東京,耐震性,狭小住宅,三階建て,注文住宅,SE構法

住宅は豪邸になるほど建築費が嵩むことを考えると、狭小住宅は、一般的な住宅より建築費を抑えられるように思われます。しかし、実際には、狭小住宅の建築費は、一般的な住宅よりも嵩みます。なぜ、一般的な戸建て住宅よりも、建築面積の狭い狭小住宅の方が、建築費が嵩むのでしょうか?また、なぜ狭小住宅においては、建築費を抑えすぎてはならないのでしょうか?

Works(株)ホープスの建築実例

狭小住宅で十分な居住面積を得る為

国土交通省が作成した住生活基本計画における居住面積の水準を見ると、夫婦と子供2人の4人家族が、都市部に住む場合の理想的な居住面積は、95㎡となっています。郊外の戸建て住宅に対しては125㎡となっていますので、一般的な住宅ほどではありません。とは言っても、東京の狭小地に建てる家は、1階分の床面積が狭いため、2階建てでは、家族の為の十分な居住面積とされている95㎡が得られないケースが多いです。そのような場合には、3階建てにし、家全体の床面積を増やす必要があります。

ところが、狭小地に建つ3階建ては、縦に細長い形状の住宅になるので、構造的に不安定になってしまいます。狭小3階建ての家を、どんなに大きな地震が発生しても、命と財産を守れる家にするためには、一般的な住宅よりも、高い耐震性が必要です。耐震性を高めるためには、建築費が嵩みます。その部分の建築費は、命と財産を守るために、抑えてはいけない費用です。

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陽当たりと風通しの良い家にする為

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狭小住宅は、隣家との距離が狭い立地条件であることが多く、周辺には背の高いマンションやビルが、立ち並んでいるような環境であることも少なくありません。その結果、狭小住宅は、陽射しと風を採りこめない家になってしまうのです。3階建て狭小住宅であれば、さらに室内環境が悪化する恐れがあります。

健康を守る家、快適に暮らせる家に、陽当たりと風通しの良さは、欠かせない条件です。狭小住宅だからと言って、晴れた日の昼間でも照明をつけないと、生活に必要な作業ができない家、窓を開けても風が入らず、家の中の空気が滞ってしまう家、気候の良い季節であっても24時間換気だけに頼らなければならない家にするわけにはいきません。

そこで、狭小住宅では、吹き抜けやスキップフロアを設計に採り入れます。吹き抜けは、空間を縦に広げ、階上からの陽射しを、階下の部屋まで届けます。スキップフロアは、空間を横に広げ、陽射しを家の奥まで届けます。同時に、吹き抜けやスキップフロアは、窓の位置に高低差を作るので、風の通り道も確保できます。さらに、狭小住宅には、狭さから発生する圧迫感があるのですが、吹き抜けやスキップフロアによって、空間が広がることにより、広々とした雰囲気が生まれます。

ただし、吹き抜けやスキップフロアには、耐震性を低下させるという問題があります。その為、一般的な木造住宅では、耐震性を守るために間取りの制限があるのです。在来工法の住宅は、耐震性を低下させない為、外壁だけではなく、家の中の適切な位置に、複数個所に耐力壁を配置します。それがなければ、地震の際の横揺れに家が耐えられないからです。

その制限の中で、自由に大空間を造ることはできません。その結果、十分に光を採りこめない吹き抜けや、スキップフロアになってしまうこともあります。命と室内環境を比べれば、命の方が大事です。吹き抜けやスキップフロアの完璧性より、耐震性を優先するのは当然のことです。それでは、木造住宅では、大空間のある家は建築できないのでしょうか?

