東京,耐震性,狭小住宅,三階建て,長期優良住宅,SE構法

 

東京で働いている人、今までずっと東京で暮らしていた人が、家族の為の家を建てよう、と決めた時、予算に上限がなければ、迷うことなく東京に家を建てられます。一般的な年収の家族の場合には、予算の制限内で家を建てるため、東京の狭小地に建てる3階建て住宅、または郊外の40坪程度の2階建て住宅という選択肢が出てくるでしょう。

東京の狭小地に建てる3階建て住宅を、建てることを選択した場合には、将来のことを考え、資産価値の高い家にしておくことも考えておくべきです。家を建てる年齢が、20代から40代であった場合には、想像しにくいことですが、家は長く住むところです。仕事を引退し、高齢になった時の生活までを考えた家づくりプランが必要です。

その中には、二世帯住宅にするという計画もあれば、高齢になったら住み替えるという計画もあると思います。二世帯住宅にする場合には、可変性という住宅性能を持つ家、住み替える場合には、長期優良住宅など、資産価値の高い家にしておくことが大切です。

Works(株)ホープスの建築実例

資産価値の高い狭小住宅にする必要性

東京,耐震性,狭小住宅,三階建て,長期優良住宅,SE構法

木造住宅は、法的な耐用年数の築22年を過ぎると、法律上の資産価値を失い、25年を過ぎると、売却時の査定でも資産価値のない古家として扱われます。ただ、東京の土地は非常に高額なので、土地の価格だけでもかなりの額にはなります。しかし、狭小住宅を建築する際には、一般的な住宅よりも高額な建築費がかかります。それを考えると、資産価値のない家にしてしまうのは、あまりにもったいない話です。

さらに、土地の値段だけで売ろうとしても、周辺の環境や道路との位置関係、敷地の形状によっては、買い手が見つからないというケースもあります。中古の狭小住宅の場合、銀行の審査の基準によっては、住宅ローンが受けられないことがあるからです。新築を計画する人が、購入しようとしても、解体、新築ができない土地もあります。

したがって、家づくりの初めの段階で、土地の選び方がとても大切になってきます。資産価値の高い土地の条件には、利便性、周辺の環境、道路との位置関係、建ぺい率、容積率、土地の形状などがあります。これらは、土地の購入時に判断できることですが、同時に住宅の造り方も重要です。資産価値の高い家にしておけば、売却できないというような心配がありません。高齢になったら3階建てや2階建て住宅は暮らしにくいだろうから住み替えよう、という計画を有利に進められます。

資産価値の高い家の条件とは、築22年を過ぎても、法律上の資産価値を失わない家です。資産価値を失わない家にするためには、長期優良住宅にし、さらに「かせるストック」の認定を受けておくと、住み替え計画がスムースに進められます。

かせるストックとは、JTI(移住・住みかえ支援機構)のマイホーム借り上げ制度のことです。住み替えの際に、売却ではなく賃貸にし、その家賃収入で住み替え後の生活が支えられるという仕組みです。ただし、認定を受けるためには、JTI(移住・住みかえ支援機構)の定めた基準(「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく住宅性能評価の基準)を満たしている必要があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

構造の安定 耐震等級、台風等級、耐雪等級、地盤、基礎

火災時の安全 感知警報装置設置等級、耐火等級(3階建て以上の住宅における火災時の脱出対策)

  • 劣化の軽減 劣化対策等級
  • 維持管理・更新への配慮 維持管理対策等級、更新対策
  • 温熱環境 省エネルギー対策等級
  • 空気環境 ホルムアルデヒド発散等級、換気対策
  • 光・視環境 単純開口率、方位別開口比
  • 音環境 重量床衝撃音対策、軽量床衝撃音対策、透過損失等級、透過損失等級(外壁開口部)
  • 高齢者等への配慮 高齢者等配慮対策等級
  • 防犯 開口部の侵入防止対策、

上記の項目に関して、JTIが定める必要な項目に関しては、基準となる等級を満たす必要があります。すべての項目を満たす必要はありません。すべてを満たそうとすれば、莫大な建築費がかかってしまいます。また、地域によっては、必要のない項目もあります。狭小住宅が、この要件を満たす為には、どのようなことが求められるのでしょうか?

