東京で、注文住宅を建てる際には、東京都の定めた規定や、都市計画法、建築基準法などによって定められている、様々な制限を、クリアしなくてはなりません。規制の中には、敷地内に建てられる住宅の面積や高さ、道路との位置関係などがありますが、その中に、火災に関する規制もあります。火災に関する規制は、住宅の密集度や、用途地域によって、規制の厳しさが変わり、防火地域、準防火地域に指定されています。

住宅用の土地を探す際にも、注文住宅を新築する際にも、必要になってくる防火地域、準防火地域、新たな防火規制区域について、確認しておきましょう。

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防火地域・準防火地域・新たな防火規制区域について

防火地域と準防火地域は、都市計画法のもとに定められています。都市計画法は、国土全体の土地利用基本計画の中にある都市地域に関する法律です。そして、都市計画法の中には、「土地利用」「都市施設」「市街地開発事業」にかかわる計画があります。これらの計画の目的は、「都市の健全な発展と秩序ある整備」と、「国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進」を目的とする法律です。

これらの計画の中に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」があります。「市街地における火災の危険を防除するため定める地域で、建築物の構造等を制限する地域」と定義づけられている地域が、建築基準法第 61条、第62 条に定められている防火地域と準防火地域です。

東京都には、防火地域と準防火地域に加えて、新たな防火規制区域もあります。東京23区内のほとんどの地域は、防火地域または準防火地域のどちらかに指定されています。そして、防火地域または準防火地域に指定されている地域の中の一部は、新たな防火規制区域にも、指定されています。

■ 防火地域と準防火地域の目的

このような地域は、火災の延焼被害を防ぐために指定されています。火災は、建物が密集していればいるほど、建物と建物との距離が狭ければ狭いほど、延焼被害が発生しやすくなってしまいます。

したがって、建物が密集している度合いが、高い場所は準防火地域、それよりもさらに密集している場所は、防火地域に指定されています。具体的には、駅の周辺、繁華街、幹線道路沿いなどは防火地域に、防火地域の周辺に広がる住宅地は、準防火地域に指定されています。

■ 新たな防火規制区域の目的

防火地域、準防火地域に加えて、東京都の、東京都建築安全条例による新たな防火規制区域があります。この条例は、特に、災害時の危険性が高い地域、木造住宅が密集している地域における住宅、住宅の耐火性能を強化することを、目的として定められました。

  • 災害時の危険性が高い地域とは、条例第7条の3第1項で、次のように定められています。
  • 地震に関する地域危険度測定調査における建物倒壊危険度の評価がランク4以上の地域
  • 地震に関する地域危険度測定調査における火災危険度の評価がランク4以上の地域
  • 老朽木造棟数が30棟/ha以上の地域
  • 防災都市づくり推進計画に基づく木造住宅密集地域
  • 避難場所及び避難道路並びにこれらの周辺等防災上火災を抑制する必要のある地域
  • その他市街地の特性や周辺の状況により1から5までに準ずると認められる地域

新たな防火規制区域に指定されている地区は、それぞれの区のサイトに掲載されています。土地探しの際には、住みたい駅がある区のサイトで、確認しておくとよいでしょう。

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防火地域・準防火地域・新たな防火規制区域で住宅に求められる建物に対する規制の違い

防火地域・準防火地域・新たな防火規制区域で求められる建物への規制は、少しずつ異なります。そして、その規制の違いは、建築費に影響を与えます。

狭小住宅の場合、ほとんどが延べ床面積100㎡以下なので、ここでは、防火地域では、延べ床面積100㎡以下、準防火地域と新たな防火規制区域では、延べ床面積500㎡以下の木造建築の住宅に対する、それぞれの規制の違いを確認していきましょう。

■ 防火地域・準防火地域・新たな防火規制区域で求められる建物への規制

4階建て以上 3階建 1~2階建て
防火地域 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物

準耐火建築物

準防火地域 耐火建築物 耐火建築物

一定の防火措置

防火構造

(外壁、軒裏)

新たな防火規制区域 耐火建築物 耐火建築物 準耐火建築物

 

住宅には、主に木造住宅と、RC造がありますが、木造住宅の場合、地域と階数に応じて、耐火建築物、45分準耐火建築物、一定の防火措置、防火構造のどれかが、求められるということです。では、次に、求められる措置の違いについて確認しましょう。

■ a 耐火建築物

耐火建築物は、3階建て以上の建物に必要な構造です。木造住宅であっても、耐火構造にできます。

■ b 準耐火建築物 耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造、又はそれと同等の準耐火性能がある構造で、3種類の構造があります。

  • 主要構造部準耐火構造 軒裏、外壁、間仕切壁、梁、床、柱には45分、屋根の屋内内側、または直下の天井、外壁(非耐力壁)、階段には30分の耐火能力、不燃材の屋根葺材、d 防火戸(防火設備)が求められます。
  • 外壁耐火構造 屋根の構造に20分の耐火能力、耐火構造の外壁、不燃材の屋根葺材、防火戸(防火設備)が求められます。
  • 主要構造部不燃材料 防火構造の外壁、不燃材料の屋根葺材・柱・梁、準不燃材料の床・階段・外壁、防火戸(防火設備)が求められます。

 ■ c 一定の防火措置

  • 隣地境界線等から1m以内の外壁の開口部に防火設備
  • 外壁の開口部の面積は隣地境界線等からの距離に応じた数値以下
  • 外壁を防火構造とし屋内側から燃え抜けが生じない構造
  • 軒裏を防火構造
  • 柱 ・はりが一定以上の小径、又は防火上有効に被覆
  • 床・床の直下の天井は燃え抜けが生じない構造
  • 屋 根・屋根の直下の天井は燃え抜けが生じない構造
  • 3階の室の部分とそれ以外の部分とを間仕切壁又は戸で区画することが必要

 防火構造とは、火災の延焼を抑えるために外壁又は軒裏に防火性能を持たせる構造です。国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けた鉄網モルタル塗やしっくい塗などが、防火構造に当てはまります。

外壁の耐力壁には、30分の非損傷性と遮熱性、外壁の非耐力壁と、軒裏には、30分の遮熱性が求められます。

■ d 防火設備(防火戸)

防火設備(防火戸)とは、延焼を防ぐために設置する防火機能のある扉です。防火設備には、防火戸の他に、防火シャッター、開放型スプリンクラーなどがあります。国土交通大臣が定めた構造方法を採用している、または国土交通大臣の認定を受けていることが必要です。

加熱面以外の面に火炎を出さないことを目的に、耐火建築物・準耐火建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に設置されます。

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防火地域・準防火地域・新たな防火規制区域に住宅を建てる場合の注意点

三階建ての木造住宅は、防火地域には建てられないのでは?と考えている方も少なくありませんが、法に定められている基準を満たせば、建てられます。実際、木造住宅の方が、RC造の家より、耐火性が高いという意見もあります。ただし、建築費が嵩むことは、覚えておく必要があります。もちろん、耐火建築物にするため、RC造にするほどの建築費は嵩みませんが、一般的な木造住宅よりは、建築費が嵩みます。指定された場所にある開口部には、国土交通大臣の認定を受けた防火扉や防火窓をつけなくてはならないからです。また、屋根や外壁などの建材には、耐火能力の高い建材、不燃材を使わなくてはなりません。ただ、建ぺい率が緩和されるという良い面もあります。

土地選びの際に、防火地域、準防火地域、新たな防火規制区域のうちに、どの地域に属しているかを、区役所や、区の運営しているサイトで、調べておくことが大切です。

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ホープスの狭小住宅への想い

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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