「都心部での暮らしの魅力を満喫したい」

「戸建て住宅に住みたい」

「予算に見合った額で家を建てたい」

このような条件下で都心部に家を建てる場合、予算の額にもよりますが、一般的には狭小住宅が選ばれます。又は、「持っている土地が狭小敷地だから」というケースもあるでしょう。狭小住宅を建てる上で気をつけなくてはならないことと、一般的な戸建て住宅との違いを知った上で、おしゃれな狭小住宅にするポイントを考えてみましょう。

Works(株)ホープスの建築実例

狭小住宅とは

10~15坪程度の敷地に建てる住宅が狭小住宅と呼ばれる住宅です。敷地が狭い為、一般的な住宅とは異なる問題点があります。

  • 居住面積 夫婦だけの暮らし、又は一人暮らしであれば、狭小敷地に十分な居住面積のある家を建てられるかもしれません。しかし、子供がいる、二世帯であるという場合には、十分な居住面積を確保できません。その為、狭小住宅の多くは3階建てで建築されます。
  • 採光と採風 細長い3階建てであることに加えて、周囲を建物に囲まれている狭小住宅は、日当たりと風通しの悪い家になってしまいます。そうなってしまえば、健康的で快適な生活ができません。その為、光と風を取り込むために、吹き抜け、大開口、スケルトン階段、スキップフロアなどが設計の手法として採り入れられます。
  • プライバシー 狭小敷地に建つ家は、法の制限ギリギリまで敷地を使って家を建てます。その結果、隣家や道路との距離が近く、隣家や道路からの視線や生活音、騒音が家の中にまで及んでしまうことがあります。その為、窓やドアの位置と大きさ、開閉方法、機能性などを工夫する必要があります。
  • 高性能 快適な暮らしの為に吹き抜けやスキップフロアを採り入れると、間仕切壁や床面積が減り、家の中の空間が縦にも横にも繋がります。そのような住宅が地震に耐える為には、一般的な住宅よりも高い耐震性が求められます。また、空間が広がる為、冷暖房の効率も落ちてしまいます。冷暖房の効率を落とさず、家の中の温度を均一に維持する為には、高い断熱性と気密性が必要です。そして、道路からの騒音や隣家からの生活音を遮断し、自宅からでる生活音が周囲に及ぼす迷惑も心配せずに生活する為には、高い防音性も必要です。
  • 建築費 耐震性、気密性、断熱性、防音性など住宅の性能を全て高性能にする為に、建築費が嵩んでしまいます。防火地域であれば、耐火建築物にしなくてはならない為、さらに建築費が嵩みます。また、敷地が狭い為、建築中に資材を敷地内に置けず、近隣で資材を置く場所を借りる、車両が敷地内に入れないので、職人が手作業で運ぶというようなことも建築費が嵩む原因の一つです。その他、3階建てにする場合には、地盤改良の費用が嵩むこともあります。
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おしゃれな狭小住宅の外観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狭小住宅では、居住面積を確保する為、各階の床面積が同じになる総二階建て、総三階建ての家にします。上に行くにしたがって小さくしていくと床面積が減ってしまうからです。その為、細長い箱のような家が出来上がります。シンプルな細長い箱のような形状の家は、アクセントのつけ方で個性を持たせておしゃれな外観にすることができます。

