫が施されています。階段を大きな窓に隣接させることで、光を様々な方向から取り入れながらも、ガラスで囲うことによって、部屋の熱を逃がさない仕組みになっています。

 

吹き抜けを作ることで、光を取り入れながら開放的な空間に

三階建てのこちらの狭小住宅は、一階から三階までを吹き抜けにして、光を取り入れる工夫を施しています。またそれと同時に、窮屈になりがちな狭小住宅を、開放的な空間にしています。吹き抜けがあれば、どの階にいても家族とコミュニケーションを取ることが出来るのも、嬉しいポイントですよね。

 

狭小住宅のポイントは勾配天井!窓で上からの光を取り入れる

勾配天井(こうばいてんじょう)とは、一般的な平らな天井とは違い、傾斜のある天井のことです。勾配天井は、平らな天井よりも上の空間に広がりを持たせてくれるので、圧迫感のある空間になりがちな狭小住宅に、特におすすめしたい工夫です。

また勾配天井にすることで、通常は付けられない高い位置に窓を設置できるのも魅力の一つです。高い位置に窓が設置されていることにより、上から光を取り入れ、部屋全体の雰囲気を明るくしてくれる効果があります。

 

見せる収納で部屋の圧迫感をなくしながら、収納スペースを確保する

「狭小住宅だからこそ、収納場所が少なくて大変なんでしょう」と思っている方も多いのではないでしょうか。狭小住宅でも、様々な工夫を凝らすことで、収納スペースを十分に設けることが出来ます。

数ある収納方法の中でも、特に注目したいのが、おしゃれで個性豊かな“見せる収納”です。この見せる収納は、収納スペースを確保しながらも、インテリアのようにおしゃれな印象を与え、さらには部屋の圧迫感をなくすことができます。狭小住宅の建設を考えている方には、絶対に知っておいて欲しい収納方法です。

カフェのようにおしゃれ!見せる収納術

こちらの住宅は、狭小住宅の縦長の構造を存分に活用したおしゃれな収納術です。一枚板のテーブルをカウンターのように設置し、こだわりの器を見せられるように、同じ材質の板で壁に収納場所を設けているのがポイントです。こんな素敵な空間を自宅に作ることが出来たら、頻繁にお食事会を開きたくなりますね。

 

宝箱だからこそ見せたい、宝箱の収納部屋

こちらの一室は、暮らし手の「大切なアンティークな宝箱を見えるようにしたい」という想いから作られた収納部屋になります。大切な写真、思い出のマグカップ、お気に入りのプラモデルなど、自分の大切なものを見えるように収納出来るのは、住む人にとって収納以上の価値を持つのではないでしょうか。

 

縦に広い狭小住宅だからこそできる!見せる収納術

こちらの住宅は、狭小住宅の縦に広い特徴を活かした、見せる収納を設けています。一見“見せる収納”のようには見えませんが、こちらの空間もしっかりと計算されて作られた、見せる収納術が施されています。

インテリアのように並んでいるいくつかの収納箱ですが、しっかりと存在感があるにもかかわらず、圧迫感のない過ごしやすい空間になっていますよね。狭小住宅を建てる際に重要なってくるのが、使いたい家具を予め決めておき、作りたい空間を設計士さんなどと相談をしておくことです。大きめの収納家具を使いたいときには、その家具に合わせた空間作りを行っていくことが、心地よい空間づくりのポイントとなります。

 

デッドスペースを有効活用する

狭小住宅では、わずかなスペースにも様々な工夫が施されています。狭小住宅の建設を考えている方が、より暮らしやすい住宅を建てられるように、実際にデッドスペースをどのように有効活用できるのか紹介していきます。

 

階段のデッドスペースを本棚に

こちらの住宅では、階段のデッドスペースを活用して、本棚を壁に埋め込むようにして設置しています。意外と場所を取ってしまう本棚を、階段のデッドスペースに設置することで、スマートに収納場所を確保することが出来ます。また、このように本棚を設置することで、階段がちょっとした家の読書スペースにもなるのも嬉しいポイントですよね。

 

侮れない収納力のロフト!子供の遊び場にも

狭小住宅のデッドスペースを活用する方法で人気が高いのは、空いた上部の空間にロフトを設けることです。ロフトは子供の遊び場になったり、ちょっとした趣味のスペースにすることが出来たり、収納場所としても使えたりなど、ライフスタイルに合わせて自由に使うことが出来るのが、魅力的なポイントです。「収納場所は少しでも多く欲しい」という方には、収納量も多いので特におすすめです。