吹き抜けやスキップフロアのある家が、大地震が起きても、その大きな揺れに耐えられる家であれば、命と財産、そして室内環境が作る暮らしの快適さが同時に実現します。狭小住宅は、そのような家にしなくてはなりません。そこで採用されるのが、SE構法です。

SE構法は、木造住宅に、鉄骨造の住宅のように、自由な大空間を持たせる構法です。SE構法では、科学的な裏付けのある構造計算を基に、作成される構造用の建材と金物によって、強固な構造躯体が作られます。その結果、壁の量を減らすことができるので、高い耐震性を保ちつつ、自由な大空間が実現するのです。

ただし、在来工法で建築するよりも、建築費が嵩むという現実もあります。構造躯体、基礎工事(コンクリートの土台に直接柱を建てるため、通常より強い地盤が必要)、構造計算の費用、建材の輸送費(金物を取り付けた状態で工場から輸送するため、大量に運搬できないため)など、様々な面でコストが上がってしまいます。一般的な住宅の建築費と比べると、100万円以上費用が増えると考えられます。費用は掛かりますが、暮らしの快適さ、視覚的な居心地の良さ、命と財産を守る安全性を備えた家が完成します。

日本の住宅において、耐震性は、絶対に譲れない条件ですから、家づくり費用の上限によっては、室内環境に関してはある程度妥協し、SE構法以外の工法で家を建てるという選択肢もでてきます。

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周辺の環境に煩わされない為

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住宅の密集した地域に建つ狭小住宅には、周囲の生活音、道路や商業施設からの騒音に悩まされることがあります。音の問題は、集中力や、睡眠の妨げとなり、生活の質を著しく悪化させます。反対に、ピアノやバイオリンなどの練習音、子供やペットの泣き声などが、周辺に響くことで、気を使うこともあるかもしれません。

そのような状況を避ける為には、窓の工夫が必要です。窓は、住宅の断熱性を上げるために重要な役割を果たしますが、防音・遮音の働きをする窓もあります。周辺の環境によっては、防音・遮音機能のある窓をつける必要があり、その場合には、一般的な窓よりも費用が嵩みます。

また、周辺からの視線が気になる場合には、ハイサイドライトやトップライトを採用しますが、トップライトの場合、通常の窓より費用が嵩みます。電動式で開閉する、夏の遮熱の為に、専用のブラインドをつけるなど、使い勝手の良さを求めると、さらに高額になっていきます。

トップライト以外にも、狭小住宅では窓全般に関して、一般的な住宅より費用が嵩みます。窓の中で、最も費用が抑えられる窓は、引き違い窓です。しかし、狭小住宅の場合、視線を遮ったり、風通しを良くしたりするため、すべり出し窓が採用される場合が多いので、その分費用が嵩みます。

加えて、東京では、防火地域、準防火地域に住宅を建築する場合、地区に合わせて、耐火建築物や準耐火建築物にすることが義務付けられています。防火窓、防火扉、外壁や屋根、軒裏に使う建材に対して規定があり、通常の住宅より建築費が嵩みます。

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暮らしやすい家を実現するためには、命と財産を守る耐震性能と十分な居住面積、陽当たり風通しの良さ、外部からの騒音や視線に煩わされない環境を調えなくてはなりません。

東京の狭小地に住宅を建築する場合、このような条件を調える為には、吹き抜けやスキップフロアを設計に採り入れる、3階建てで、家の内部に大空間があっても揺るがない耐震性能を持たせる、機能性の高い窓を設置する、地域に合わせた防火措置をするなどが求められます。

ホープスは、これらの条件をすべて満たした上で、美しい外観デザインと、居心地の良い内装を持つ家を実現するため、SE構法で狭小住宅を建てることに辿り着きました。それ以来、今までに数多くの狭小住宅を建築してきました。SE構法で建築する住宅は、一般的な住宅よりも費用が嵩みますが、費用が嵩む分、確実に質の高い暮らしが手に入ります。狭小住宅をご検討中の方には、SE構法で建てる狭小住宅の魅力をお伝えしたいと考えています。どうぞいつでもご相談ください。

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ホープスの狭小住宅への想い

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ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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