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長期優良住宅認定を受けられる狭小住宅にするための条件

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長期優良住宅を含むJTIが定める必要な上記の項目を、日常生活に当てはめてみましょう。

  1. 大地震が来ても倒壊、損壊しない
  2. 火災が発生しても燃え広がらない
  3. 陽当たりがよく日中は照明をつけなくても生活できる
  4. 風通しが良く家の中の空気が滞らない
  5. 常に家の中の空気を循環させる換気計画ができている
  6. 空気中に健康を害する物質が含まれていない
  7. 周辺の音を家の中に侵入させない
  8. バリアフリー対策ができている
  9. 侵入強盗を防ぐ対策ができている

要すれば、安全で快適な生活ができる家ということです。
この中の5、6、8、9は一般的な住宅と同じ条件下にありますが、その他の項目には、要件を満たすことに対して、狭小住宅特有の難しさがあります。

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大地震が来ても倒壊、損壊しない

狭小住宅の場合、敷地が狭いので、十分な居住面積を得る為、3階建てにすることが多いです。1階部分の面積が小さい3階建てなので、細長い住宅になり、一般的な2階建ての住宅より、地震に弱い住宅になるリスクがあります。その為、狭小住宅には、頑強な構造部が求められます。

火災が発生しても燃え広がらない

東京では、多くの地域が防火地域、または準防火地域ですので、法律に応じて、防火扉の設置などの防火対策が求められます。

陽当たりがよく日中は照明をつけなくても生活できる
風通しが良く家の中の空気が滞らない

狭小住宅の場合、一般的な間取りの家を建ててしまうと、この要件を満たせません。隣家との距離が近く、ビルやマンションに囲まれていることさえあります。その結果、昼間でも照明をつけなくてはならない、気候の良い季節に窓を開けても、風が通らないといった室内環境の家になってしまいます。

その為、吹き抜けやスキップフロアなどを採り入れた設計にし、陽射しと風を採り入れなくてはなりません。しかし、木造住宅で、吹き抜けやスキップフロアを採り入れた場合、耐震性を低下させない為、十分な陽射しと風を採り入れられる設計にできないこともあります。耐震性を揺るがさず、十分な陽射しと風を採り入れられる設計にするためには、地震に強く、木造住宅に自由な大空間を造り出せるSE構法が向いています。

常に家の中の空気を循環させる換気計画ができている

近年の住宅は、住宅への熱の出入りを妨げるため、気密性が高められています。気密性が高い家は、断熱性が高まるので、最小限の冷暖房で、適切な室温を維持できます。ただ、家の中の空気が滞ってしまうという危険もあるため、家の中の空気を循環させる換気計画が求まれられます。

空気中に健康を害する物質が含まれていない

最近はかなり減ってきましたが、住宅建材の中には、ホルムアルデヒドを空気中に発散させるものがあります。ホルムアルデヒドが空気中に発散する建材を使った家は、アレルギー発症など、健康に害を与えます。その為、ホルムアルデヒドを空気中に発散させる量の許容範囲が、法律に規制されています。

周辺の音を家の中に侵入させない

この項目は、必須項目ではありません。また、広々とした敷地に建つ家であれば、そもそもこのような問題は起こらないでしょう。しかし、狭小住宅の場合、隣家からの生活音、道路や商業施設からの騒音が家の中に侵入してくる環境にあることが少なくありません。騒音に煩わされない室内環境を調える為、外壁や屋根、窓に防音、遮音機能を持たせる必要があります。

換気計画や、ホルムアルデヒドに関しては、狭小住宅も、一般的な住宅も同じですが、陽当たり、風通し、防音性、耐震性に関しては、一般的な住宅より、高い機能が求められます。特に耐震性は、命と財産にかかわることなので、非常に重要です。

狭小住宅だけではありませんが、自分たち家族の為の家を建てる際には、将来の暮らしの変化を、十分に考慮して、家づくりプランを進めることがとても大切です。

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ホープスの狭小住宅への想い

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ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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