 

地下室もしくは半地下室を設ける

狭小住宅を検討している方のほとんどが、「敷地面積は限られているけど、出来るだけ多くのスペースが欲しい」と感じているのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが、地下室もしくは半地下室を設けることです。地下だからこそ実現できる素敵な空間を紹介します。

 

半地下室で子供の頃に夢見た、秘密基地のような部屋を

こちらの部屋は、半地下室に設けられた書籍部屋です。暮らし手の要望に応えて作られた部屋ですが、男性なら誰しもが憧れるような部屋になっているのではないでしょうか。趣味のプラモデルを飾った書籍部屋は、なんだか子供の頃に憧れた秘密基地みたいですね。この独特な空間は、半地下室だからこそ実現できたお部屋なのではないでしょうか。

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狭小住宅で自分の思い描く空間づくり

実際にどのような狭小住宅を作ることが出来るのか

上記では、狭小住宅を建てるうえでのポイントを紹介していきましたが、ここからは実際に狭小住宅でどのような暮らしが出来るのか紹介していきます。狭小住宅という言葉からはイメージできないような住宅も多く存在しているので、狭小住宅に興味がある方には必見です。

 

狭小住宅でも、六人家族でのびのびとした暮らしを

こちらは、六人家族の狭小住宅です。狭小住宅に六人家族で住んでいることが想像出来ず、「プライベートな時間が持てないのでは」と考える方も多いのではないでしょうか。ですが、実際には四人分の子供部屋と夫婦の部屋まで設けることが出来ています。

こちらが、その六人家族の子供部屋の一部です。十分にプライベートな時間を過ごすことが出来そうですよね。また、子供が独立した後も、夫婦のスペースとして使用出来るように、四つある子供部屋は、間仕切りを取って二つの個室に出来る工夫も施されています。

 

狭小住宅でも開放的なルーフバルコニー

実は狭小住宅でも、このように開放的なルーフバルコニーを設けることが出来るのです。ちょっとしたガーデニングも楽しめそうなほど、スペースも広々としていますよね。また、近隣の住人の目を気にする必要がないように、プライバシーの配慮までされているので安心です。

 

砧を用いたこだわりの茶室

こちらの心地よい茶室は、狭小住宅の一部屋だとは思えないほど、見事な出来になっているのではないでしょうか。「お客様をお出迎えしても十分なおもてなしが出来るような茶室にしたい」という想いで作られた、砧を用いたこだわりの茶室です。壁面の一部には手すき和紙がさりげなく使われているので、和紙の柔らかさもどことなく感じられますね。

 

 

HOPEsでは、お客様に合わせた狭小住宅をご提案します

上記の住宅はすべてHOPEsがお客様と共に作り上げたものです。HOPEsでは、お客様のひとり一人のライフスタイルに合わせ、様々な想いに寄り添った狭小住宅を作っています。理想の家は狭小住宅では無理だと決めつけていませんでしたか。どのようなことでも一度HOPEsにご相談ください。また、その他にも、

「狭小住宅に住みたいけれど、どこから始めたら良いのかわからない」

「こんな憧れの狭小住宅に住んでみたい!」

「狭小住宅以外にも、家づくりに関して相談したいのだけれど」

という方も、一度HOPEsにご相談ください。家づくりのプロとして、インターネットだけでは分かりにくい実際の家づくりについて、丁寧にお話させていただきます。お客様に合った間取りの工夫を取り入れてみませんか。私たちは「家」そのものはもちろん、お客様との家づくりの過程も存分にお楽しみいただきたいと思っております。

上記の他にも様々な建築事例がございます:HOPEsの建築実例はコチラから

 

 

狭小住宅での暮らしを快適にする間取りのポイントは

狭小住宅での暮らしを快適にする間取りのポイントについて紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。再度紹介したポイントについてまとめてみました。

  • 光が入る、明るい家にするためのポイント
  • 見せる収納で部屋の圧迫感をなくしながら、収納スペースを確保する
  • デッドスペースを有効活用する
  • 地下室もしくは半地下室を設ける

その他にも重要となってくるのが、自分でどのような家を作り上げたいのか、しっかりとイメージしておくことです。自分の理想とする家の条件に合わせて、これらの間取りのポイントを取り入れてみてくださいね。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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