  • 屋根の形 隣家や道路との位置関係によっては法的制限がかかる為、北側は屋根を低くしなくてはなりません。その屋根を活かしたこう配屋根は、家の形状のデザイン性を上げることに役立ちます。
  • インナーバルコニー 2階又は3階にインナーバルニーを設けて外壁に空間を作り、総三階建てが周辺に与える圧迫感を抑えます。
  • 窓の位置と大きさ、開閉方法によるタイプの違い 窓は、採光や採風だけではなく、住宅のデザイン性に大きな影響を与えます。狭小住宅ではプライバシーを確保することも考慮しなくてはならないので、位置と大きさ、窓ガラスの種類が非常に重要です。それに加えて、窓の開閉方法によってもデザイン性は大きく変わります。一般的な引き違い窓の他にも、FIX窓、ドレーキップ窓、縦滑り窓、横すべり窓などの多様な窓があります。室内環境を調えつつ、家の外観デザインを向上させる窓を選ぶことが大切です。
  • ルーバー ルーバーは目隠しの働きをするだけではなく、外壁のアクセントとしても役立ちます。ルーバーの大きさと位置、色や質感によって、外観デザインの印象が変わります。
  • 柱、梁、袖壁、庇 縦のアクセントには柱や梁、横のアクセントには袖壁や庇を取り入れることによってシンプルさを損なわずに個性を出すことができます。庇は日差しを遮る働きもし、袖壁は隣家からの視線を防ぐ役割もします。
  • 外壁 建材の質感、色、組み合わせによって、家の印象は大大きく変わります。グレードの低い建材は、断熱効果が低い、再塗装までの期間が短いなど機能的な問題の他に、家をチープな印象にしてしまう恐れがあります。また、色の選び方によって家のイメージが変わります。黒っぽい外壁は、落ち着いた印象、モダンな印象を作り、白っぽい外壁は、ナチュラルナ印象、明るい印象を作ります。色の濃度によって自分の好みに近づけることができます。狭小住宅の外壁の色を考える際には、周辺の環境に調和しているということも大切です。広大な敷地にポツンと建つ家であれば、どんな色にしても問題ないかも知れません。しかし住宅が建て込んでいる地域では、周囲から浮き立たないことも大切だからです。
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おしゃれな狭小住宅の内装

狭小住宅では、狭小住宅特有の問題が発生します。その問題によって、室内環境、居住空間、居住面積などが損なわれてしまう為、様々な設計の手法が施されます。それらの手法を活かして作られるのが、狭小住宅の内装です。

  • 勾配天井 隣家や道路への日当たりを遮らない為に斜めにした屋根を活かした天井です。吹き抜けやトップライトと組み合わせると、明るく、風通しの良い開放的な空間が生まれます。
  • 吹き抜け 1階から3階までの空間を縦に繋げることで、狭さが作り出す圧迫感を和らげます。3階の窓からの陽射しが1階まで届くので、建て込んだ地域に建つ狭小住宅の1階でも明るくなります。
  • スキップフロア 段差を作って間仕切壁を減らし、空間を横に広げます。勾配天井と組み合わせると、屋根が低くなった部分の空間も活かせるので、居住面積を減らさずにインナーガレージを作ることも可能です。
  • トップライト・ハイサイドライト 光と風を採り入れつつプライバシーを確保する為に採用される天井につけるトップライトや頭より高い位置につけるハイサイドライトも、インテリアのデザイン性に貢献します。ガラスとサッシの色や材質によっても雰囲気が変わります。
  • スケルトン階段 間仕切り壁の少ない間取りではおのずと階段は視界の中に入ってきます。スケルトン階段は日当たりと風通しの確保、視線の抜けのために採用される蹴込板のない階段ですが、内装のデザイン性を高めるという効果もあります。階段に使う建材、階段のデザインによって、異なった個性が出せます。
  • 中庭の効果 敷地の形状によっては中庭を作ることもあります。中庭に背の高い樹木を植えることで、すべての居室に緑のある開放的な雰囲気を演出します。
  • 照明 ペンダントライトは空間を狭く見せてしまう恐れがある為、狭小住宅では主にシーリングライトが使われます。これに加えて、壁や床に光を当てて反射させる間接照明を取り入れることで、立体感、奥行き感、メリハリ感のある空間が作り出されます。

おしゃれな狭小住宅にするポイントは、居住性、快適性を高める為に採用される設計上の手法をいかに活かすかというところにあります。素敵な家を建てて、暮らしやすい環境が調ったおしゃれな狭小住宅での生活をお楽しみください。

HOPEsの狭小住宅への思い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホープスは、狭小住宅での快適な暮らしを実現させたいという思いで、すべての住宅の建築に向き合っています。
根本にあるのは、狭小住宅での快適さとは、無駄を省いたシンプルな暮らしにあるのではないかという考え方です。

敷地の形、道路や周辺の環境に合わせて、日当たりと風通しの良い家、プライバシーを確保できる家、高いインテリア性と優れた住宅性能を持つ暮らしやすい家、安心して暮らせる防犯性の高い家をご提案します。

狭いから快適さをあきらめるのではなく、より快適な暮らしを目指して、施主様のご希望に沿った家にしていきます。

狭小住宅としての参考になる建築実例がたくさんございます。ぜひご覧ください。

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著者情報

清野 廣道

清野 廣道

株式会社ホープス代表 
一級建築士
横浜市出身・1995年7月ホープス設立
限られた敷地条件を最大限に活かした、風・光・緑の感じることのできる空間提案を心がけています。

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