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東京に増え続けている狭小住宅には、クリアしなくてはならない問題が多々あります。狭小住宅であるがゆえに、東京に住む利便性と引き換えに、暮らしにくさを我慢する家になってはなりません。

狭小地に建てる住宅であっても、一般的な住宅と同じように、快適な暮らしのできる家にするためには、周辺の環境、敷地の形状と面積、家族構成と家族の暮らし方に合わせた設計と、その家に住む満足を感じるための優れたデザイン性が求められます。

東京の狭小住宅がクリアしなくてはならない問題点、暮らしにくい家にしてしまう要因について考えてみましょう。

Works(株)ホープスの建築実例

東京の住宅地は住宅が密集している

東京の中でも、田園調布や成城、松濤などにある第一種低層住居専用地域では、敷地の最低面積が制限されているため、隣家との距離が離れています。加えて、高さ制限もあるので、周辺にはビルやマンションがありません。しかし、それ以外の地域では、隣家との距離が極めて近く、商業ビルやマンションも、戸建て住宅と混在して建っています。その為、狭小住宅には、周辺の環境によって生まれる暮らしにくさがあります。

日当たりと風通しが悪い

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密集した住宅地は、隣家の壁がすぐ近くに迫っているので、陽射しと風を採りこみにくい環境にあります。日当たりが悪い家は、晴れた日の昼間でも、照明をつけなくては日常的な作業ができません。冬は冷え込みます。そしてそのような物理的な問題だけではなく、薄暗い家で過ごす生活は、精神状態にも悪影響を与えます。

朝、起きた時には室内が明るく、冬には、長時間暖かい陽射しが降り注いでいる日常は、心と体の健康を守るために大切です。

また、風が通らない家は、家の中に空気が滞り、換気の悪い室内環境の家になってしまいます。換気の悪い家は、カビやダニ、嫌なニオイが発生してしまいます。カビやダニは、その家に住む人の健康を損ないます。近年増えている子供のアレルギーの原因には、食料品や花粉以外に、カビ、ダニ、ハウスダストなどが挙げられているほどです。家にこもるニオイは、長時間滞在すると、鼻が慣れてしまい感じなくなりますが、外出や仕事から帰宅した時には、家のニオイを不快に感じます。当然、訪問客には、不快に感じられるニオイでしょう。

隣家ら道路からの視線と生活音

敷地が狭いということは、道路から家の窓や、玄関への距離も近いです。隣家が迫っているので、隣家の窓もすぐそこにあります。その為、狭小住宅の多くは、道路や、隣家の窓からの視線が気になる環境です。

バルコニーに洗濯物を干したくても、視線が気になり干しにくい、日当たりと風通しの為に、大きい目の窓をつけたけれど、視線が気になり、ブラインドを下げたままにしている、玄関を開けると、道路から家の中が丸見えになってしまう、というような状態になってしまいやすいのです。

加えて、隣家の排水音やペットの鳴き声、道路や周辺の商業施設からの騒音に、悩まされることも考えられます。子育て中であれば、自宅からの赤ちゃんの泣き声や、子供の楽器の練習音などが、近隣に響いているのではないかという心配もあるでしょう。狭小住宅に住み始めて、隣家からの生活音があまりにはっきり聞こえるため、自宅から出る生活音に神経質になってしまい、住み続けられなくなったというケースもあるほどです。

これらの問題は、狭小住宅そのものではなく、周辺の環境から生まれる問題です。周辺に建物がない地域に、狭小住宅を建てても、このような問題は起こりません。したがって、東京の狭小住宅を建築する際には、敷地周辺の環境に適した設計にすることが重要な課題です。

明るさと風通しを確保しつつ、プライバシーを守るためには、窓の位置、窓の大きさ、窓の機能の選定が大切です。トップライトやハイサイドは、ビルやマンションに囲まれている狭小住宅であっても、陽射しを採りこみつつ、外部からの視線を遮ります。トップライトやハイサイドライトに、吹き抜けやスキップフロア、スケルトン階段を組み合わせると、3階からの陽射しが、1階と2階にも届き、明るい家が生まれます。同時に、風の通り道が広がるので、風通しの良い家にもなります。

  • トップライト 天井に設ける窓です。他の窓に比べて倍以上の採光量があります。
  • ハイサイドライト 頭上より高い位置に設ける窓です。外部からの視線が入ってきません。
  • 吹き抜け 1階から3階までを縦に繋げる開放的な空間を造り出します。
  • スキップフロア 1階と2階、2階と3階の間に中2階、中3階を設け、段差で部屋と部屋を区切ります。間仕切壁がなくなるため、家の中の空間が繋がり、陽射しと風が家の奥まで届きます。
  • スケルトン階段 骨組みと踏板だけの階段です。蹴込板がないので、光と風を遮りません。

また、住宅の気密性と、防音・遮音機能のある窓は、音の出入りを抑えます。防音・遮音機能のある窓には、防音・遮音機能のあるガラスの窓と、二重窓があります。どちらも窓も、周辺からの音の流入を抑え、図書館のように静かな環境が作られます。反対に、子供が毎日、長時間楽器の練習をしていたとしても、近隣の迷惑にはなりません。

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狭小住宅は必要な床面積を確保しにくく凡庸なデザインになりがち

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狭小地に建つ家は、当然のことながら1階分の床面積が一般的な住宅ほどありません。だからと言って、家族構成に対して部屋数の足りない家、家族がゆったりくつろげないリビングや、動きにくい窮屈な洗面所やトイレのある家には、誰もが暮らしたくありません。

暮らしやすい家の条件の一つは、家族の人数に合った床面積があることです。住生活基本計画における居住面積水準には、国土交通省の理想の居住面積に対する指針が示されています。居住面積水準は、郊外や都市部以外での戸建住宅居住を想定した一般型と、都心とその周辺での共同住宅居住を想定した都市居住型に分かれています。

東京の狭小住宅は、戸建て住宅ではありますが、都市居住型の水準を満たせれば、快適な暮らしができると考えられます。そして、都市居住型の水準は、夫婦と子供2人で95㎡となっています。新築時に未就学児童であっても、子供はすぐに成長するので、大人4人として計算した数字です。

95㎡は、3階建てにすれば、単純に考えて、1階分の床面積はおよそ23㎡、7坪弱で、誘導居住面積水準を満たせます。その為、狭小住宅では、敷地面積を有効に使うために、3階建てにするケースが多くあり、少しでも各階の面積を減らさないため、箱形の形状が採用されます。箱形の家は、L字型やコの字型などの凹凸の多い家に比べて、地震が発生した際に、横からの揺れに強いという良さもあります。

しかしながら、建築費を抑えられるという特性もあるため、近年の建売住宅やローコスト住宅は、ほとんどがこの形状の家です。その為、箱形の家は安っぽい感じがする、ありきたりなデザインでつまらないというイメージを持つ人も少なくありません。

せっかく高額な土地を購入して、注文住宅を建てるのに、床面積を確保する為に、ローコスト住宅のような外観デザインになってしまうことは避けなくてはなりません。その為、注文住宅の狭小住宅には、箱形の家をシンプルさが美しいと感じられる外観を持つ家、他の箱形の家とは違った突出したデザイン性が求められます。

外壁や袖壁、屋根の色と質感、バルコニーやドアの建材とデザイン、窓のサイズ、並べ方、開閉方法などの組み合わせによって、ありきたりではない箱形の家、シンプルさが美しいと感じられる家が生まれます。

■ ■ ■

自分たちの家を建てようと家づくりを始めるご家族には、それぞれ、理想の家への夢があります。狭小地に建てる家だからと言って、その夢を叶えず、妥協の多い家になってしまえば、満ち足りた暮らしはできません。

狭小地に理想の家を建てる設計力との出会いが、暮らしやすい家、家族の満ち足りた暮らしを支える家を実現します。

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ホープスの狭小住宅への想い

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ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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